fonfunの株主総会に出席しました【2025年3月25日】

株主総会
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fonfun 臨時株主総会

日時:2025年3月25日(火) 10:00-10:10

場所:fonfun本社(笹塚駅徒歩5分)

出席株主数:数名

お土産:無し

 

企業概要

fonfun(2323)

HP:株式会社fonfun(フォンファン) | 東証スタンダード 2323

①ショートメッセージを使った販促ツール「バンソウSMS」を中核とする事業を行う「SMS事業」(売上構成比47%)を中心に、基幹サービスである「リモートメール」の配信事業を行う「リモートメール事業」(売上構成比24%)、システム開発や保守業務事業を行う「受託開発ソフトウェア事業」(売上構成比18%)、スマートフォン向けのアプリを用いて音声情報を非同期で送受信するコミュニケーションサービス事業を行う「ボイスメール事業」(売上構成比11%)を運営。

筆頭株主は、社長の水口翼さんが代表を務めるサイブリッジ合同会社で、同じく代表を務めるサイブリッジコーポレーションの保有分を含めると、218万株、62.3%を保有。
コンサルティング業務などを手掛けるMandarin Orange合同会社が、第3位の株主として、16万株、4.8%を保有。
賀川正宣さんが代表を務めるコンサルティング業務などを手掛けるEGIJが、第6位の株主で、賀川正宣さん個人での保有分も含めると、11万株、3.3%を保有。

③従業員数は、24名のみと少人数体制。

 

株式情報

時価総額:30億円(2025年3月24日時点)

売上高:6.99億円(2024年3月期実績)⇒12.6億円(2025年3月期予想)

株価:424円(2025年3月24日時点)

1株純資産:232円(2024年9月末時点)、PBR:1.82倍

1株当期純利益:21.0円(2025年3月期予想)、PER:11.0倍

1株配当:3円(2025年3月期予想)、配当性向:14%

配当利回り:0.7%

株主数:2,518名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2025年3月期第3四半期は、当社を取り巻く環境に関しては、デジタルトランスフォーメーション(DX)市場やクラウド関連事業において、クライアント企業の産業全体に変革を起こすDXへの取り組みがより一層加速しており、また経済産業省を中心とした政府が掲げるDXレポートにおいても、「2025年の崖」と称される複雑化、老朽化、ブラックボックス化した既存システムが残存した場合に想定される国際競争力の低下などの諸課題への解決にむけて、DXシナリオの重要性が高まるなど、高成長が期待される市場として注目されている。DXソリューション事業においては、クライアント企業のレガシーシステムからの脱却のDX支援を行っており、技術解決の知見を蓄積させ、加えてDXの事業基盤構築に向け、グループ全体でのエンジニア、デジタル人材の拡大を着実に図ってきた。また、クラウドソリューション事業においてもSMS配信サービス「バンソウSMS」に加え、クラウド電話「CallConnect」、飲食店向け日次決算プラットフォーム「れすだく」など、ストック収益のビジネスの拡充をしている。このような状況の中、「テクノロジーで社会をもっとスマートに。」をミッションとして掲げ、社会貢献に資するDXソリューションを提供できるよう当社の既存事業の収益を維持しつつ、新たなサービスの企画・提供を実施している。

②売上高は、前年比70.4%増の857百万円となった。営業利益は、売上高の増収により前年比74.4%増の89百万円となった。また、経常利益は、54.6%増の106百万円となった。四半期純利益は31.1%減の76百万円となった。

③当第1四半期累計期間より、セグメントを従来の「リモートメール事業」「SMS事業」「ボイスメール事業」「受託開発ソフトウェア事業」「その他事業」から、「クラウドソリューション事業」「DXソリューション事業」のセグメントに変更。

④クラウドソリューション事業は、当社が以前より提供してきた、SMS配信サービス「バンソウSMS」やモバイル端末向けWebメールサービス「リモートメール」をはじめとする、主にSaaS型のサービス群を包含する事業。進行期にはM&Aによりクラウド電話システム「CallConnect」や、飲食店向け日次決算プラットフォーム「れすだく」など、SaaSプロダクトの拡充をしている。それらの結果、当第3四半期累計期間において、売上高は前年比34.4%増の559百万円となった。セグメント利益は、売上高の拡大により、前年比80.7%増の182百万円となった。

⑤DXソリューション事業は、顧客それぞれのニーズにより向き合い、データとテクノロジー、顧客のビジネスへの深い理解をもって、企業・社会全体のDX化を推進し顧客と共にビジネスをプロデュースしていく事業。「ソフトウェア開発」、「技術者派遣」などの具体的なソリューションを通じてDX化を支援している。当第3四半期累計期間において、売上高は前年比242.1%増の298百万円となった。また、セグメント利益も、売上高の拡大により、前年比53.9%増の49百万円となった。

資産合計21.8億円に対し、のれん10.3億円純資産合計は、8.5億円。のれんの計上が多く、のれんの状況に注意が必要。

⑦2025年2月13日の取締役会決議により、2025年3月期の配当予想について、上場来初配当・記念配当を実施する予定と決議。2002年9月に上場してから一度も配当を実施しておらず、また、法定の配当原資が確保できていない状況が長く続いていたが、配当原資の確保が出来る見通しとなっているので、長く当社を見守っていただいている株主の皆様へ感謝の意を表するため。

⑧新中期経営計画(プロジェクトフェニックス)は、2026年3月期に、連結売上高20億円、EBITDA 4億円。

⑨企業価値の向上こそが報酬となるとの考えのもと、当社代表取締役の金銭的な定額報酬は0円としている。新中期経営計画で掲げた2026年目標に加え、新株予約権の行使条件である時価総額100億円の達成に向けて事業拡大を推進していく。

⑩2024年7月30日開催の取締役会において、飲食店向け日次決算プラットフォームのSaaS事業運営を行うイー・クラウドサービスの発行済み株式の全てを取得し同社を完全子会社とすることについて決議。イー・クラウドサービスは、2021年8月までTOKYO PRO Marketに上場していたイー・カムトゥルー(3693)より2024年2月に新設分割により事業引き受け法人として設立された法人。同社では、イー・カムトゥルー時代より運営しているSaaS型クラウドシステム「れすだく」、「Win-Board/AM」の開発、販売部門を全て継承している事業法人であり、顧客、取引関係、技術力や販売ノウハウなどを承継している。飲食業界向けのクラウドサービスは、当社がM&A戦略における注力領域のひとつであるフードテック領域に位置づけられ、また同サービスには飲食業界において極めて重要な店舗人材の勤怠管理ソリューションを有しており、勤怠情報を日次決算プラットフォームとデータ連携することで飲食店経営におけるスピーディーな損益計算を実現しており、業界特化型のHRテック領域もカバーしている。長年に渡り利用頂いている優良顧客も多数存在しており、今後も安定的な収益貢献を持続し、またポストコロナ時代で復調傾向にある飲食業界に付加価値を提供することで更なる業績の成長が出来ると判断。2023年12月期は、売上高210百万円、営業利益△41百万円。取得価額50百万円。取得期日は2024年8月1日。

⑪2024年7月30日開催の取締役会において、企業向けDX・AI推進事業を行うグルーコードコミュニケーションズの発行済み株式の全てを取得しグルーコードコミュニケーションズを完全子会社とすること、ならびに資金の借入を行うことについて決議。グルーコードコミュニケーションズは、幅広いクライアントにエンジニア派遣を行い、ハイスキルエンジニアリングリソースを通じて顧客のDX・AI支援を行っている企業。DXコンサルティングの上流工程から、実務工程のラボ型開発、SES、技術者派遣に至るまで、ワンストップでソリューション提供し、顧客課題の解決において高い付加価値を提供している。これにより、高い技術力を持つ人材を高単価で提供できるマーケットポジションを確立し、上流工程からプロジェクトに参画する機会も多いことから、一次商流を中心に事業運営を行っている。同社を完全子会社とすることにより、当社は上級エンジニアスキルを有する技術者約40名の組織を獲得し、新中期経営計画の注力領域の一つであるDX・ソフトウェア開発分野の強化を図る。経験豊富な経営メンバーを当社グループに迎え入れることで、経営のケイパビリティを総合的に強化することができ、グルーコードコミュニケーションズの代表取締役である嵐保憲さんは13回に及ぶM&A経験を有し、M&A仲介業としての数十件の経験を併せ持つため、当社に参画後、事業当事者としてデューデリジェンスを自ら執り行い、加えてPMIにもそれらの知見を活用することができる。業績面においても早期かつ安定的に好影響をもたらすことが期待できると判断。直近2023年12月期における売上高は396百万円、営業利益は7百万円。確認取得価額は601百万円。取得期日は2024年8月1日。

PMI(Post Merger Integration):企業が合併・買収(M&A)を実施した後の統合プロセスを指す。買収後の企業が効果的に統合され、シナジー効果を最大化するために非常に重要で、M&Aの成果を最大限に引き出し、企業価値を向上させるために欠かせない要素。

 

⑫2024年7月30日開催の取締役会において、第三者割当により発行される株式の募集を行うことについて決議。割当先は、Mandarin Orange合同会社。発行新株式数は、168,100株。発行価額は、1株につき892円(株式分割後446円)。払込期日は、2024年8月19日。当社は、グルーコードコミュニケーションズを完全子会社化することを2024年7月30日付で公表した。同社のエンジニア採用・育成の仕組みを活用して、エンジニア100人体制という当社の新中期経営計画「プロジェクトフェニックス」の目標の一つを実現する方針。今後も新中期経営計画の目標達成に向けて積極的にM&Aを推進していくが、グルーコードコミュニケーションズの代表である嵐保憲さんは、M&A経験が豊富であり、当社に参画後、その知見も活用していく。嵐保憲さんは、2000年ワイズノットを設立、オープンソース・ソフトウエアを中心にした受託開発や人材派遣などを行い、ピーク時はグループで600名を超える規模の会社を創業した経営者であり、当社代表取締役である水口翼さんとは、2004年4月青山学院大学の学生起業家・ベンチャー経営者の交流を目的とした青学ベンチャーネットワークの交流会をきっかけとして親交が始まった。その後も嵐保憲さんが複数の企業を立ち上げる中で、M&A案件の紹介やシステム開発案件の相談などビジネス面での定期的な交流があり、2024年3月後半からグルーコードコミュニケーションズのM&Aにむけた検討を行ってきた。その結果、嵐保憲さんには当社子会社となるグルーコードコミュニケーションズの取締役として企業価値の最大化にむけて一丸となって推進をしていくこととなり、今後の協力関係を確固たるものとする目的で、嵐保憲さんが所有する資産管理会社であるMandarin Orange合同会社を割当予定先とする第三者割当増資を実施することが、当社の企業価値および株主価値を向上するための最善の方法であると考え、本第三者割当増資により新株式を発行することを選択した。

2024年8月19日に第三者割当により割り当てたMandarin Orange合同会社から、当該株式168,100株について2024年12月27日に譲渡した旨の報告があったと公表。譲渡の理由は、2024年9月29日付でfonfunの経営から離任したため。譲渡価格は、1株当たり900円(株式分割後450円)。

⑭2024年12月26日開催の取締役会において、株式分割の実施について決議。2025年1月31日を基準日として、普通株式1株につき2株の割合をもって分割。

⑮社長の水口翼さんは、42歳(1982年生まれ)と若い社長。

⑯社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は2,100万円。2023年6月に退任した2名を3ヶ月分、同月に就任した2名を9ヶ月分、1名を無報酬として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,050万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会はfonfun本社での開催。

②質疑応答で、「子会社化したグルーコードコミュニケーションズの代表である嵐保憲さんが所有するMandarin Orangeを割当先とする第三者割当増資を8月に実施した。IRでは、今後の協力関係を確固たるものとし企業価値の最大化にむけて一丸となって推進していくとあったが、嵐保憲さんは、9月に経営から離任し、12月に株式を売却している。短期間の間に何があったのか?」との旨の質問あり。「子会社化する際に嵐保憲さんとは事前にすり合わせをしていたが、方針や方向性が違うことが分かり、嵐保憲さんから退任の申し出があった。」との説明。

③質疑応答で、「子会社化したグルーコードコミュニケーションズは北海道に所在する会社だが、代表の嵐保憲さんが退任した後、企業統治に問題は無いのか?」との質問あり。「エンジニアを派遣する業務などを行っているが、北海道の在籍人数はわずかで、東京近郊にほとんどが派遣されていた。北海道の拠点は廃止し、fonfun本社でコントロールしている。」との回答。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、fonfun本社での開催でしたので、良い機会となりました。

質疑応答では、社長の水口翼さんが丁寧に回答対応されていました。

グルーコードコミュニケーションズの買収については、M&Aを強化していく中で、同社代表であった嵐保憲さんのM&Aの知見獲得を含めての買収額6億円のように見えたので、買収後1ヶ月程度で早々に経営から離任したのは大きな誤算であったように思えます。また、あまりに短期間での離任であったので、グルーコードコミュニケーションズにおいて、今後、何かしらの問題が出てこないかやや心配です。

なお、財務状況において、純資産8.5億円に対し、資産21.8億円のうち、のれんの計上が10.3億円と多いのも気になります。

気になる点も多々ありますが、社長の水口翼さんが代表を務めるサイブリッジ合同会社が2023年6月にTOBにより筆頭株主となり、「主要株主であるサイブリッジグループから社員+社員の子供達へ株式の無償譲渡」「2025年3月期に上場来初配当・記念配当を実施する予定」「積極的にM&Aを推進していく」など、会社を変えようとしている前向きな様子も感じます。

会社の変わる過渡期として、継続、今後の動向を注視します。

 

株主総会会場のfonfun本社のあるJMFビル笹塚01
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