フレアスの株主総会に出席しました【2025年12月24日】

株主総会
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フレアス 臨時株主総会

日時:2025年12月24日(水) 10:00-10:15

場所:フレアス初台オフィス(初台駅徒歩12分)

出席株主数:数名

お土産:無し

 

企業概要

フレアス(7062)

HP:株式会社フレアス

①マッサージ直営事業において、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の定めに基づき、厚生労働大臣の行うあん摩マッサージ指圧師国家試験に合格し、厚生労働大臣により免許を与えられたあん摩マッサージ指圧師により提供されるあん摩、マッサージまたは指圧など、医療行為とは異なる医業類似行為に該当する主として医療保険制度の適用対象となるマッサージサービスの提供を行う「マッサージ直営事業」(売上構成比52%)を主に、FC加盟店に対して、FC加盟店が新規に開業するにあたって、開業希望エリアのマーケットを調査し、具体的な開業場所に関する助言を提供するとともに、事業運営に関わる法規制や取引慣行についての説明を行うなど、種々の開業支援を提供し、また、開業後においても、FC加盟店における事業運営上の課題点や経営方針、ケアマネジャーや主治医などとの関係構築などに関する助言や、FC加盟店オーナーが雇用するあん摩マッサージ指圧師に対する施術研修などを継続的に提供する「マッサージフランチャイズ事業」(売上構成比14%)、国民健康保険法および健康保険法その他の関連法令に定められた医療保険制度ならびに介護保険法その他の関連法令に定められた介護保険制度を利用して看護小規模多機能型居宅介護事業および医療対応型療養施設事業を展開する「施設系介護サービス事業」(売上構成比29%)、自宅などで継続的に療養を要する高齢者などの利用者に対して、その主治医の指示に基づいて、看護師などが当社の訪問看護ステーションより利用者の自宅などを訪問して、療養上の世話や診療の補助などのサービスを提供する訪問看護事業を行う「その他の事業」(売上構成比5%)を運営。

筆頭株主は、社長の澤登拓さんの資産管理会社の優美で、澤登拓さん個人での保有分も含めると、150万株、57.8%を保有。
化粧品の製造・販売などを手掛けるアルソア慧央グループが、第8位の株主として、3万株、1.2%を保有。

 

株式情報

時価総額:21億円(2025年12月23日時点)

売上高:75.8億円(2025年3月期実績)⇒77.1億円(2026年3月期予想)

株価:806円(2025年12月23日時点)

1株純資産:744円(2025年9月末時点)、PBR:1.08倍

1株当期純利益:155円(2026年3月期予想)、PER:5.20倍

1株配当:無配(2026年3月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

フリーキャッシュフロー:△6.73億円(2025年3月期実績)

株主数:783名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2026年3月期第2四半期は、当社グループが属する在宅マッサージ業界および介護業界においては、少子高齢化が加速する一方で、医療機関における病床数の減少が見込まれるとともに、政府による地域包括ケアシステムの構築の推進活動と相俟って、在宅療養の重要性がますます高まってきている。このような状況のもと、当社グループのマッサージ直営事業およびマッサージフランチャイズ事業においては、2024年6月よりはり師、きゅう師およびあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費が改定されたことに伴い、施術単価が増加している。一方で、当社グループのメディカルケア事業に含まれる医療対応型療養施設においては、看護師、介護士の採用遅れによるサービス提供回数の減少および一部施設における一時的な入居率の減少が発生した。また看護小規模多機能型居宅介護施設においては、看護師、介護士の採用遅れによるサービス提供回数の減少および営業活動の不足による利用者獲得の遅れが発生した。そのため、2025年9月1日に、医療対応型療養施設の全部および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を事業譲渡した。今後は、高齢者人口がピークに達するという「2040年問題」の到来が見込まれる環境下において、ホスピス施設および看護小規模多機能型居宅介護施設の新規開設を進めることによるサービス利用者のさらなる増大を通じて、超高齢社会における課題解決企業として当社グループが事業を遂行していく。以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は4,593,087千円(前年比28.7%増)、営業利益は78,011千円(前年は営業損失41,279千円)、経常利益は124,788千円(前年は経常損失62,905千円)、親会社株主に帰属する中間純利益は273,494千円(前年は純損失65,705千円)となった。

②当中間連結会計年度より、一部所属セグメントの見直しをした。主に「施設系介護サービス事業」と「その他の事業」に区分していた訪問看護サービスについて「メディカルケア事業」へ集約。

③マッサージ直営事業では、筋麻痺や関節拘縮といった症状が進んでしまった利用者に対して、日常生活動作能力(ADL能力)の向上を目的として、従前よりも高頻度なサービス提供を提案することで、サービス提供回数の増加に取り組んできた。当中間連結会計期間においては、営業専門部署設置などによる初療数の増加および鍼灸施策による鍼灸レセプト数の増加により売上高が増加した結果、増収増益となった。以上の結果、売上高は2,105,413千円(前年比5.5%増)、セグメント利益は634,463千円(前年比5.9%増)となった。

④マッサージフランチャイズ事業では、当中間連結会計期間末における加盟店数は354拠点(前年同中間期末比7.9%増)となった。ロイヤリティ収入などについても、加盟店数増に伴い増加した結果、増収増益となった。以上の結果、売上高は563,645千円(前年比19.0%増)、セグメント利益は149,496千円(前年比4.4%増)となった。

⑤メディカルケア事業においては、2025年9月1日に、医療対応型療養施設の全部および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を事業譲渡した。そのため、2025年9月より看護小規模多機能型居宅介護施設6施設での運営となった。以上の結果、売上高は1,916,022千円(前年比77.2%増)、セグメント損失は138,727千円(前年はセグメント損失303,373千円)となった。
⇒2025年4月からセグメント変更により、前期までその他の事業に含まれていた訪問看護事業は、メディカルケア事業に変更。

⑥その他の事業は、2025年4月からセグメント変更により、前期までその他の事業に含まれていた訪問看護事業は、メディカルケア事業に変更したため、その他の事業は訪問介護事業および居宅介護支援事業などとなっている。以上の結果、売上高は8,006千円(前年比59.8%減)、セグメント利益は74千円(前年比69.5%減)となった。

⑦マッサージ直営事業における、2Qの利用者1人あたりの月間利用回数は7.3回。2Qの施術者1人あたりの1日の施術回数は10.3回。フランチャイズ加盟店は、認知度向上などにより、10拠点増。

中間連結損益計算書に計上されている譲渡した事業に係る損益の概算額は、売上高1,425,421千円、営業損失245,251千円。

⑨2025年6月2日開催の取締役会において、リベルケアに対して、メディカルケア事業に含まれる医療対応型療養施設および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を譲渡することについて決議。当社グループはメディカルケア事業に含まれる医療対応型療養施設(ホスピス)事業を中心とした成長を基本戦略として事業運営を進めてきたが、利用者の獲得、人材の採用に若干の遅れが生じるなど、事業環境が厳しい状況が続いている。 状況改善のため、当社グループは医療対応型療養施設(ホスピス)事業の今後の展開について、他社との提携を含めて慎重に検討を重ねてきたが、既にホスピス事業を展開されており、今後さらに拡大を予定しているリベルケアへメディカルケア事業の一部を譲渡する協議を行うこととした。本事業譲渡は、当該事業の発展に繋がり、現在入居いただいている利用者にも継続してサービスを提供することができ、現状において最善の選択であると考えている。また当社グループにおいても、祖業であり収益性の高いマッサージ直営事業およびマッサージフランチャイズ事業へ経営資源を集中し、新たな成長軌道を描けることができるものと判断し、事業譲渡を決定した。譲渡する事業の内容は、メディカルケア事業に含まれる医療対応型療養施設の全部および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部(フレアス看護小規模多機能水戸、フレアス看護小規模多機能越谷、フレアス看護小規模多機能上溝、フレアス看護小規模多機能新潟江南、SKYHEART看護小規模多機能宮野木、SKYHEART看護小規模多機能鵜の森の6施設以外の、医療対応型療養施設15施設・看護小規模多機能型居宅介護施設6施設)。譲渡する事業の経営成績(事業を継続する看護小規模多機能型居宅介護施設(6施設)も含む)は、売上高2,235百万円(全体比29.5%)、営業利益△620百万円(全体は▲105百万円)、従業員数573名(全体比48.6%)。譲渡価額金は6.5億円。事業譲渡期日は2025年9月1日の予定。

⑩2025年6月4日に、第三者割当により2024年12月30日にEVO FUNDに対し発行された第7回新株予約権(行使価額修正条項および行使停止条項付、2,500個(25万株))の権利行使が完了したと公表。

2025年8月14日に、2025年9月1日付にてメディカルケア事業に含まれる医療対応型療養施設の全部および看護小規模多機能型居宅介護施設の一部を譲渡することを踏まえ、2026年3月期中間期および通期の業績予想について修正(減収増益)。2026年3月期中間期連結業績予想については、メディカルケア事業において、看護師および介護士の人員採用遅れから人件費が減少する。また、事業の一部譲渡に伴い、2025年9月の原価、販管費および営業外費用に含まれる支払利息などが減少するとともに、事業の一部譲渡に伴う売却損益が発生することにより、中間期連結業績予想における営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益の予想を上方修正。2026年3月期通期連結業績予想については、2025年9月1日付にてメディカルケア事業の一部を譲渡するため、通期連結業績予想における売上高を下方修正。一方で、当該事業の一部譲渡により、営業外費用に含まれる支払利息が減少する。また、事業の一部譲渡に伴う売却損益が発生することにより、通期連結業績予想における経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の予想を上方修正。

⑫2025年9月12日に、2026年3月期中間期連結業績予想を上方修正。2025年8月27日において、人材開発支援助成金の入金を受けた。当初は、第3四半期での受領を予定していたが、第2四半期に受領が早まったため、2026年3月期中間期連結業績予想における経常利益の予想を上方修正。

⑬社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は8,031万円。2024年6月に就任した1名を9ヶ月分として試算すると、単純平均で取締役1人当たり2,920万円。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会会場は、フレアス初台オフィスの会議室。

②質疑応答で、「監査等委員会設置会社への移行は、ガバナンスの強化となり良い対応だと思う。」との意見あり。

③質疑応答で、「第1号議案で、定款に「ベンチャー企業等への投資育成事業」「経営コンサルティング業務」「企業の合併、買収、提携に関するコンサルティング業務」が新事業として追加されるが、どのような内容を想定しているのか?」との質問あり。「直ぐに業務を開始するということではなく、今後を見据えての追加。ノウハウが溜まってきており、アドバイスをして欲しいという声がある。ビジネスとして成立するのであれば、進めていきたい。介護・福祉の関連領域のベンチャーでシナジーがあるところに対し、投資をすることもあり得る。」との旨の説明。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、フレアスの初台オフィスの会議室での開催でしたので、良い機会となりました。

質疑応答では、社長の澤登拓さんが丁寧に回答対応をされていました。

フレアスと似た業界の企業として、サンウェルズ(9229)では、診療報酬(訪問看護)の不正請求が特別調査委員会で判明し、株価が急落し業績も悪化しました。また、アンビスホールディングス(7071)では、特別調査委員会による調査の結果、不正請求の実態がないことが事実認定されたものの、診療報酬の不適切請求・不正疑惑の報道があり株価が急落しました。

フレアスにおいては、今回、監査等委員会設置会社への移行により、ガバナンスが強化されますが、同様な問題が発生したり疑われたりしないよう、十分にコンプライアンスに注意して経営頂きたいです。

また、定款に「ベンチャー企業等への投資育成事業」が追加されましたが、将来的にM&Aを行う場合、問題のある企業に手を出さないように慎重なデューデリジェンスが必要かもしれません。

国内においては、少子高齢化が進み、社会保険制度の構造的な問題から診療報酬や薬価などが抑えられ、厳しい事業環境が続くように思えます。医療保険適用のマッサージサービスが医療保険の適用から外れたり、もしくは、医療保険適用の厳格化など、大きな制度改革あった場合、業績への影響が心配です。

2025年10月21日に、高市政権が誕生し始動開始しましたが、自由民主党と日本維新の会との連立政権合意書では、社会保障改革に言及があり、ビジネス環境に変化が無いか継続注視します。

一方で、赤字事業を譲渡し、祖業であり収益性の高いマッサージ直営事業およびマッサージフランチャイズ事業へ経営資源を集中するとのことで、業績の改善が期待されます。再投資も検討します。

 

株主総会会場のフレアス初台オフィスの入る西新宿豊国ビル
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