ビックカメラ 第42期定時株主総会
日時:2024年11月21日(木) 10:00-11:40
場所:板橋区立文化会館(大山駅徒歩5分)
出席株主数:約160名
お土産:カレンダー
企業概要
ビックカメラ(3048)
HP:ビックカメラ.com | 家電・パソコン・日用品など何でも揃う ビックカメラの公式通販サイト (biccamera.com)
①ビックカメラ、ソフマップ、コジマ×ビックカメラ、じゃんぱらなどの「物品販売事業」(売上構成比99%)を中心に、日本BS放送で「BSデジタル放送事業」(売上構成比1%)を運営。
②創業者の新井隆二さんの資産管理会社のラ・ホールディングスが、第5位の株主として、959万株、5.6%を保有。
TBSホールディングス(9401)の子会社のTBSテレビが、第8位の株主として、611万株、3.5%を保有。
③株主優待
2月末
100株:株主様お買物優待券2,000円
500株:株主様お買物優待券3,000円
1,000株:株主様お買物優待券5,000円
10,000株:株主様お買物優待券25,000円
8月末
100株:株主様お買物優待券1,000円
500株:株主様お買物優待券2,000円
1,000株:株主様お買物優待券5,000円
10,000株:株主様お買物優待券25,000円
長期保有
8月末(100株)
1年以上継続保有:株主様お買物優待券1,000円追加
2年以上継続保有:株主様お買物優待券2,000円追加
株式情報
時価総額:3,110億円(2024年11月20日時点)
売上高:9,225億円(2024年8月期実績)⇒9,520億円(2025年8月期予想)
株価:1,653円(2024年11月20日時点)
1株純資産:889円(2024年8月末時点)、PBR:1.85倍
1株当期純利益:88.7円(2025年8月期予想)、PER:18.6倍
1株配当:36円(2025年8月期予想)、配当性向:40%
配当利回り:2.1%、株主優待含む利回り:5.2%(2年以上継続100株保有時)
株主数:315,457名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①当家電小売業界における売上は、ゲームなどが低調に推移したが、スマートフォン、理美容家電などが好調、調理家電等が堅調であったため、総じて堅調に推移した。こうした状況下にあって、「専門性と先進性で、より豊かな生活を提案する、進化し続けるこだわりの専門店の集合体」と定めた企業理念のもと、経営戦略として「ビックカメラらしい強い店舗を取り戻す」を掲げ、その実現に向け、「人を成長の原動力とする」を筆頭に、「強い店舗の再構築」、「収益構造の抜本的見直し」および「中長期の成長戦略」を4大施策として取り組んでいる。
②新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んでいた免税売上は、円安要因に加え、海外向け当社公式SNSでの発信や、現地インフルエンサーとの連携強化、航空会社とのクーポン配布施策拡大などの取り組み効果もあり、多様な国々からの集客が進んだ結果、コロナ前を超え過去最高を記録した。店舗展開においては、グループ会社のコジマ(7513)が、2023年11月23日に「コジマ×ビックカメラ 新さっぽろデュオ店」(北海道札幌市)を開店した。また、当社と日本空港ビルデングとの合弁会社のAir BICが、臨時休業していた「Air BicCamera 那覇空港店」(沖縄県那覇市)を2024年4月1日より、「Air BicCamera 中部国際空港第1ターミナル1号店」(愛知県常滑市)を同年9月27日より営業再開している。
③以上の結果、当連結会計年度の売上高は9,225億72百万円(前年比13.1%増)、営業利益は243億88百万円(前年比71.6%増)、経常利益は266億74百万円(前年比61.0%増)、税金等調整前四半期純利益は232億49百万円(前年比130.8%増)となった。法人税等合計が 67億39百万円、非支配株主に帰属する当期純利益が26億1百万円となったため、親会社株主に帰属する当期純利益は139億8百万円(前年比373.6%増)となり、ROE(自己資本当期純利益率)は 9.6%となった。
④物品販売事業は、売上高、利益ともに、当社の連結子会社であるTDM準備会社(2023年10月、TDモバイルに商号変更)が、TDモバイルが営む事業(一部店舗を除く)を、同年10月1日付で吸収分割したこと、および前述の免税売上の伸長などにより好調に推移した。その結果、当セグメントの売上高は9,097億48百万円(前年比13.4%増)、経常利益は244億90百万円(前年比69.3%増)となった。
⑤BSデジタル放送事業は、売上高は、配信事業などの放送外収入が増加した一方で、スポット収入が減少したことにより、低調に推移したが、広告宣伝費の効率性を強化したことにより、コストが減少した。その結果、当セグメントの売上高は113億57百万円(前年比2.3%減)、経常利益は20億73百万円(前年比5.0%増)となった。
⑥2025年8月期は、主にインバウンドマーケットおよびインターネット通販事業の拡大を見込むことにより、グループ全体の売上高は前年比3.2%増の9,520億円を見込んでいる。賃上げに伴う人件費増を見込むものの、上記売上増による増益により、営業利益は前年比8.7%増の265億円、経常利益は前年比6.5%増の284億円を見込んでいる。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年比9.3%増の152億円を予想しており、ROE(自己資本当期純利益率)は9.7%となる見込み。
⑦2024年10月18日に、2025年8月期~2029年8月期ビックカメラグループ中期経営計画を公表。2029年8月期に売上高11,000億円、営業利益400億円。
⑧監査等委員である取締役と取締役候補者15名中、70歳以上の候補者は徳田潔さん(1954年生まれ、70歳)、小笠原倫明さん(1954年生まれ、70歳)、岸本裕紀子さん(1953年生まれ、71歳)、南繁芳さん(1954年生まれ、70歳)の4名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑨監査等委員である取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は15,900万円。2023年11月に退任した1名を3ヵ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり3,028万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。
株主総会での個人メモ
①質疑応答で、「池袋にヨドバシカメラが進出するが、影響をどう考えているのか?」との質問あり。「ヨドバシカメラの売場面積や品揃えなどが未確定なのでコメントできないが、駅直結なので雨に濡れずに利用できるのは強みだと思う。ビックカメラは長い間、地元に根差し、池袋の東西で複数出店をしている。地域との関係性が強み。お客様のお困りごとに一足先に対応したい。」との旨の説明。
②質疑応答で、「今後の株主優待制度の方向性」について質問あり。「今直ぐにではないが、より株主に喜んでもらえる方向に制度設計をしていきたい。」との回答。
③質疑応答で、「ヨドバシカメラの影響が心配。全体に占める池袋にある店舗の売上規模はどの程度なのか?」との質問あり。「現状、全体の5%程度。」との回答。
④質疑応答で、「不動産業を営んでいる個人事業主に対して、リフォーム事業の価格は魅力的だが、ポイント付与の手続きを改善して欲しい。需要はあると思うのでリフォーム関連の広告を強化したほうが良いのでは?」との意見あり。
⑤質疑応答で、「「現場への権限移譲」について具体的な内容を知りたい。」との質問あり。「今までは本部からの指示により現場が営業していたが、今後は、お客様の言葉を各スタッフが受け、サービスや品揃えを考えていくことを目指す。権限移譲については、ドン・キホーテのPPIH(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532))が有名で、そのようにならなければならないと考えている。」との回答。
⑥質疑応答で、「貸借対照表において、ポイントはどの項目に含まれているのか?」との質問あり。「契約負債として計上している。」との回答。
⑦質疑応答で、「偏向報道などの問題が指摘されているTBSのサンデーモーニングのスポンサーとなっている理由は?」との質問あり。「CMは顧客層を考えて曜日や時間帯を決めている。番組を評価する立場ではないが、特に肩入れをしているわけではない。」との説明。
⑧質疑応答で、「ビックカメラのアプリとラクウルのアプリは分かれていて使いにくい。一本化したらどうか?」との意見あり。
⑨質疑応答で、「現状、売上高が9,000億円あるのに時価総額が3,000億円程度。安定株主もいないので、時価総額を低いまま放置すると、セブン&アイ・ホールディングス(3382)のようにTOBを仕掛けられてしまうのではないか?」との意見あり。「TOBは、現経営に問題がある企業に対し、経営を改善することによって企業価値が高まると思われる際に行われる。心配をかけることが無いように、業績を上げ企業価値を高めていきたい。」との旨の回答。
⑩議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する雨にぬれずにい状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株価が安値圏であったこと、普段からお店を利用していて印象が良かったことから、また、株主優待も魅力的だったので平均452円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、多くの質問が出ていましたが、担当取締役が回答した後、社長の秋保徹さんが補足説明をするスタイルで丁寧に対応されていました。
親子関係にある上場会社や持分法適用関係にある上場会社における情報開示については、少数株主保護やグループ経営に関する情報が投資判断上重要になるにもかかわらず、十分な開示がなされていない会社が多いことが指摘されています。ビックカメラはコジマ(7513)の50.6%、日本BS放送(9414)の61.3%の株式を保有していますが、東京証券取引所が、2023年12月に、「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」および「支配株主・支配的な株主を有する上場会社において独立社外取締役に期待される役割」を公表しており、厳しい目が向けられつつあるので、今後、親子上場の廃止の可能性もあるかもしれません。
社長の秋保徹さんの「今後もM&Aを幅広く検討していく」との言葉が印象的でしたが、株主優待も楽しみに継続保有の予定とします。追加投資も検討します。
2024年5月20日に到着したビックカメラの株主優待と隠れ株主優待の内容についてはこちら↓
ビックカメラの株主優待と隠れ株主優待が到着しました【2024年5月20日】 | ぽこタンの株主総会日記