ナイルの株主総会に出席しました【2024年12月5日】

株主総会
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ナイル 臨時株主総会

日時:2024年12月5日(木) 14:00-14:15

場所:TOCビル(五反田駅徒歩8分)

出席株主数:数名

お土産:無し

 

企業情報

ナイル(5618)

HP:ナイル株式会社[Nyle Inc.]

①デジタル戦略コンサルティングによる顧客企業の課題特定と課題解決策としてのDX・マーケティングに関するコンサルティングや実行支援、メディア開発・運営支援、コンテンツマーケティング支援、ユーザー解析に基づくWebサイト改善コンサルティング支援、生成AIによる業務自動化支援など、インターネットを活用した顧客企業の売上成長・利益成長支援を行う「DX&マーケティング事業」、主に複数のメディアの開発・運営及びデジタル広告に関するソリューション提供を通じ、顧客の事業成長支援を行う「メディア&ソリューション事業」を手掛ける「ホリゾンタルDX事業」(売上構成比52%)、「おトクにマイカー定額カルモくん」の事業運営を主軸として、個人向けに日系メーカー全車種の新車および中古車に対して、頭金やボーナス払なしで月1万円台からマイカーを利用できるサブスクリプションサービスを提供する「自動車産業DX事業」(売上構成比48%)を運営。

筆頭株主は、社長の高橋飛翔さんで、343万株、40.2%を保有。
電通グループ(4324)の子会社のセプテーニ・ホールディングス(4293)が、第7位の株主として、21万株、2.4%を保有。
広告大手の博報堂DYホールディングス(2433)の子会社の博報堂DYメディアパートナーズが、第9位の株主として、17万株、2.0%を保有。
紳士服などを手掛けるAOKIホールディングス(8214)の関係会社のアニヴェルセルHOLDINGSが、第10位の株主として、16万株、1.8%を保有。

 

株式情報

時価総額:26億円(2024年12月4日時点)

売上高:52.4億円(2023年12月期実績)⇒54.0~57.0億円(2024年12月期予想)

株価:314円(2024年12月4日時点)

1株純資産:107円(2024年6月末時点)、PBR:2.93倍

1株当期純利益:▲84.3円~▲76.1円(2024年12月期予想)、PER:赤字

1株配当:無配(2024年12月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:2,413名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会前の事前情報

①2024年12月期第3四半期は、中古車販売事業を営むパティオのM&Aを実行し、事業規模の拡大が着実に進行している。当第3四半期連結累計期間における売上高は3,924,942千円、営業損失は591,402千円、経常損失は603,484千円、親会社株主に帰属する四半期純損失は606,348千円となった。

②ホリゾンタルDX事業は、主力となるDX&マーケティング事業は、サービス提供体制の強化に努め、堅調な成長を継続している。一方で、メディア&ソリューション事業は、競合の伸長により競合環境が激化し、軟調に推移している。この結果、売上高は1,790,989千円、セグメント利益は342,035千円となった。

③自動車産業DX事業は、DXおよびマーケティングの知見を活用して、自動車産業のDX化を推進する事業として、2018年に立ち上げた事業。当事業では、「おトクにマイカー 定額カルモくん」の事業運営を主軸として、個人向けに幅広い車種の新車および中古車を対象としたマイカーのサブスクリプションサービスを提供している。従来、個人が自動車を購入する際には、ディーラーや自動車販売店の店舗を訪問する必要があった。また、ディーラーや自動車販売店が取り扱うローンやリースなどの金融商品は、各社の提携ファイナンス会社が提供するケースが多く、与信の弱い個人は自動車金融商品を活用できない場合がある。当事業では、個人の車購入におけるあらゆるプロセスをDX化することで、マイカー購買の手間暇を省力化するとともに、与信の弱い個人に対する自動車金融商品の提供可能性を模索することで、自動車領域における金融包摂サービスの提供を進めており、新車・中古車の販売市場における新たな市場創出に取り組んでいる。ビジネスモデルとしては、車両本体に加えてマイカーの利用中に発生する維持管理コストなども含めて月額定額のサブスクリプションとするオプションなども幅広く提供しており、顧客のニーズに沿ったプラン設計を行うことが可能。当事業では、当社が提携する金融事業者と顧客間におけるリース契約の獲得を仲介することで、提携金融事業者からの初期紹介手数料として納車時にスポット収益を計上する。また、顧客が、当社が提携する金融事業者とリース契約を締結したリース車両について、整備費用などのメンテナンスサービスを中心としたオプションをリース期間にわたり提供しており、顧客からその対価として定額の月額収益を受領している。 当第3四半期連結累計期間においては、既存顧客の月額収益の積み上げおよび広告費の規律的な抑制により赤字が大幅に改善している。また、当第3四半期連結会計期間よりパティオを含めた連結決算の適用を開始し、着実に事業規模の拡大が進行している。この結果、売上高は2,133,953千円、セグメント損失は649,007円となった。

2024年7月18日開催の取締役会において、パティオの全株式を取得し、子会社化することについて決議。パティオは、埼玉県および東京都に複数の店舗を展開しており、20年以上の長きに渡り中古車販売事業を運営しており、直近においても黒字で安定的に事業を営んでいる。パティオの特徴は、中古車オートオークション会場にてこれまでの熟練した経験、ノウハウをもとに現地で仕入を行っている点。品質の高い車両を適正価格もしくは比較的安価で仕入れる車両調達能力を有していると考えており、これまで当社が行ってきた業販在庫連携や中古車オートオークションによるオンラインでの車両仕入の調達手段の幅を広げ、当社の仕入体制の強化に寄与すると考えている。パティオは自社整備工場も有しており、常時数百台の在庫車両を有しているので、グループでの保有在庫車両数も増加し、顧客の車両選択肢を増やすことができると考えている。また、パティオは、これまで一括決済取引が多くを占めていたが、当社のサービスラインナップの取り扱いを開始することでマイカーリースを所望するような新たな顧客層の取り込みが可能となり、パティオのメイン店舗の所在地である埼玉県は当社においても顧客数の多い地域であるため需要に応えることができると考えている。当社の持つDX推進に基づく業務生産性の向上や採用ノウハウの提供・連携・人材交流を行うことができ、パティオは更なる企業価値を創出、当社の目指す自動車産業のDX化を推進していけるシナジーの高さがあると考えている。企業結合日は、2024年8月1日。取得価額は237百万円。

⑤2024年12月期第3四半期時点、純資産は686百万円。

⑥売上成長率と利益成長率の鈍化は、メディア&ソリューション事業の不調を中心としたホリゾンタルDX事業の不調が主な要因。今後はメディア&ソリューション事業へのテコ入れと自動車産業DXにおける規律的な事業拡大、M&Aを活用した事業展開により、売上成長と利益成長双方の実現に努めていく。

⑦メディア&ソリューションの減収減益理由は、当社が運営する一部メディアにおいて競合が大きく伸長しており、相対的に影響を受けてしまっていることが大きな理由。そのため、メディア内のコンテンツ掲載方法の見直しなどを含め、テコ入れを強化している。

⑧M&Aは当社の成長ドライバーの選択肢の一つとして考えている。今回グループインしたパティオの業績向上に集中しつつ、そのノウハウを活用して他の自動車販売業社などの買収は積極的に検討し、継続的にM&Aを実施できるようにしていくことを考えている。

⑨全社での黒字化を優先課題と捉えており、現時点でバーティカルなDX支援としては、自動車産業の他に新たに参入を考えている産業は無いが、将来の展開を見据えた各業界のDX課題調査を継続していく。

⑩相対的に与信力の低い顧客層の全体に占める割合は現時点で多くなく、通常の与信力を有する方が契約者の多くを占めている。与信力の低い顧客層に提供する商品ラインナップについては、自社与信によるリースなど投入を開始しているが、検証を重ねながら拡大する方針とする。

⑪解約の多くはデフォルト(支払不能・債務不履行)が理由。当社は原則としてアセットホルダーではないためBS上の大きなリスクは負っておらず、解約発生後は当社提携金融事業者が車両を回収。また、カスタマーチャーンレート(解約率)は継続的に低い水準で推移しており、事業の安定性は高いと考えている。

⑫社長の高橋飛翔さんは、38歳(1985年生まれ)と若い社長。

⑬監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は8,730万円。単純平均で取締役1人当たり2,182万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。

 

株主総会での個人メモ

取締役全員にミネラルウォーターが提供されていたが、株主側には提供が無く、経営から株主へ議案を諮る場としては違和感。会社として、株主ではなく役員の方向を見ている様子が伺えた。特にBtoCの会社として配慮不足を感じる。

②質疑応答で、「場所の定めのない株主総会ができるように定款を変更するとのことだが、今後の株主総会は、バーチャルオンリー株主総会で行うつもりなのか?」との質問あり。「コストもかかるのでバーチャルオンリー株主総会にしていく事は考えていないが、今後検討する。幅を広げるための定款変更。」との説明。

③質疑応答で、「第3号議案(資本金及び資本準備金の額の減少)は、節税目的なのか?節税額の試算は?」との質問あり。「節税が目的。節税額は12月決算で集計し、それ相応の額となる見込み。」との回答。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会では、社長の高橋飛翔さんの表情が硬く、また、役者のような独特な口調が特に印象に残りました。

2024年8月1日に中古車販売事業を運営するパティオを買収しましたが、中古車販売業界では、ビッグモーターの不祥事を皮切りに複数の業者で不正が疑われ、金融庁による立ち入り検査などが行われており、同じような問題を抱えていないかやや心配です。

また、2024年12月期第3四半期時点、純資産は686百万円である一方で、過去数年間の業績の推移(当期純利益:2022年12月期▲1,354百万円、2023年12月期▲743百万円)から、このままでは早々に債務超過となってしまいそうで、増資の可能性も気になります。

今後も自動車販売業社などの買収を積極的に検討するとのことですので、買収後に問題が発覚するようなことが無いように十分注意をしてデューデリジェンスの対応をして欲しいです。まずは、早期の黒字化達成を期待して、今後の業績の推移を注視します。

 

株主総会会場のTOCビル
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