ツカダ・グローバルホールディングの株主総会に出席しました【2025年3月28日】

株主総会
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ツカダ・グローバルホールディング 第30期定時株主総会

日時:2025年3月28日(金) 10:00-10:50

場所:ザ ストリングス 表参道(表参道駅直結)

出席株主数:約30名

お土産:無し

 

企業情報

ツカダ・グローバルホールディング(2418)

HP:ツカダ・グローバルホールディング (tsukada-global.holdings)

①全国の主要都市ならびに海外において店舗を展開し、婚礼事業の運営および挙式の販売を行う「婚礼事業」(売上構成比57%)を中心に、ホテルにて婚礼・宴会・宿泊サービスの提供を行う「ホテル事業」(売上構成比39%)、全国の主要都市において英国式リフレクソロジーサロン「クイーンズウェイ」を運営し、リフレクソロジーサービスを提供、また、関東圏において温浴施設およびフィットネスクラブの運営などを行う「W&R事業(ウェルネス&リラクゼーション事業)」(売上構成比4%)を運営。

②筆頭株主は、取締役の塚田啓子さんが代表を務めるファインネクスバンドで、塚田啓子さんの個人での保有分も含めると、2,221万株、46.5%を保有。
社長の塚田正之さんが、第2位の株主として、711万株、14.0%を保有。
取締役の塚田健斗さんが、第6位の株主として、72万株、1.5%を保有。

※2025年2月20日に、社長の塚田正之さんが、支配株主として合算所有分を含め、議決権所有割合が63.0%と公表。

 

株主優待(12月末)
100株:当社グループ施設内レストランなどの飲食代金割引、ホテル宿泊代金割引、リラクゼーションサロンの施術代金割引、スパ施設の入浴代金割引、フィットネス施設の入会金割引をおこなう株主優待券2枚
5,000株:優待券5,000円分、当社グループ施設内レストランなどの飲食代金割引、ホテル宿泊代金割引、リラクゼーションサロンの施術代金割引、スパ施設の入浴代金割引、フィットネス施設の入会金割引をおこなう株主優待券2枚
10,000株:宿泊1泊招待券1枚、優待券5,000円分、当社グループ施設内レストランなどの飲食代金割引、ホテル宿泊代金割引、リラクゼーションサロンの施術代金割引、スパ施設の入浴代金割引、フィットネス施設の入会金割引をおこなう株主優待券2枚

3年以上
5,000株:優待券を10,000円分へグレードアップ
10,000株:宿泊1泊招待券1枚追加、優待券を10,000円分へグレードアップ

 

株式情報

時価総額:292億円(2025年3月27日時点)

売上高:635億円(2024年12月期実績)⇒709億円(2025年12月期予想)

株価:597円(2025年3月27日時点)

1株純資産:675円(2024年12月末時点)、PBR:0.88倍

1株当期純利益:110円(2025年12月期予想)、PER:5.42倍

1株配当:12円(2025年12月期予想)、配当性向:10%

配当利回り:2.0%、株主優待含む利回り:2.3%(3年以上10,000株保有時、宿泊1泊招待券を20,000円として計算)

株主数:16,810名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①当社グループはブライダル市場、ホテル市場およびウェルネス&リラクゼーション(W&R)市場における新たな価値の創造、高品質かつ魅力あふれる店舗づくりと付加価値の高いサービスの提供に取り組み、多様化するお客様のニーズに的確に対応することで、売上高の拡大と収益性の向上に努めてきた。ホテル事業においては、訪日外国人数が2024年間推計で36百万人(2019年比15.6%増)と過去最高を更新するなど、引き続き高い水準で推移している。これらの影響から宿泊稼働率および宿泊単価が上昇し、総じて安定した状況で推移した。また、2024年6月には米国ハワイ州ホノルルにて「Kaimana Beach Hotel」を運営するBT KALAKAUA, LLCの出資持分の一部を譲り受け、連結子会社とし、2024年11月には米国ワシントン州シアトルにて「Kimpton Palladian Hotel」を取得し事業エリアの拡大および今後の収益拡大に努めた。婚礼事業においては、受注件数が10,047組(前年比0.3%増)と微増となり、回復が遅れていた施行単価についても緩やかに回復している。しかしながら、円安基調の継続に伴い日本から海外への渡航者数の停滞により、海外挙式の一部においては引き続き厳しい状況が継続している。また、W&R事業においては、コロナ禍からの回復に遅れが生じている不採算店舗の退店および事業効率の改善を実施し、今後の収益基盤の強化に努めてきた。この結果、当連結会計年度の売上高は、63,545百万円(同10.6%増)となり、利益面については、営業利益7,408百万円(同38.7%増)、営業外収益において、急激な為替変動の影響により第4四半期に為替差益が978百万円の増加となったことから、経常利益は7,726百万円(同34.5%増)となり、特別利益においてBT KALAKAUA, LLCの出資持分の一部を譲り受け、連結子会社としたことに伴う段階取得に係る差益1,058百万円の計上があったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は5,147百万円(同8.8%増)と増収増益となった。売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて過去最高を達成。

②婚礼事業については、婚礼施行件数が9,404件(同10.1%減)と不採算店舗の閉鎖により減少したが、婚礼施行単価が前年比で回復し売上高は増加となった。利益面においてはエネルギーコストや原材料価格の上昇もあったが、値引販売の抑制によりこれらを吸収し増益となった。この結果、当セグメントの売上高は35,719百万円(同4.3%増)、セグメント利益は5,781百万円(同17.3%増)となった。

③ホテル事業については、ホテル婚礼施行件数が1,641件(同3.9%減)と微減となったが、訪日外国人数の増加から宿泊稼働率および宿泊単価およびコロナの影響により減少していた法人宴会やマイス(MICE)関連も堅調に推移した。この結果、当セグメントの売上高は24,877百万円(同22.5%増)、セグメント利益は3,673百万円(同53.9%増)となった。

※MICE (マイス):Meeting(企業会議・研修)、Incentive Travel(報奨・研修旅行)、Convention(政府主催会議・学術会議・業界会議)、ExhibitionまたはEvent(展示会・見本市・イベント)の頭4文字から成る造語。産官学の各組織が、ビジネスや政治、学問的なテーマのもとに開催する、ビジネスイベントの総称。

 

④W&R事業については、英国式リフレクソロジーサロン「クイーンズウェイ」において不採算店舗の退店などを進め、今後の収益基盤の強化および事業効率化を推進した。また、複合温浴施設「美楽温泉SPA-HERBS」がニフティ温泉ランキングにおいて5年連続の1位となり、来館者数および飲食売上高が過去最高となったことから、売上高、セグメント利益ともに前年を上回った。この結果、当セグメントの売上高は2,948百万円(同0.5%増)、セグメント利益は100百万円(前年はセグメント損失113百万円)となった。

⑤2025年12月期の連結業績予想については、当年に引き続き、訪日外国人数および個人消費は堅調な状況で推移するものと考えている。これらの前提から、回復が遅れている婚礼施行単価についても緩やかに回復し、宿泊稼働率および宿泊単価についても堅調に推移するものと予測している。しかしながら、円安基調の継続による海外挙式数の回復が不透明であること、また、為替相場の急激な変動など当社グループの業績予測数値の算定については引き続き難しい状況にある。注力している施策として、婚礼事業においては、同業他社様が運営する披露宴会場との婚礼受諾事業の拡大、また、スタジオフォトパーク事業においては新規出店によりフォトウエディングを推進し、更なる婚礼取扱件数の増加に取り組んでいく。ホテル事業においては、インターナショナルブランドとの協調による事業エリアの拡大や新たな投資機会の発掘を目指すとともに、地域ごとの需要に合わせた価格コントロールにより宿泊稼働率および宿泊単価のバランスを最適化し、利益の最大化に繋げていく。上記を踏まえた、当社グループの2025年12月期の業績見通しについては、売上高は70,954百万円(前年比11.7%増)、営業利益8,800百万円(同18.8%増)、経常利益7,869百万円(同1.9%増)および親会社株主に帰属する当期純利益5,268百万円(同2.3%増)と見込んでいる。

⑥段階取得に係る差益1,058百万円について、BT KALAKAUA, LLC(Kaimana BeachHotel運営会社)の株式追加取得に伴い、従前保有していた株式の評価替えを実施。

今後の成長戦略は、ホテル事業への積極的な投資を通じて事業領域の拡大。海外への進出を加速。グローバルなホテル展開を目指し、M&Aや新規開発により将来収益を拡大する。

⑧国内の宿泊部門では、Rev PARが前年からさらに成長し、32,123円となった。インバウンドが好調だったことから、ADRは41,667円となった。

※Rev PAR:客室売り上げを客室総数で割ったもので、1部屋当たりの売上を指標化したもの。Revenue Per Available Roomsの略称。

ADR:Average Daily Rateの略で、平均客室単価のことを指す。客室全体の売上を販売した客室数で割った値で、客室1室あたりの販売単価を意味する。

 

2024年10月23日に、株主優待制度の拡充を公表。保有条件を満たした株主を対象に、当社ホテル(ホテルインターコンチネンタル東京ベイおよびストリングスホテル名古屋)で利用できる優待券および宿泊招待券を贈呈。優待券および宿泊1泊招待券の詳細は、優待券の発送日を目安として当社ウェブサイトに掲載予定。

⑩取締役と監査役候補9名中、70歳以上の候補者は塚田正之さん(1946年生まれ、78歳)、塚田啓子さん(1951年生まれ、73歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑪社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は32,600万円。単純平均で取締役1人当たり10,866万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。2023年12月期の有価証券報告書では、塚田正之さんの連結報酬等の総額が1億8,600万円との記載あり。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会会場は、ザ ストリングス 表参道にあるグランドセントラル。株主総会後に、チャペルの見学があった。

②質疑応答で、「業績が良いが、配当性向が10%程度と低い。配当よりもホテル事業への成長投資を優先しているという事か?」との質問あり。「資金が必要なので多額の借入をしている。金利負担を考えると10%がギリギリ。自己資本比率の回復半ばなので理解して欲しい。」との回答。

③質疑応答で、「東証からPBR1倍への改善を求められているが、PBR、PER共に低い状況。株主から評価されていない株価だが対策は?」との質問あり。「株価は多面的な要素で決まる。同業他社含め、ブライダルは評価が低い。謙虚に受け止め、事業の選択と集中、合理化、効率化に積極的に取り組んでいきたい。業績を上げて、積極的に株主還元に努力したい。」との旨の説明。

④質疑応答で、「ホテル事業はラグジュアリーホテルが多いが、ホリデイ・インはADRが約半分なので他のホテルと毛色が違う。競争相手も多そうだが、この価格帯のホテルに踏み込んだ理由は?」との質問あり。「市況として、建築費、内装費の高騰で、ホテルについては採算が取れるギリギリの水準となっている。IHGグループは高価格帯が多くなり、中価格帯が少ない。中価格帯で、かつANAと組み、ANAホリデイ・インブランドとすることで、高稼働が保てるよう集客を期待している。カジュアル系の少し上を狙う。」との旨の回答。

⑤質疑応答で、「ホテルの従業員教育やホスピタリティー教育についてどのような対応しているのか?他国のインターコンチネンタルと比べると水準が違うように見える。」との質問あり。「差があるのは事実だと思う。教育プログラムにのっとってIHGの基準を順守していく。教育に積極的に取り組んでいきたい。」との説明。

⑥質疑応答で、「株主優待券の利用方法について店舗に問合せをすると、「HPから予約をすると割引対応できないので、予約しないで来て欲しい」と言われた。多くの株主に利用してもらえるように利用方法について改善した方が良いのでは?」との意見あり。「改善を検討する。」との回答。

⑦質疑応答で、「ラグジュアリーホテルなどで高品質なサービスを提供する事業なので、従業員の給与を上げて欲しい。」との意見あり。

⑧質疑応答で、「社内取締役は、塚田家の3名のみ。社長の塚田正之さんから取締役の塚田健斗さんへいつ頃どのようなタイミングでバトンタッチを考えているのか?」との質問あり。「後継者問題については、フジ・メディア・ホールディングス(4676)でも取り上げられていた。経験値がさらなる業績の向上を生むと考えている。良いタイミングの時期にバトンタッチをするのは当然で、後継者を育て、いずれ、タイミングを見て対応する。」との説明。

⑨質疑応答で、「ホテル事業は良い状況だと思う。ブライダル事業の現状と今後の見通しについて説明して欲しい。ホテル事業に推移していくのか?」との質問あり。「ブライダルで成長してきた会社。30年前から地方の少子化について想定し、地方に進出せずに事業を行ってきた。富裕層とお金を持っていない人の格差が大きくなってきている。会社の人を呼ばない結婚式や、結婚式をしない人も増えた。ただ、力の無い式場が淘汰され、需給バランスは取れている。売上の内訳は、以前は、フード・ビバレージが50%、美容・写真・演出などのコンテンツが50%の割合だったが、今は、フード・ビバレージが40%、コンテンツが60%へ変化している。少子化で単価自体は増えている傾向。インバウンドが好調なので、国内のホテルについては緩やかに増やしていきたい。世界的に米国への投資が進んでいるので、米国のホテルもバランスよく対応する。ホテルをやることによって、ホテルの中のブライダルが増える。」との回答。

 

株主総会を終えて感じたこと

旺盛なインバウンド需要の恩恵を受け業績が堅調で、PER・PBRから見ても割安に見え、株主優待の拡充もあり、平均387円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、ツカダ・グローバルホールディングが運営するザ ストリングス 表参道での開催でしたので、良い機会となりました。株主総会会場が店内奥にあり、店内の様子を伺うことができ、また、株主総会終了後にチャペルの見学もありました。

質疑応答では、塚田正之さんが年齢(78歳)を感じさせない力強い説明対応をされており、安心しました。一方で、株主総会開始後、わずか30分程度で質疑応答を打ち切っており、違和感を感じました。あまり印象が良くないので、店舗の営業開始時間との兼ね合いがあるのであれば、運営ホテルでの開催や開始時間の前倒しなどの工夫をして、「株主との対話」の観点からしっかりと時間を確保して対応された方が良いと思います。

質疑応答でも質問が出ていましたが、2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、ツカダ・グローバルホールディングは、1株当たり純資産675円に対し、株価が597円(2025年3月27日時点)、PBR0.88倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

2024年12月期は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてにおいて過去最高を達成しました。インバウンド需要の恩恵を受けてホテル事業が好調で、かつ、PER・PBRから見ても株価が割安に見えます。

業績への期待と共に、社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額が3億円を超え高額なので、役員報酬に見合う株価対策も期待して、また、拡充された株主優待を楽しみに継続保有の予定とします。

 

2024年9月2日に到着したツカダ・グローバルホールディングの株主優待の内容についてはこちら↓

ツカダ・グローバルホールディングの株主優待が到着しました【2024年9月2日】 | ぽこタンの株主総会日記

 

株主総会会場のザ ストリングス 表参道
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