日本創発グループ 臨時株主総会
日時:2024年11月15日(金) 10:00-10:25
場所:日本創発グループ本社(上野広小路駅徒歩1分)
出席株主数:約20名
お土産:麻布かりんと(モナ・リザ、ひまわりのミニ缶詰合せ)
企業情報
日本創発グループ(7814)
HP:株式会社日本創発グループ
①クリエイティブサービス業界において、出版印刷や商業印刷を運営。WEBサイトの企画・制作、ファンシー文具やカプセルトイなどのオリジナル商品の企画・製造・販売なども手掛ける。
②筆頭株主は、取締役の鈴木隆一さんが代表を務めるTKOで、1,734万株、35.7%を保有。
印刷事業やデジタルコンテンツの企画・製作などを手掛けるウイルコホールディングス(7831)が、第3位の株主として、144万株、2.9%を保有。
取締役の林基史さんが、第6位の株主として、91万株、1.8%を保有。
株式情報
時価総額:228億円(2024年11月14日時点)
売上高:748億円(2023年12月期実績)⇒770億円(2024年12月期予想)
株価:449円(2024年11月14日時点)
1株純資産:318円(2024年6月末時点)、PBR:1.41倍
1株当期純利益:51.8円(2024年12月期予想)、PER:8.66倍
1株配当:13円(2024年12月期予想)、配当性向:25%
配当利回り:2.8%
株主数:5,576名
会計基準:日本会計基準
株主総会前の事前情報
①2024年12月期第3四半期は、当社企業グループの事業の環境については、電気・ガスの燃料や、紙・インクなどを含めた原材料価格が未だ高水準で推移する厳しい状況が続いた。一方、インバウンド需要やサービス関連消費が順調に回復し、企業の広告宣伝活動が順調に回復し販促ツール・サービスの需要が増加した。当社企業グループは、お客様により付加価値の高いサービスを提供するため、事業環境の変化や事業戦略に基づき将来の成長分野に事業資産を機動的に集中させている。
②印刷関連事業では、創業以来110余年の業歴を通して蓄積したノウハウに基づく高品質な造本技術を持ち、厚物製本を含め広範な営業品目をそろえ、アッセンブリーサービス・輸送納品まで含めたワンストップサービスを提供して事業を展開する共同製本、埼玉県を地盤として地域に根差した印刷事業を展開する望月印刷が連結子会社として参画した。また、ITメディア セールスプロモーション分野では、主にビジネスや経済・健康・教養・生活実用などのジャンルの書籍出版事業を展開するアスコムが連結子会社として参画し、大阪府堺市にて町の写真館として創業し、フォトスタジオ・衣装レンタル事業を、関西・関東を中心に24店舗を展開しているSTUDIO ARCが持分法適用関連会社として参画した。当社企業グループは、企画提案・製造・製作からメディアによる配信までをトータルでカバーできるユニークな企業体として、クリエイティブサービス事業の領域拡大に取り組んできた。
③その結果、当第3四半期連結累計期間の業績については、売上高は571億93百万円(前年比6.1%増)となった。また、営業利益は27億31百万円(前年比26.5%増)、経常利益は主に、支払利息が前年同期に比して56百万円増加、支払手数料37百万円および貸倒引当金繰入額400百万円を計上したことにより27億10百万円(前年比1.3%増)となった。経常利益に減価償却費、のれんの償却額および金融費用を加えたEBITDAは43億35百万円(前年比 2.1%増)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は19億9百万円(前年比11.0%増)となった。
④2024年7月30日開催の取締役会において、インドネシア共和国に子会社を出資設立することについて決議。今般、インドネシア共和国において、人気の高い日本のキャラクターコンテンツ(IP)を二次利用した商品・ノベルティグッズの製造事業を展開する目的で、当社20%、funbox80%の出資において、新会社を設立。
⑤2024年8月8日催の取締役会において、STUDIO ARCの株式の一部を取得することを決議し、同社を持分法適用関連会社とした。STUDIO ARCは、1927年4月大阪市堺市において町の写真館として創業し、その後1978年に株式会社となった。1997年からは、フォトスタジオ・衣装レンタル事業を行っており、お宮参り・七五三などのお子さまの写真や家族写真、結婚式・成人式の前撮り撮影などを行う店舗を拡大し、現在では関西・関東を中心に24店舗を展開している。各店舗には撮影のためのスタジオセット・和装・洋装の衣装小物などを取り揃えており、お宮参り・成人式・ブライダルにおける衣装のレンタルや着付けも対応している。 撮影した写真は、お客さまのライフスタイルや目的に合わせ、多種多様の装飾やサイズで装丁されたフォトアルバムや額装フレームなどで提供している。取得後の持株比率 は37.5%。
⑥2024年9月24日開催の取締役会において、STUDIO ARCの株式の譲受けにより同社株式を追加取得し、STUDIO ARCを連結子会社とすることについて決議。株式の追加取得は連結子会社となることでより強固な協業関係となり、当社企業グループの企業価値の一層の向上を実現させることが可能であると判断した。取得価額は320百万円、議決権所有割合は100%。
⑦2024年11月14日開催の取締役会において、Sakae Plusの株式の譲受け、第三者割当増資の引受け及び自己株式の処分の引受けにより同社株式を取得し、Sakae Plusを連結子会社とすることについて決議。Sakae Plusは、創業1970年以来、長い業歴の中で職人たちによって培われ、守られ続けてきた「匠の技」をもって、箔押し用凸版・PAD印刷版など金属素材の印刷金版製造を手掛け、その培われた技術力には相当の評価を得ている会社。印刷金版は、箔押しや浮出し・シール印刷ウェルダー・PAD印刷・シルク印刷などの特殊印刷に伴う受注が大半を占め、取扱う素材は、マグネシウム、硬銅板、鉄、シリコンラバー板、樹脂板など幅広く、印刷データの取込からフィルム作成・焼付・修正まで全ての工程を自社で製造している。取得価額は210百万円、議決権所有割合は70%。
⑧2024年11月14日開催の取締役会において、アイ・ディー・エーの株式の譲受けにより同社株式を取得し、アイ・ディー・エーを連結子会社とすることについて決議。アイ・ディー・エーは、創業27年の業歴を持ち、大阪市にて80言語以上の多言語翻訳業を行い、主にドキュメント制作、Web制作、コンテンツ一括管理のコンサルティングを手掛けている。特に、取引先との長年の信頼関係を有しており、中でも主要取引先には常駐してスタッフを派遣しており、顧客の翻訳資産の管理を行うことで定期的な取引を維持している。取得価額は300百万円、議決権所有割合は100%。
⑨2024年11月15日をもって、取締役の林基史さん、菊地克二さんが辞任予定。辞任理由は、林基史さんにおいては、funboxの代表取締役社長およびPT FUNBOX MANUFACTURE INDONESIA の代表取締役社長として、海外を含めたプロダクツ事業を推進するため。菊地克二さんにおいては、管理本部長として、当社および連結子会社の経理業務に注力するため。
⑩監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は7,200万円。特に記載は無いが、取締役4名のうち1名は無報酬の模様。単純平均で取締役1人当たり2,400万円。使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。
⑪議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、日本創発グループ本社内にある会議室での開催。
②監査等委員である取締役の菅波希衣子さんは欠席。
③「議案と関係の無い質問については、株主総会後に取締役が対応する」との事前説明があり、株主総会後に各取締役が個別対応されていた。
④質疑応答で、「第2号議案について、取締役会において戦略的かつ機動的に意思決定が行えるようにとのことで取締役を1名減員(2名辞任、1名選任)するとのことだが、監査等委員である取締役を含めると12名が11名となるだけなので取締役会においてはあまり影響がないのでは?」との旨の質問あり。「今回の辞任により監査等委員ではない取締役が4名から2名となってしまう。2名では少ないので3人にしておいたほうが良いと考えた。」との回答。
⑤質疑応答で、「取締役2名(林基史さん、菊地克二さん)が辞任される理由は?」との質問あり。社長の藤田一郎さんから、「林基史さんについては、funboxの代表だが業容が拡大しており専念してもらう。菊地克二さんについては、年齢的な部分と、M&Aの事前調査業務が多忙であり、M&Aに時間を割いてもらう。」との旨の説明。林基史さんからも、「日本とインドネシアを行ったり来たりしており、グループ全体を見るのは困難と判断した。」との回答あり。菊地克二さんからも、「役員定年制が65歳であり、定時株主総会の段階では64歳であったが、本臨時株主総会時点では65歳を迎えていたので辞任する良いタイミングだと考えた。若い人も育ってきており、M&A対応に注力する。」との旨の回答あり。
⑥質疑応答で、「株価がピーク時に比べ40%程度下落している。株価対策は?」との質問あり。「大株主から売却の意向があり流動化を高める点に注力した。株価について意見はできないが、何かしらの対応を実行したい。」との説明あり。
⑦質疑応答で、「海外の機関投資家から注目されるよう時価総額を意識して欲しい。」との意見あり。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、日本創発グループ本社内の会議室での開催でしたので、良い機会となりました。
質疑応答では、社長の藤田一郎さんから丁寧な回答対応がありました。また、取締役の林基史さん、菊地克二さんの辞任についても、直接ご本人の口から辞任理由について説明があり、トラブルなどではなく円満な対応であったことが伺え、安心しました。
自己資本比率が20%程度と低く気になるものの、順調に業績が伸びており、M&Aに積極的な会社でもあるので、今後の動向を継続注視します。再投資も検討します。