曙ブレーキ工業の株主総会に出席しました【2025年2月28日】

株主総会
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曙ブレーキ工業 臨時株主総会

日時:2025年2月28日(金) 10:00-10:20

場所:曙ブレーキ工業本社(羽生駅から送迎バスあり)

出席株主数:約20名

お土産:無し

 

企業概要

曙ブレーキ工業(7238)

HP:曙ブレーキ工業株式会社

①ディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキ、ドラムブレーキライニング、クラッチフェーシング、ホイールシリンダー、産業機械・鉄道車両用ブレーキなどの製造販売を行う「日本」(売上構成比39%)、ディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキなどの製造販売を行う「北米」(売上構成比28%)、ディスクブレーキの製造販売を行う「欧州」(売上構成比8%)、ディスクブレーキパッド、ディスクブレーキおよびドラムブレーキの製造販売を行う「中国」(売上構成比7%)、ディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ブレーキ用鋳鉄部品、ブレーキ部品などの製造販売を行う「タイ」(売上構成比4%)、ディスクブレーキ、ディスクブレーキパッド、ドラムブレーキ、ドラムブレーキライニング、マスターシリンダー、二輪車用ディスクブレーキなどの製造販売を行う「インドネシア」(売上構成比14%)をセグメントとして運営。

②筆頭株主は、トヨタ自動車(7203)で、1,549万株、11.5%を保有。
いすゞ自動車(7202)が、第2位の株主として、1,211万株、9.0%を保有。
セコム(9735)が、第6位の株主として、200万株、1.4%を保有。
伊藤忠商事(8001)と丸紅(8002)が50%ずつ保有する伊藤忠丸紅鉄鋼が、同じく第6位の株主として、200万株、1.4%を保有。
スズキ(7269)が、第2位の株主として、175万株、1.3%を保有。

 

株式情報

時価総額:320億円(2025年2月27日時点)

売上高:1,663億円(2024年3月期実績)⇒1,676億円(2025年3月期予想)

株価:117円(2025年2月27日時点)

1株純資産:201円(2024年9月末時点)、PBR:0.58倍

1株当期純利益:19.0円(2025年3月期予想)、PER:6.15倍

1株配当:無配(2025年3月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:22,077名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2025年3月期第3四半期は、円安の影響があったが、日本・欧州における完成車メーカーの生産量減少、インドネシア・タイにおける自動車ローン審査厳格化による需要の減少などにより、売上高は1,208億円と対前年比41億円(△3.3%)の減収となった。利益面では、賃金率上昇による労務費の増加や受注減少の影響があったものの、資材調達・生産性向上などの合理化や販売価格の見直しにより、営業利益は17億円と対前年比6億円(+56.4%)の増益となった。経常利益は、リファイナンス資金の借入に伴う資金調達費用などにより17億円の経常損失(前年は経常利益11億円)となった。特別損益において、保有する投資有価証券の一部を売却したことにより投資有価証券売却益を計上し、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億円と対前年比18億円(+921.5%)の増益となった。

日本においては、一部完成車メーカーの生産量減少などにより、売上高は492億円と対前年比26億円(△5.1%)の減収となった。利益面では、生産性向上などの合理化や前期に引き続き販売価格の見直しを進めたものの、受注減少や原材料価格の市況高騰影響などにより、営業利益は19億円と対前年比1億円(△2.8%)の減益となった。

北米においては、前期末に立ち上がったメキシコにおける新型車向け製品や円安の影響はあるものの、米国における一部車種の生産終了などにより売上高は369億円と対前年比7億円(△1.8%)の減収となった。利益面では、新型車向け製品の受注や経費削減の効果はあったが、賃金率上昇による労務費の増加などにより、営業損失は26億円(前年は営業損失28億円)となった。

欧州においては、完成車メーカーの生産量減少や一部車種のモデルチェンジに伴う販売終了により、売上高は99億円と対前年比13億円(△11.3%)の減収となった。利益面では、資材調達・生産性向上などの合理化に取り組んでいるものの、受注減少の影響により、営業利益は3億円と対前年比1億円(△21.7%)の減益となった。

中国においては、円安の影響があった一方で、主要な日系完成車メーカーを中心に受注が減少したことにより、売上高は85億円と対前年比6億円(△6.2%)の減収となった。利益面では、受注減少の影響があったものの、経費削減や資材調達・生産性向上などの合理化に取り組んだことにより、営業利益は2億円(前年は営業損失4億円)となった。

タイにおいては、金利上昇やローン審査厳格化を主とした国内需要減退があったが、前期の後半に立ち上がった日系完成車メーカー向け製品の受注増加や円安影響などにより、売上高は55億円と対前年比3億円(+6.4%)の増収となった。利益面では、販売価格の見直しや、資材調達・生産性向上などの合理化により、営業利益は4億円と対前年比1億円(+27.7%)の増益となった。

インドネシアにおいては、金利上昇やローン審査厳格化により小型車用製品を中心に受注が減少し、売上高は183億円と対前年比4億円(△2.3%)の減収となった。利益面では、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響を販売価格へ転嫁したことや資材調達・生産性向上などの合理化はあったが、受注減少や賃金率上昇による労務費の増加により、営業利益は14億円と対前年比0.4億円(△3.1%)の減益となった。

⑧当第3四半期連結累計期間は、北米・中国・タイ・インドネシアについては2024年1月~2024年9月、日本・欧州については2024年4月~2024年12月。

当社のA種種類株式を保有しているジャパン・インダストリアル・ソリューションズは、2025年1月14日付で、その保有するA種種類株式の一部(6,300株)について普通株式を対価とする取得請求権を行使した。また、当該取得請求権の行使に伴い当社が取得したA種種類株式の自己株式について、同月16日開催の取締役会において、消却することを決議し実施した。消却後の発行済A種種類株式数は13,700株。取得請求権の行使に伴い交付される予定の普通株式の数は13,739万株。ジャパン・インダストリアル・ソリューションズは筆頭株主となり、議決権所有割合は50.72%。本臨時株主総会にて、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズから取締役1名(長岡宏さん、代表取締役社長に就任予定)を受け入れる予定。

⑩ジャパン・インダストリアル・ソリューションズによるA種種類株式の取得請求権の行使およびこれに伴う普通株式の交付により、2025年3月末時点における当社の流通株式比率は、東京証券取引所プライム市場の上場維持基準である35%を下回ることが想定される。これに伴い、当社は、同スタンダード市場への移行の検討を開始していく。

⑪A種種類株式の取得と引換えに交付する普通株式の数は、普通株式対価取得請求に係るA種種類株式の数に、A種種類株式1株当たりの払込金額相当額に下記に定める普通株式対価取得プレミアムを乗じて得られる額ならびに、A種累積未払配当金相当額および日割未払優先配当金額の合計額を乗じて得られる額を、当初取得価額は80円および取得価額の調整で定める取得価額で除して得られる数。なお、「普通株式対価取得プレミアム」とは、普通株式対価取得請求の効力が生ずる日が以下の各号のいずれの期間に属するかの区分に応じて定める数値。2020年6月30日までは1.13、2020年7月1日から2021年6月30日までは1.20、2021年7月1日から2022年6月30日までは1.27、2022年7月1日から2023年6月30日までは1.34、2023年7月1日から2024年6月30日までは1.41、2024年7月1日から2025年6月30日までは1.48、2025年7月1日以降は1.55。

⑫A種種類株式の取得と引換えに交付する金銭の額は、金銭対価取得請求に係るA種種類株式の数に、A種種類株式1株当たりの払込金額相当額に下記に定める金銭対価取得プレミアムを乗じて得られる額ならびに、A種累積未払配当金相当額および日割未払優先配当金額の合計額を乗じて得られる額。なお、「金銭対価取得プレミアム」とは、金銭対価取得請求の効力が生ずる日が以下の各号のいずれの期間に属するかの区分に応じて定める数値。2020年6月30日までは1.05、2020年7月1日から2021年6月30日までは1.12、2021年7月1日から2022年6月30日までは1.19、2022年7月1日から2023年6月30日までは1.26、2023年7月1日から2024年6月30日までは1.33、2024年7月1日から2025年6月30日までは1.40、2025年7月1日以降は1.47。但し、金銭対価取得請求に基づきA種種類株主に対して交付される金銭のうちA種種類株式1株当たりの払込金額相当額に金銭対価取得請求に係るA種種類株式の数を乗じた額の合計額が、累計で66億円を超える場合には、A種種類株主はかかる金銭対価取得請求を行うことはできない。

⑬監査等委員である取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は7,200万円。2023年6月に就任した1名を9ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり4,114万円。

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、曙ブレーキ工業本社内にあるホールでの開催。

②取締役の席に名札が無かったのが気になった。名札があった方が、会社の顔となる役員の方々の顔と名前が一致するので親切だと思う。

③司会者が、代表取締役の宮地康弘さんについて、役職名ではなく、「さん」付けで呼んでいたのが印象的。

④監査等委員である取締役の河本茂行さんは、都合により欠席。

⑤質疑応答で、「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズによるA種種類株式の取得請求権の行使による普通株式の交付により、流通株式比率がプライム市場の上場維持基準である35%を下回ることが想定され、スタンダード市場への移行を検討するとのことだが、A種種類株式はまだ13,700株残っている。今後も取得請求権の行使と普通株式の交付が進むと、スタンダード市場の上場維持基準である流通株式比率25%も下回ってしまい、スタンダード市場すら上場維持できなくなるのではないかと心配。上場維持について、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズと相談している内容があれば教えて欲しい。」との質問あり。「今後のA種種類株式の対応については、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズが決めること。この場では分からないので回答できない。」との説明。

⑥質疑応答で、「今後の会社の運営はどのようになるのか?」との質問あり。「米国トランプ政権の誕生により、2025年以降の自動車業界は不透明。案を出して経営に組み込んでいき、収益を出していきたい。」との回答。

⑦質疑応答で、「メキシコに工場を保有しているが、米国トランプ政権では、カナダ・メキシコに対して25%の関税をかけるとの報道がある。対策は?」との質問あり。「メキシコ工場で生産している部品は、メキシコにある完成車メーカーに納めているので、完成車メーカーがどれだけ出せるのかとの問題。収益を維持できるように検討は進めている。」との説明。

⑧質疑応答で、「配当について無配が続くが、いつ頃から復配できそうか?」との質問あり。「しっかりと利益を積み重ねて、配当を再開したい。いつ頃かは言えない。」との回答。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、曙ブレーキ工業本社内にあるホールでの開催でしたので、良い機会となりました。

質疑応答は、執行役員であり代表取締役社長に就任予定の長岡宏さんを中心に、担当役員が回答対応されていました。議長を務めていた代表取締役の宮地康弘さんの意見が伺えなかったのは残念でしたが、1月の社長退任後、本株主総会をもって代表取締役からも辞任されるとのことで、宮地康弘さんに元気が無いように感じました。

質疑応答で質問が出ていた通り、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズが保有するA種種類株式はまだ13,700株残っています。2025年7月1日を過ぎると普通株式対価取得プレミアムが頭打ちとなるため、取得請求権の行使が近づきつつあるように思えますが、取得請求権の行使と普通株式の交付が進むと、スタンダード市場の上場維持基準である流通株式比率25%も下回ってしまい、スタンダード市場へ移行したとしても、スタンダード市場の上場維持も危ぶまれます。

質疑応答では、抽象的な回答が多くその他にもいくつか違和感を感じました。今後の参考までに、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズがどのような出口戦略を探るのか注視します。

 

株主総会会場の曙ブレーキ工業本社
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