ユナイテッド&コレクティブ 第25期定時株主総会
日時:2025年5月30日(金) 12:30-13:55
場所:AP市ヶ谷(市ヶ谷駅徒歩1分)
出席株主数:約30名
お土産:無し
企業情報
ユナイテッド&コレクティブ(3557)
HP:ユナイテッド&コレクティブ株式会社 (united-collective.co.jp)
①一都三県を中心とした首都圏ならびに大阪府において飲食事業を行っており、鶏料理居酒屋「てけてけ」、ハンバーガーカフェ「the 3rd Burger」、うま味海鮮丼「海鮮丼新太郎」の各ブランドを店舗展開。
②筆頭株主は社長の坂井英也さんで、坂井英也さんの資産管理会社のパトリック&カンパニーの保有分を含めると、169万株、37.6%を保有。
飲料大手のサントリーが、第3位の株主として、20万株、4.4%を保有。
アサヒグループホールディングス(2502)の子会社のアサヒビールが、第4位の株主として、10万株、2.2%を保有。
副社長の矢野秀樹さんが、第5位の株主として、4万株、0.8%を保有。
宝ホールディングス(2531)の子会社の宝酒造が、第6位の株主として、3万株、0.7%を保有。
③株主優待(2月末、8月末)
100株:5,000円相当のお食事ご優待券
300株:15,000円相当のお食事ご優待券
株式情報
時価総額:41億円(2025年5月29日時点)
売上高:64.9億円(2025年2月期実績)⇒68.1億円(2025年2月期予想)
株価:900円(2025年5月29日時点)
1株純資産:▲57.8円(2025年2月末時点)、PBR:債務超過ではないが優先株などが影響し1株純資産はマイナスとなっている模様
1株当期純利益:10.7円(2026年2月期予想)、PER:84.1倍
1株配当:未定(2025年2月期予想)、配当性向:未定
配当利回り:未定、株主優待利回り:11.1%(100株保有時)
株主数:12,789名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①外食産業では、原材料・食材・エネルギーの仕入価格の上昇に加え、生産年齢人口の減少やスポットワーカーの増加が進み、原材料費・人件費・水道光熱費といった店舗運営コストが引き続き増加しており、厳しい経営環境が続いている。
②当社では通期での黒字達成と債務超過の解消を目指し、緩やかな新規出店を進めるとともに、売上の回復と収益性の向上を図りながら、COVID-19以前よりも筋肉質な経営を実現すべく、徹底したコスト管理に取り組んでいる。「てけてけ」業態においては、2ヶ月に1度の頻度でメニューを改廃し、グルメサイトなどによる販促施策を強化するなど、物価高騰による影響を価格転嫁のみに依存しないよう集客施策に取り組んできた。「the 3rd Burger」業態においては、定期的に期間限定メニューを導入するなど、ブランド力の向上に努めてきた。また、一部既存店の業態転換を進め、新業態「もつ焼き酒場てけてけ」を9店舗まで拡大し、売上回復を図った。当事業年度は「西船橋もつ焼き酒場てけてけ」「恵比寿新太郎」の2店舗の新規出店を行い、1店舗を退店したことで、当事業年度末における店舗数は81店舗(前年比1店舗増)となった。以上の結果、売上高は6,492,053千円(前年比5.2%増)となり、売上総利益は4,861,558千円(前年比3.9%増)、営業利益は115,594千円(前年比118.4%増)、経常利益は87,048千円(前年比123.7%増)、当期純利益は59,751千円(前年は純損失91,056千円)となった。
③2026年2月期については、引き続き原材料・食材・エネルギーなどの仕入価格の高騰・生産年齢人口の減少など、予断を許さない状況が続くと考えている。そのような店舗運営コストの上昇が続く環境下において、引き続き「PPM(Preparation Process Management)」戦略や既存店売上向上の取り組みなどを推進するとともに、サービスの向上を目指すことにより顧客満足度のを高め、お客様に選んでいただける店舗を目指す。以上から、2026年2月期の業績については、売上高6,816百万円、営業利益150百万、経常利益122百万円、当期純利益73百万円を計画している。
④A種優先株式の発行残は、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合に対する500株。発行価額は、1株につき100万円、発行価額の総額5億円。払込期日は、2021年8月31日。優先配当率は年4.0%に設定。普通株式を対価とする取得請求権または取得条項は無し。
⑤2023年3月3日に、EVO FUNDを割当先とする第8回~第10回新株予約権を発行。2024年11月末時点の未行使の新株予約権数は、第9回新株予約権が1,150個(115,000株)、第10回新株予約権が、5,000個(500,000株)。下限行使価額はいずれも623円。2025年4月末時点、第10回新株予約権の未行使新株予約権数は3,250個(325,000株)。
⑥2025年4月11日に、「2023年2月末時点において743百万円の債務超過となり、上場維持基準のうち純資産の額基準に抵触していた。当社では、2023年5月19日に公表した「債務超過解消に向けた計画について」に記載のとおり、事業面および財務面での安定化を図り持続的な収支の改善を図ることで、2025年2月期会計年度末の純資産が342百万円となり、上場維持基準(純資産基準)に適合する見込みとなった。」と公表。
⑦2025年4月11日に、「当社がこれまで行った雇用調整助成金の申請内容について、東京労働局より指摘を受け社内調査を実施した結果、計算過誤が判明した。これを受け、過誤受給分の全額20,428千円について返還手続きを行った。」と公表。
⑧てけてけは、平均夜客単価2,750円、平均昼客単価1,050円。the 3rd Burgerは、平均客単価1,150円。
⑨2025年2月期第4四半期の原価率25.0%、人件費率35.6%。
⑩社外取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は5,247万円。単純平均で取締役1人当たり2,623万円。
株主総会での個人メモ
①質疑応答で、「MSワラントにより株主数が1.5倍程増え、株主優待コストが増えており株主優待の改悪が心配。株主優待は維持されるのか?」との旨の質問あり。「株主優待コストは約4,000万円。現株価水準は、株主優待を評価してもらっているところもある。資金調達で苦しい時だけ株主優待を実施し、資金調達が終わったら株主優待を廃止するようなことはしない。現株主優待制度を維持する。」との説明。
②質疑応答で、「MSワラントを追加で行う予定は?」との質問あり。「現在実施している以降の計画は無い。」との回答。
③質疑応答で、「配当方針は?」との質問あり。「純資産の手当てを優先する。優先株についてもどこかのタイミングで償却しなければならない。自己資本比率30%を超え、出店を続けても配当余力を確保できる状況となれば配当を出す。」との説明。
④質疑応答で、「現状のバランスシートについてどのように見ているのか監査役の兒玉洋貴さんに意見を伺いたい。」との質問あり。監査役の兒玉洋貴さんから、「1年未満の短期借入について、営業キャッシュフローで返せるので問題は無い。」との旨の回答。
⑤質疑応答で、「「the 3rd Burger」の今後の展開は?」との旨の質問あり。「「the 3rd Burger」を始めた時に比べ、牛肉価格が約3倍になっている。利益を出すのに苦慮している。経営者として利益を優先したいが、強い想い入れはあるのであきらめてはいない。」との旨の説明。
⑥質疑応答で、複数の株主から、「株価対策のため、株主優待の拡充や、500株保有や1,000株保有の株主優待制度を新設したらどうか?」との旨の質問あり。「利益が上がり、株価が上がり、株主優待コストを許容できるようになれば株主優待の拡充も検討する。良い業績で注目されるように企業価値を向上できるように頑張りたい。現株主優待制度は維持する。」との旨の回答。
⑦質疑応答で、「IR問合せを電話でもできるようにして欲しい。」との意見あり。「最小限の人員で対応している。検討する。」との説明。
⑧質疑応答で、「月次報告について、既存店舗だけではなく、全店舗の情報も公開して欲しい。」との意見あり。「検討する。」との回答。
⑨質疑応答で、「株主優待を拡充するよりも、新規店舗を出店し利益を出していく方向に注力して欲しい。」との意見あり。
⑩質疑応答で、「「てけてけ」や「the 3rd Burger」の一部店舗を「もつ焼き酒場てけてけ」に業態変更しているが、どの程度利益が上がるのか?」との質問あり。「「てけてけ」から「もつ焼き酒場てけてけ」への変更は、売上で約20%アップし、客単価も100円程度上がっている。一方で原価率は下がる。「the 3rd Burger」から「もつ焼き酒場てけてけ」への変更は、売上で約30%アップし、利益は3倍くらいになっている。ただ、結果として業態を変える必要が無かった店舗もあった。」との説明。
⑪質疑応答で、株主名簿に載る大株主との方から、「窓や鏡の汚れなど、店内が汚い。飲食店の清掃レベルではない。改善して欲しい。」との旨の意見あり。「(社長の坂井英也さんが)月に一度臨店し、気付いた点について指摘している。ダクトのトラブルでオイルミストが拡散される問題もあった。以前より良くなっていると思うがまだまだ至らない。」との回答。
⑫質疑応答で、「「the 3rd Burger」は閉店していく方向なのか?」との質問あり。「トライアンドエラーをしながら一部店舗については業態転換を行う。個人的にはまた成長へ持っていきたい。」との説明。
⑬質疑応答で、「株主優待を1円単位で利用できるようにして欲しい。」との意見あり。「電子チケットへ変更する際に検討はした。意見として受け止める。」との回答。
⑭質疑応答で、「アプリを利用していたが不具合があり利用できなくなった。」との意見あり。「OSの変更が生じたためとベンダーから報告があった。ベンダーに問合せをする。」との説明。
⑮質疑応答で、「営業利益が1億円レベルで、借入金が27億円は多すぎる。営業利益を大幅に増やすような経営に見直すべきでは?」との意見あり。「今期もしくは来期に、上場来で最高の営業利益を上げたい。」との回答。
⑯質疑応答で、「物流費が高騰しているが、PPMセンターからの配送による出店エリアの制約はあるのか?」との質問あり。「「てけてけ」は、冷凍の状態で宅急便で配送しているので出店エリアの制約は無い。「the 3rd Burger」は、チルドの状態で配送が必要なため、関東エリアに限定せざるをえない。」との説明。
⑰質疑応答で、「グロース市場の上場維持基準が100億円という報道もあるが、何か対策は考えているのか?」との質問あり。「グロース市場の上場維持基準が2030年に時価総額100億円との報道を見た。100億円をしっかりと超えていきたい。上場維持のため、スタンダード市場を選ぶという可能性はある。」との回答。
⑱質疑応答で、「店舗清掃について、清掃業者との契約はあるのか?自社で対応しているのか?」との質問あり。「一部、配管清掃、ダクト清掃、害虫駆除を委託している。コストの問題もある。」との説明。
⑲質疑応答で、「株主優待を商品と引き換えできるようにして欲しい。」との意見あり。「トータルコストの問題もあるので、商品との引換は考えていない。業績が拡大したら検討したい。」との回答。
株主総会を終えて感じたこと
業績は回復基調であるものの低迷しており、新株予約権(行使価額修正条項付)の存在とA種優先株式の発行残も気になりますが、株主優待が魅力的なため、平均1,009円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
株主総会では、多くの質問が出ていましたが、社長の坂井英也さんが質問が尽きるまで丁寧に自分の言葉で対応されていたのが印象的でした。
複数の株主から指摘がありましたが、店舗の清掃状況について同じ印象を持っていました。特に油を使用する業態では、営業時間終了後の毎日の拭き掃除が店舗を清潔に保つポイントになると思います。
店舗を清潔に保つことによって、女性のお客様なども増え、結果として売上や利益につながることを認識し、従業員に過度な負担がかからないように清掃工数をしっかりと確保したうえで、清掃事項を日々のマニュアルに落とし込んだ方がよいかもしれません。
A種優先株式の発行残が気になりますが、債務超過が解消されたので、安定した黒字ベースでの経営を期待して、株主優待も楽しみに継続保有の予定とします。
2024年12月2日に到着したユナイテッド&コレクティブの株主優待の内容についてはこちら↓
ユナイテッド&コレクティブの株主優待が到着しました【2024年12月2日】 | ぽこタンの株主総会日記
