丸山製作所の株主総会に出席しました【2024年12月19日】

株主総会
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丸山製作所 第89回定時株主総会

日時:2024年12月19日(木) 10:00-11:05

場所:住友不動産神田ビル(淡路町駅徒歩2分)

出席株主数:約130名

お土産:丸山製作所のロゴ入りの文明堂三笠山1号(5個入)、ペットボトルのお茶

 

企業概要

丸山製作所(6316)

HP:株式会社丸山製作所 (maruyama.co.jp)

①防除機や林業機械(刈払機)などの製造販売を行う「農林業用機械」(売上構成比75%)を中心に、工業用高圧ポンプや高圧洗浄機などの製造販売を行う「工業用機械」(売上構成比17%)、消防機械や農林業用機械や工業用機械およびその他の機械に関する販売用部品などの製造販売を行う「その他の機械」(売上構成比7%)、不動産賃貸業および売電事業を行う「不動産賃貸他」(売上構成比1%)を運営。

②農業機械大手のクボタ(6326)が、第7位の株主として、9万株、2.3%を保有。
電動工具トップのマキタ(6586)が、第9位の株主として、7万株、1.6%を保有。

③株主優待
9月末
100株:シャワーヘッド「habiller(アビリア)」30%割引クーポン

1年以上
100株:クオカード1,000円を追加

3年以上
100株:クオカード2,000円を追加へグレードアップ
200株:クオカード2,500円を追加へグレードアップ

5年以上
100株:クオカード3,000円を追加へグレードアップ
200株:クオカード4,000円を追加へグレードアップ

7年以上
100株:クオカード5,000円を追加へグレードアップ
200株:クオカード6,000円を追加へグレードアップ

 

株式情報

時価総額:100億円(2024年12月18日時点)

売上高:400億円(2024年9月期実績)⇒410億円(2025年9月期予想)

株価:1,990円(2024年12月18日時点)

1株純資産:4,764円(2024年9月末時点)、PBR:0.41倍

1株当期純利益:169円(2025年9月期予想)、PER:11.7倍

1株配当:75円(2025年9月期予想)、配当性向:44%

配当利回り:3.7%、株主優待含む利回り:6.2%(7年以上100株保有時)

株主数:7,924名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①農林業用機械業界では、国内では農業資材費や原材料費の高騰に伴う価格改定の影響が見られ、海外ではコロナ下の巣ごもり需要が一段落したことによる反動減により、出荷・生産実績が減少した。このような状況の中、国内では大規模区画農業に対応するハイクリブーム「BSA-2000C」の全国展開に向け、各拠点に実演機を配置し、展示会での出展や実演を通じた販路拡大に注力した。また、ステレオスプレーヤにおいては、動画配信や各地での講習会を通じて、安全啓蒙活動を強化した。工業用機械分野では、営業拠点に専任担当者を増員し、工業用ポンプや汎用洗浄機の実演と販売活動を強化した。また、ウルトラファインバブル市場の拡大を目指し、農業用水配管へのウルトラセル導入を進めるとともに、BtoC市場向けにシャワーヘッド「habiller(アビリア)」の130周年記念キャンペーンやSNSを活用した販売促進を展開し、市場拡大のスピードを加速させた。海外では、当社グループの強みである大型防除機などの農林業用機械の販売を、韓国をはじめとするアジア市場で拡大した。加えて、タイ国市場のニーズに応える新機種のエンジン刈払機を発売し、販売強化を図った。また、ウルトラファインバブル発生ユニットを海外の飲食店へ導入するなど、新たな販路拡大にも積極的に取り組んだ。これらの結果、国内においては、ホームセンター流通では刈払機は増加したが、アグリ流通において動力噴霧機が減少した結果、国内売上高は29,962百万円(前期比1.3%減)となった。また、海外においては、シェールオイル採掘用のポンプは増加したが、中南米向けの動力噴霧機や刈払機、北米および欧州向けの工業用ポンプが減少した結果、海外売上高は10,044百万円(前期比9.2%減)となり、売上高合計は40,006百万円(前期比3.4%減)となった。利益面では、一部商品の値上げや大型機械の販売増による売上高の増加はあったが、原材料費の高騰による製造原価の増加や販売費、固定費の増加などにより、営業利益は1,168百万円(前期比32.6%減)、経常利益は1,109百万円(前期比35.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は597百万円(前期比51.0%減)となった。

②農林業用機械は、国内においては、アグリ流通において動力噴霧機は減少したが、ホームセンター流通において刈払機は増加した。また、海外においても、北米向けの刈払機が増加したことにより、国内外の農林業用機械の売上高合計は30,238百万円(前期比0.6%増)、営業利益は1,126百万円(前期比2.3%増)となった。

③工業用機械は、国内においては、洗浄機が減少した。また、海外においても、北米および欧州向けの工業用ポンプが大きく減少したことにより、国内外の工業用機械の売上高合計は6,817百万円(前期比20.8%減)、営業利益は1,439百万円(前期比28.0%減)となった。

④その他の機械は、消防機械を主なものとする売上高は2,759百万円(前期比7.2%増)、営業利益は100百万円(前期比2.2%増)となった。

⑤不動産賃貸他は、売上高は423百万円(前期比11.0%減)、営業利益は235百万円(前期比18.2%減)となった。

⑥来期の業績予想については、連結売上高41,000百万円、連結営業利益1,200百万円、連結経常利益1,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益700百万円を見込んでいる。

2024年10月8日に、2024年9月期連結業績予想および配当予想を下方修正。国内のアグリ流通においては農林業用機械の売上高が減少し、海外においては中南米向けの農林業用機械、北米および欧州向けの工業用機械の売上高が減少した。これに伴う生産高減少によるコストアップや、原材料の高騰に対応すべく、一部製商品の値上げやトータルコストダウンの推進など利益対策を実施したが、売上総利益の悪化を補うには至らなかった。また、工業用機械を中心とした新流通での販売と海外市場拡大に注力し展開してきたが進捗が芳しくなかったこともあり、売上高および各利益は前回予想を下回る見込み。

⑧監査等委員である取締役と取締役候補者6名中、70歳以上の候補者は尾頭正伸さん(1952年生まれ、72歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

⑨監査等委員である取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は15,500万円。単純平均で取締役1人当たり3,100万円。

 

株主総会での個人メモ

①質疑応答で、「対処すべき課題において、在庫管理のデジタル化とあるが、現状とデジタル化後の姿を教えて欲しい。」との質問あり。「一部、協力工場に対しEXCELでの手発注はあるが、既にデジタルで受注から生産、販売はつながっている。需要に季節要因があり、見込み生産で平準化が必要だが、見込みの精度向上が課題。大型商品については生産に時間がかかるので、仕掛の仕込みを含めた受注生産の仕組みを作る。」との説明。

②質疑応答で、「対処すべき課題において、海外市場の拡大を挙げているが、今後の見通しを教えて欲しい。」との旨の質問あり。「海外は悪い面も良い面もあるが、総じて良い方向に進んでいくと見ている。インド市場については、市場性よりも生産が課題。」との回答。

③質疑応答で、「対処すべき課題において、人材活性化を挙げているが現状の課題とその対策を教えて欲しい。」との質問あり。「自らチャレンジするという点が不足している。将来に対する希望を意思統一し、社員との対話を増やす。」との旨の説明。

④質疑応答で、「今期の業績見通しは、増収増益となっているが、配当は据え置き。事業報告を聞く限り、明るい未来が見えなかった。今期の業績見通しに対する社長の内山剛治さんの見解は?」との質問あり。「今期の業績見通しの数字は低い目標と見ている。上期と下期の違いは値上げのタイミングによるもの。」との回答。

⑤質疑応答で、「東証からPBR1倍への改善要請があるが、現状PBR0.5倍を割れている。PBR改善はどう対応するのか?」との旨の質問あり。「PBR1倍への改善は、なかなか1年という期間での対応は難しい。本業をしっかり対応して元の利益体質に戻すことがPBR1倍への近道。IR広報にも力を入れ始めている。」との説明。

⑥質疑応答で、「農林業用機械が売上の多くを占めるが、利益率が低い。利益率が低い理由と改善策を教えて欲しい。」との質問あり。「市場原理があるが値上げをし、調達部門の直材コストも下げる。改善活動も実施している。新商品の投入で利益率の改善をはかりたい。」との回答。

⑦質疑応答で、「取締役のスキルのマトリックス表で、生産本部長にデジタル技術ITのマークが無いが、サイバーセキュリティー上、心配。なぜマークが無いのか?」との質問あり。「子会社のM-InnovationsにITの専門家を招いて社長に就任いただいた。会社全体として対応している。」との説明。

⑧議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、社長の内山剛治さんが丁寧に回答対応されていました。

質疑応答でも質問が出ていましたが、2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、丸山製作所は、1株当たり純資産4,764円に対し、株価が1,990円(2024年12月18日時点)、PBR0.41倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

2023年9月期までは増収増益が順調に続いていましたが、2024年9月期の減収減益が一時的な落ち込みなのか、それとも構造上の問題なのかが気になるところです。

一方で、株主優待も魅力的なので、業績の動向を継続注視し、再投資も検討します。

 

2023年12月25日に到着した丸山製作所の株主優待の内容についてはこちら↓

丸山製作所の株主優待が到着しました【2023年12月25日】 | ぽこタンの株主総会日記

 

株主総会会場の住友不動産神田ビル
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