東京ボード工業の株主総会に出席しました【2025年10月17日】

株主総会
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東京ボード工業 臨時株主総会

日時:2025年10月17日(金) 11:00-11:20

場所:木材会館(新木場駅徒歩6分)

出席株主数:約10名

お土産:除菌ウェットシート、ペットボトルのお茶の配布あり

 

企業概要

東京ボード工業(7815)

HP:木質廃棄物リサイクルによるパーティクルボード製造・販売|東京ボード工業株式会社

①建設業、物流業および廃棄物の中間処理業者より排出される木質廃棄物を自社にて処理を行い、原材料として再資源化し、住宅用建材とするパーティクルボード「E・V・Aボード」を製造および販売を通し、地球環境への負荷を低減することを目的とした循環型木材環境ソリューション事業をを運営。

筆頭株主は、社長の井上弘之さんで、井上弘之さんが代表を務めるT・B・Hの保有分も含めると、98万株、36.6%を保有。
第2位の株主は、合板やパーティクルボードなどの製造・販売を手掛けるセイホクで、26万株、9.9%を保有。
第6位の株主は、合板・建材の専門商社のJKホールディングス(9896)で、7万株、2.9%を保有。
第8位の株主は、床の施工を行う三勇床工事で、6万株、2.3%を保有。
第9位の株主は、せっこう(石膏)を原料とする建築材料の製造・販売などを手掛ける吉野石膏で、5万株、2.2%を保有。

 

株式情報

時価総額:21億円(2025年10月16日時点)

売上高:77.3億円(2025年3月期実績)⇒103.2億円(2026年3月期予想)

株価:599円(2025年10月16日時点)

1株純資産:592円(2025年6月末時点)、PBR:1.01倍

1株当期純利益:77.1円(2026年3月期予想)、PER:7.76倍

1株配当:無配(2026年3月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:795名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2026年3月期第1四半期は、当社グループが事業の主体を置く住宅市場においては、2025年4~6月の新築着工数は、持家が前年比23.4%の減少、貸家が前年同期比24.3%の減少、分譲住宅が前年同期比31.0%の減少、全体では前年比25.6%の減少と、経営環境は総じて厳しい状況で推移した。当社グループでは、佐倉工場の新たなチップ乾燥設備が前期末より稼働を開始し、大きなトラブルもなく順調に生産を行えている。新築着工数の前年対比大幅減少などにより、販売に関しては厳しい状況が続いているが、生産体制が整ったことで、この生産能力と当社グループの強みでもある木質廃棄物の回収から製品の製造・販売の木材のマテリアルリサイクルを最大限に活かすべく、部署間・グループ間の連携の強化、製造工程管理の見直し、人材育成などを行い、営業力の強化を進め、売上の増加および経費の削減に努めてきた。この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は1,981,530千円(前年比1.9%減)、営業利益は48,545千円(前年は、78,336千円の利益)、経常利益は12,330千円(前年は、65,028千円の利益)となり、親会社株主に帰属する四半期純損失は、6,711千円(前年は、40,507千円の利益)となった。

②当社グループは、前連結会計年度において8期連続して営業損失および経常損失を計上した。当第1四半期連結累計期間においては営業利益48,545千円および経常利益12,330千円を計上しており、業績は回復基調にある。しかしながら、当第1四半期連結会計期間末における有利子負債は7,422,798千円(短期借入金257,039千円、1年内返済予定の長期借入金5,301,374千円および長期借入金1,864,384千円)と、手元流動性(現金及び預金1,322,294千円)に比して高水準な状況にあり、取引金融機関には継続して経営改善を前提とした支援を要請している状況にある。これらの状況により、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識。

③当社の2025年3月末時点におけるスタンダード市場の上場維持基準への適合状況は、流通株式時価総額5.1億円(上場維持基準10.0億円)、流通株式比率23.9%(上場維持基準25.0%)となっており、その推移を含め、「流通株式時価総額」および「流通株式比率」について基準を充たしていない。当社は、不適合となっている流通株式時価総額および流通株式比率に関して、2025年3月末までとしていた適合に向けた計画期間を2026年3月末までに延長し、上場維持基準への適合に向けた各種取組を進めている。

④株価上昇について、業績の回復および早期復配が株価上昇には必要不可欠であると認識し、それらの実現に向け、「生産計画の精度向上」「保全体制の見直しと強化」「製造管理の研修会による人材育成」「更なる製造技術開発による製造経費の削減」を継続して実施してきた。しかしながら、上記取り組みにより業績は回復してきたものの、2024年11月稼働開始を予定していた佐倉工場の新たなチップ乾燥設備が、国際情勢による輸入遅延などで2025年3月稼働開始となったことにより、年間のパーティクルボード生産量が想定数量を下回る結果となり、2025年3月期は、売上高、利益ともに予想を下回る結果となった。

⑤IR活動の活性化について、当社の事業活動について、株主の皆様に当社の取り組みを理解していただけるよう、株主向けの企業説明会や決算説明会などの開催ならびに投資家向け決算説明会資料公開サイトへの掲載を検討しているが、業績の回復を最優先事項と捉え、開催などは見送っている。

⑥自己株式処分の検討について、「株式付与ESOP信託」の導入や第三者割当による自己株式の処分など、自己株式の積極的な活用を継続して検討しているが、株価低迷により実施には至っていない。

※株式付与ESOP信託:企業が従業員に対して自社株式を付与するための制度であり、主に従業員のインセンティブとして機能する。 この信託型の株式インセンティブプランは、在職中または退職時に自社株式を交付することを目的としている。ESOP信託は、従業員の経営参加意識を高めることを目的としており、多くの企業で利用されている。

 

⑦当社経営陣の持ち株に関する考え方について、引き続き、個人の資金需要による売却を除き、流動株式比率を高めるための売却などを当面求めない考えでいるが、今後の流動株式比率の状況によっては、柔軟に対処していく。

⑧流通株式時価総額について、今後の課題としては、長期にわたる業績不振により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在し、それに伴い株価が低迷した結果、流通株式時価総額基準への不適合という事態に至ったと認識している。業績の向上および収益の確保を始めとし、早期復配実現、企業活動の周知が喫緊の課題であると捉えている。取組内容としては、佐倉工場の新たなチップ乾燥設備が2025年3月より稼働を開始し、フル生産が可能な体制となったことから、2026年3月期は、2025年5月13日に開示したとおり、大幅な増収と9期ぶりの営業利益および経常利益での黒字化を見込んでいる。これまでの取り組みに加え、DX化などによる業務効率化を進め、高収益体質への転換を図る。また、積極的に当社株式の売買をしていただくため、株主向けの企業説明会や決算説明会などの開催ならびに投資家向け決算説明会資料公開サイトへの掲載を行うなど、IR活動の強化も推進していく。これらの取り組みにより、当社の企業価値を向上させることで、「株価」の上昇ひいては「流通株式時価総額」の上場維持基準への適合を目指していく。

⑨流通株式比率について、今後の課題については、自己株式および当社経営陣による保有比率が高いことにより、流通株式比率基準が不適合となっていると認識している。これらの保有比率を引き下げていくことが今後の課題であると捉えている。取組内容については、株価の動向を見極めつつ「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」の取り組みを引続き実施し、2026年3月期中には自己株式および当社経営陣による保有比率のいずれか若しくは両方を引き下げ、流通株式比率の向上を目指す。

⑩上場維持基準(流通株式時価総額および流通株式比率)について、2026年3月31日までの改善期間内に適合していることが確認できなかった場合には、東京証券取引所より監理銘柄(確認中)に指定される。その後、当社が提出する2026年3月31日時点の分布状況表に基づく東京証券取引所の審査の結果、上場維持基準(流通株式時価総額)に適合している状況が確認されなかった場合には、整理銘柄に指定され、当社株式は2026年10月1日に上場廃止となる可能性がある。当社では、2026年3月末までにスタンダード市場の上場維持基準に適合すべく、各種取組を進めていくが、内外の環境変化や市況の影響などにより計画期間内にこれに適合しない場合も考慮し、他の市場区分への再上場、国内の他取引所への上場も視野に入れて検討していく。

⑪2025年8月12日開催の取締役会において、臨時株主総会招集のための基準日設定および臨時株主総会の開催並びに決算期(事業年度の末日)の変更および定款の一部変更について決議。当社は上場維持基準の適合に向けた取組とともに、国内の他取引所への上場を検討しており、各取引所への相談も開始している。上場維持基準の適合および国内の他取引所への上場に向けては、継続企業の前提に関する注記の解消が必要不可欠であると認識しているが、取引金融機関および監査法人からは、生産体制が整った平常時の実績を2期程度確認し、その上で収益弁済可能と判断できた場合に注記の解消は可能となるとの説明を受けており、このままでは2026年3月末までの注記解消は難しい状況。そこで、取引金融機関および監査法人の判断期間を確保するべく、決算期(事業年度の末日)の変更を行う。2022年12月に焼損した佐倉工場チップ乾燥設備の代替設備が2025年3月より稼働を開始し、2026年3月期第1四半期の生産数量は前年に比べ3割ほど増加しており、在庫も確保できる体制が整ったことから、営業活動に制限をかける必要がなくなった為、今後は更なる業績回復を見込んでいる。2026年3月期第1四半期も、予算に対する達成率が、売上高につき94.68%、経常利益につき104.72%となるなど、概ね想定通り推移しており、国土交通省主管で建築物LCAの実施を促す制度の開始が公表されるなど、当社に追い風となる市場環境となってきているため、当社の強みであるマテリアルリサイクルを前面に打ち出した営業活動を行っていくことで、現在の事業計画はこのまま計画通り進捗し、収益弁済が可能となり注記の解消が実現できると判断している。また、2026年3月期第1四半期は営業活動に制限のあった時期からの移行期として事業計画を立てているが、決算期(事業年度の末日)の変更をすることで、この期間を含めずに決算期をスタートさせることができるようになるため、国内の他取引所の上場審査基準とされている利益の額達成の可能性も高まると見込んでいる。加えて、当該変更により、東証における上場維持基準の適合に向けた改善期間は2027年2月28日となる予定。なお、継続企業の前提に関する注記の解消に向けた判断期間の延長に対しては、決算期(事業年度の末日)は可能な限り繰り下げるのが望ましいため、変更後の決算期(事業年度の末日)は2月末日としている。

⑫社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は2,400万円。2024年6月に退任した1名を3ヶ月分として試算すると、単純平均で取締役1人当たり1,066万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社からの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすくなると思う。

 

株主総会での個人メモ

①質疑応答で、「GC注記(継続企業の前提に関する注記)があると他取引所への上場ができないとの説明があったが、GC注記が外れた後は他取引所へ上場する意思はあるのか?」との質問あり。「他取引所への上場の可能性は十分にある。準備もしている。株式の売買を継続できるように、GC注記が外れ次第、他取引所へ上場したい。」との旨の回答。

②質疑応答で、「IR資料に、「自己株式の活用について、株価低迷により実施には至っていない」との説明があるが、現状、株価はPBR1倍以上であり、赤字である状況も踏まえると低株価ではないように見える。会社が考えている自己株式を活用してもよい株価水準はどの程度なのか?」との質問あり。「製造のトラブルがあり収益が安定していなかったが、株価が上がる業績を出せると思っている。自己株式の活用については、株価1,500円以上で考えたい。」との旨の説明。

③質疑応答で、「2019年3月期を最後に決算説明資料が公開されていないが、IR強化の一環で公開を再開していくとの説明があった。再開できるIR体制はできているのか?新NISAも始まったので早急に再開して欲しい。また、住宅市況が悪化しているので、再開する際には丁寧な説明をして欲しい。」との意見あり。「決算説明資料については取締役の尾股拓彦さんが対応する。2019年3月期以降、業績回復のタイミングを見計らっていた。定時適切なタイミングで再開したい。個人投資家に環境改善事業を知ってもらい当社のファンになってもらいたい。今期は間に合わないかもしれないが、来期にはきっちりとやっていきたい。」との旨の回答。

④議案の採決方法は挙手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の挙手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、社長の井上弘之さんを中心に丁寧に回答対応されていました。

住宅市場においては、厳しい経営環境が続いており、また、8期連続で営業赤字が続いています。

今期、業績予想の通り黒字回復がはかられるのか、業績の推移を継続注視します。再投資も検討します。

 

株主総会会場近くにある東京ボード工業本社とその周辺
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