北國フィナンシャルホールディングスの株主総会にライブ参加しました【2025年6月13日】

株主総会
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北國フィナンシャルホールディングス 第4期定時株主総会

日時:2025年6月13日(金) 10:00-11:05

場所:北國フィナンシャルホールディングス本社(金沢駅徒歩4分)で開催、オンラインでのライブ参加

 

企業概要

北國フィナンシャルホールディングス(7381)

HP:北國フィナンシャルホールディングス (hfhd.co.jp)

①石川県・富山県を主に、銀行業務のほか、消費者金融に係る信用保証業務、クレジットカード業務、ECモール運営業務、債権回収管理業務、システム開発・運用管理業務、投資助言業務、コンサルティング業務、ファンド運営業務、事務受託業務をおこなう「銀行業」(経常収益構成比85%)を中心に、リース業務をおこなう「リース業」(経常収益構成比15%)を運営。

②北陸電力(9505)が、第3位の株主として、66万株、2.9%を保有。
2輪車用チェーンの製造販売などを手掛ける大同工業(6373)が、第6位の株主として、36万株、1.6%を保有。
北國新聞社が、第7位の株主として、35万株、1.5%を保有。
映像環境ソリューションを提供するEIZO(6737)が、第9位の株主として、32万株、1.4%を保有。

2025年10月1日に、商号を「北國フィンシャルホールディングス」から「CCIグループ」へ変更予定。

 

株式情報

時価総額:1,095億円(2025年6月12日時点)

経常利益:122億円(2025年3月期実績)⇒180億円(2026年3月期予想)

株価:4,780円(2025年6月12日時点)

1株純資産:9,338円(2025年3月末時点)、PBR:0.51倍

1株当期純利益:484円(2026年3月期予想)、PER:9.87倍

1株配当:200円(2026年3月期予想)、配当性向:41%

配当利回り:4.1%

株主数:9,843名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①わが国経済は、堅調な企業業績に支えられ、緩やかな景気回復が続いている。物価高を上回る賃上げや設備投資の拡大といった前向きな動きが広がることで、内需主導の景気回復の本格化に期待が高まるが、トランプ米大統領による経済・外交政策やそれを受けた海外経済の動向、とくに自動車や中国への関税引き上げによる国内製造業への影響には注意が必要となる。

当地経済は、雇用・所得環境が持ち直す中で、北陸新幹線の敦賀延伸効果の持続なども見られることから、引き続き緩やかな景気回復の動きが続いている。住宅投資や公共工事は復旧復興関連工事などにより着実に増加している一方、人手不足が一層深刻化しており、経済成長に向けた人手確保への対応が急務となっている。

③経営成績については、経常収益は、株式等売却益の減少により前期比12億63百万円減少の895億76百万円、経常費用は、預金利息や不良債権処理費用の増加などにより前期比8億98百万円増加の772億77百万円となった。この結果、経常利益は前期比21億62百万円減少の122億98百万円となった。一方で、固定資産の減損損失の減少などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9億34百万円減少の81億20百万円となった。

④事業の種類別セグメントの状況については、銀行業では、経常収益は前期比19億円減少の760億38百万円、セグメント利益は前期比20億6百万円減少の118億79百万円となった。リース業では、経常収益は前期比7億31百万円増加の138億90百万円、セグメント利益は前期比1億22百万円減少の4億45百万円となった。2026年3月期の業績予想については、連結ベースで経常利益は180億円、親会社株主に帰属する当期純利益は110億円を見込んでいる。

⑤2026年3月期より持続的な利益成長に基づいた配当を実施し、より一層の安定的な株主還元を実現するため、還元指標を総還元性向から配当性向に変更する。配当性向40%程度を目安として持続的な利益成長に基づき配当を実施し、自己株式取得は機動的に実施する方針とする。

総資金利鞘は0.14%。その他有価証券の評価損益は△17,842百万円。金融再生法開示債権およびリスク管理債権は77,721百万円。貸倒引当金は61,634百万円。預金は、前年比204,158百万円増の4,915,822百万円。貸出金は、前年比186,166百万円増の2,629,769百万円。

⑦2025年2月21日開催の取締役会において商号の変更について2025年6月13日開催予定の定時株主総会に付議することを決議。これまで北陸三県を中心に北國銀行が築いたブランドを大切にしながら、これらの活動を日本全体、世界へ向けて加速していくため、当社のコーポレートブランドを刷新し、商号を「北國フィンシャルホールディングス」から「CCIグループ」へ変更することとした。「CCI(シーシーアイ)」は、当社グループの組織文化として大切にしている「コミュニケーション×コラボレーション×イノベーション」を表している。グループ一丸となって、社内外すべてのステークホルダーとのコミュニケーション&コラボレーションによるイノベーションの創出により、独自の未来を構想し、挑戦し、創造する地域、「ビジョナリーリージョン」の実現に向けて、取り組んでいく。2025年10月1日をもって変更、北國銀行の商号・ロゴの変更は無い。
社名の「CCIグループ」からは、地域や企業イメージが湧かず、違和感あり。

⑧2025年4月30日に「中期経営戦略2025」を公表。2028/3期に経常利益225億円、当期純利益147億円。金利上昇による銀行事業収益の改善、市場環境の変化による新事業収益の計画見直しを反映。

⑨監査等委員である取締役を含む取締役候補者9名中、70歳以上の候補者は宇田左近さん(1955年生まれ、70歳)の1名。
役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑩監査等委員である取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は10,200万円。単純平均で取締役1人当たり3,400万円。

 

株主総会での個人メモ

①質疑応答で、「多くの地方銀行が地場の名産品を株主優待としている。株主優待についての方針は?」との質問あり。「以前は実施しており、2020年を最後に廃止した。名産品選定時の得意先からのクレームや配送トラブル、機関投資家からのクレームもあった。株主還元は配当性向40%の安定配当と自社株買いで対応する。」との説明。

②質疑応答で、「貸金庫を全面廃止する理由は?」との質問あり。「約3,000人弱の利用者がいるが、他行で窃盗事件があり、検討をした結果、継続するのは難しいとの判断となった。」との回答。

③質疑応答で、「店舗の統廃合により混雑している店舗がある。病院、スーパーからATMも撤去されつつある。通帳の廃止も時期早々ではないか?」との意見あり。「デジタルサービスの拡充に努めてきた。店頭振込み利用は1割もない。待ち時間減少のため、事前予約制を取っており、利便性を図っている。デジタルが苦手なお客様にはアプリの利用方法の説明やデジタル教室を開いている。通帳は引き続き利用できる。メガバンクに先駆けて北陸発で最先端を進みたい。」との説明。

④質疑応答で、「中小企業向けの貸出先数、貸出残高、消費者ローン残高が減少している理由は?」との質問あり。「事業譲渡などにより返済があった。また、採算重視としており、融資ができなかったケースもある。新規住宅着工件数が10%以上減少している。他行との金利差から、他行に顧客が流れた面もある。」との回答。

⑤質疑応答で、「「中期経営戦略2025」において、見込んでいる金利シナリオは?」との質問あり。「2025年7月に0.25%、2026年1月に0.25%の利上げがあり、1.00%への利上げを見込んでいる。預金が多いので、急激に金利が上がるとコストが増える。緩やかな利上げが望ましい。」との説明。

⑥質疑応答で、「シェア拡大のため、近隣県の地銀との合併など、地銀再編についてどのような方針なのか?」との質問あり。「他行との合併などは考えておらず、独立行としてやっていく。ただし、経済環境や法律などが変わった場合、企業価値向上やお客様の利便性などを考え、都度協議をしていきたい。」との回答。

⑦質疑応答で、「店舗統廃合で削減された店舗の跡地の活用についてどう考えているのか?」との質問あり。「これ以上、店舗を削減するつもりは無いが、店舗跡地は立地が良いので活用方法については協議をしながら進めていきたい。」との説明。

⑧質疑応答で、「新しい「CCIグループ」の商号について、どのような想い入れがあるのか?」との質問あり。「市場や外国人投資家を意識した商号。「きちんとコミュニケーションをやっていこう。コラボレーションによりイノベーションに繋げていく。」との旨の回答。

⑨質疑応答で、「現状の0.50%の金利水準についてどのように見ているのか?」との質問あり。「0.50%ではまだ低いと思う。インフレ率を見ると1.00%くらいが適切だと思う。内外の状況を見て、日銀が決めていくと思う。」との説明。

⑩質疑応答で、「ROE8%を目標としているが、達成した場合の労働分配率は?」との質問あり。「平均年収として、1,000万円程度になると思う。」との回答。

⑪質疑応答で、「新卒社員の採用など、AIを活用したことによる効果は?」との旨の質問あり。「AIを活用することにより、社員の人数を増やさなくてもよくなる。社員数2,000人であれば、AIの活用により今までの4,000人相当のイメージ。」との旨の説明。

⑫質疑応答で、「Sakana AIとの協業による具体的なアイデアは?」との質問あり。「Sakana AIは、金融・防衛に強い。情報が絶対に漏れない状況下で使いたい。秋くらいからリリースできると思う。」との旨の回答。

⑬質疑応答で、「企業価値担保権について、どのように活用していくつもりなのか?」との質問あり。「企業価値担保権は、会社全体が担保となる。スタートアップや再生企業などに有効だと思う。」との旨の説明。

⑭質疑応答で、「次回の株主総会における社外取締役について2名を推薦したい。」との意見あり。

⑮質疑応答で、「他社から株主優待をたくさんいただいているので、北國フィナンシャルホールディングスは、株主優待は無くてもよい。」との意見あり。

⑯質疑応答で、「貸金庫が全面廃止されるが、現利用者が困ってしまうので、何か対応して欲しい。」との意見あり。

⑰質疑応答で、「小松アリーナの建設見直しの理由は?」との質問あり。「計画当初、1万人収容できるアリーナを約100億円で建設できると試算していたが、建築費高騰で約350億円かかる見積もりとなった。リスクを取れるレベルを超えてしまったので、計画を進めることができなくなった。他の地域のように官で建設したものを受託できたらと思っている。」との回答。

⑱議案の採決方法は拍手での採決。
⇒議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、オンラインでのライブ参加でしたが、実際に社長や取締役の振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたこと大きなメリットでした。

質疑応答では、多くの質問が出ていましたが、社長の杖村修司さんを中心に、丁寧に回答対応されていました。

商号について、「北國フィンシャルホールディングス」から「CCIグループ」へ変更となりますが、新しい商号(社名)からは、地域や企業イメージが湧かず、違和感を感じました。コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)が「横浜フィナンシャルグループ」へ商号を変更する事例とは真逆の対応でもあり気になります。「CCIグループ」への商号変更が、結果として、地方銀行としての企業価値を損なうこととならないか心配です。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、北國フィナンシャルホールディングスは、1株当たり純資産9,338円に対し、株価が4,780円(2025年6月12日時点)、PBR0.51倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

2025年3月期は前期比で最終増益となる地方銀行が多い中、北國フィンシャルホールディングスは最終減益となり気になりましたが、経営方針に独自色のある地方銀行なので、今後の動向を継続注視します。再投資も検討します。

 

2024年6月14日に出席した北國フィナンシャルホールディングスの株主総会の内容についてはこちら↓

北國フィナンシャルホールディングスの株主総会に出席しました【2024年6月14日】 | ぽこタンの株主総会日記

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