高見澤 第74期定時株主総会
日時:2024年9月24日(火) 10:00-10:35
場所:高見澤本社(市役所前駅徒歩3分)
出席株主数:約20名
お土産:無し
企業情報
高見澤(5283)
HP:株式会社高見澤 (kk-takamisawa.co.jp)
①コンクリート二次製品、生コンクリート・砂利・砂の製造販売、セメントほか建設資材の販売、土木建築の請負、建築工事、貨物自動車運送をおこなう「建設関連事業」(売上構成比12%)、電設資材、産業機器、空調システムなどの販売をおこなう「電設資材事業」(売上構成比53%)、石油製品の販売、自動車の販売・整備・賃貸、損害保険代理業務をおこなう「カーライフ関連事業」(売上構成比24%)、不動産売買・媒介および管理、一般廃棄物・産業廃棄物の処理処分とその収集運搬事業、青果物の販売、肥料の販売、食品加工品の製造販売、ゴルフ練習場の経営、ゴルフ用品の買取・販売、農業用機械の製造販売、ミネラルウォーターの製造販売、ケーブルテレビ局経営、チーズ類の加工および菓子類の製造販売、発電事業および電気の供給・販売に関する事業、漬物類・土産品の販売をおこなう「住宅・生活関連事業」(売上構成比11%)を運営。
②筆頭株主は、社長の髙見澤秀茂さんで、18万株、11.2%を保有。
元取締役の髙見澤尊昭さんが、第2位の株主として、13万株、8.0%を保有。
髙見澤かおるさんが代表を務める夢葉が、第3位の株主として、9万株、5.3%を保有。
副社長の髙見澤雅人さんが、第6位の株主として、5万株、2.9%を保有。
取締役の髙見澤秀毅さんが、第9位の株主として、4万株、2.4%を保有。
高見澤吉晴さんが、第10位の株主として、3万株、2.3%を保有。
上位10位までの株主として、創業家の髙見澤家で、54万株、32.4%を保有。
③株主優待(6月末)
200株:なめ茸「志賀の郷」
株式情報
時価総額:52億円(2024年9月20日時点)
売上高:713億円(2024年6月期実績)⇒700億円(2025年6月期予想)
株価:2,972円(2024年9月20日時点)
1株純資産:8,393円(2024年6月末時点)、PBR:0.35倍
1株当期純利益:716円(2025年5月期予想)、PER:4.15倍
1株配当:50円(2025年6月期予想)、配当性向:6%
配当利回り:1.6%、株主優待含む利回り:2.3%(株主優待品を4,000円として計算)
株主数:1,127名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主総会は高見澤本社内の会議室での開催。
②取締役と監査役の席に名札が無かったのが気になった。名札があった方が、会社の顔となる役員の方々の顔と名前が一致するので親切だと思う。
③当連結会計年度におけるわが国経済は、アフターコロナの生活様式が定着し、社会経済活動が活発化するとともに、インバウンド需要や賃金の上昇による消費の拡大が期待される一方で、物価高による購買意欲の伸び悩みや自動車産業の生産減少、震災などの影響もあり、景気は依然として踊り場にある。また、ウクライナや中東問題を始めとする国際情勢の不安は長期化しており、加えて長引く円安によるエネルギー価格や諸物価の高止まり、中国経済の減速など、国内経済への影響懸念は大きく、依然として先行き不透明な状況が続いている。このような経営環境の中にあって、当社グループの当連結会計年度の経営実績は、売上高71,369百万円(前年比3.5%増)、営業利益1,803百万円(前年比10.5%増)、経常利益2,113百万円(前年比11.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益759百万円(前年比38.7%減)となった。
④建設関連事業は、国内においては、公共工事、民間工事ともにやや低調に推移したものの、ほぼ前年並みの受注量を確保したが、中国における不動産建設市場の悪化から売上が大幅に減少し、建設関連全体として減収となった。一方、原材料・燃料などの価格高騰や仕入商材の値上りに対し、製造原価の低減や販売価格への転嫁に努め増益となった。この結果、売上高は8,646百万円(前年比12.5%減)、営業利益は416百万円(前年比23.3%増)となった。
⑤電設資材事業は、設備投資案件に対する積極的な営業活動の結果、受注が好調に推移し、人件費及び諸経費は増加したものの、増収増益となった。この結果、売上高は37,617百万円(前年比8.3%増)、営業利益は1,025百万円(前年比7.0%増)となった。
⑥カーライフ関連事業は、石油部門では、燃料油販売が前年並みを確保するとともに、油外商品が好調に推移し増収となったが、原油価格高騰と円安による上昇コストの転嫁が遅れ減益となった。オート部門では、整備売上および中古車販売は順調に推移したものの、新車販売の減少により減収減益となった。この結果、売上高は17,152百万円(前年比3.0%増)、営業利益は151百万円(前年比31.4%減)となった。
⑦住宅・生活関連事業は、農産物部門では、きのこ培地の販売が順調に推移し、原材料や資材価格の高騰はあったものの、製造原価低減など利幅確保に取組み増収増益となった。不動産部門では、建売分譲物件の取扱量が増加し増収となったが、原価上昇分を吸収出来ず減益となった。また、飲食料品部門では、家庭内消費が引き続き順調であったことに加え、販売先の拡大と利幅確保につとめ、増収増益となった。この結果、売上高は7,952百万円(前年比3.5%増)、営業利益は462百万円(前年比7.0%増)となった。
⑧2024年8月5日に、2024年6月期連結業績予想を下方修正。中国連結子会社である溜博高見澤混凝土は、中国において主に民間向け不動産建設業に対し、生コンクリートの製造販売をおこなっているが、中国国内の不動産建設市場の低迷による溜博高見澤混凝土の事業環境の著しい悪化と今後の見通しを勘案し、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、当該資産に係る減損測定を実施した結果、減損損失164百万円を特別損失として計上することとなった。また、溜博高見澤混凝土の販売先についてその多くが、支払いが著しく遅延していることから、今後の回収可能性を保守的に検討した結果、回収見込みが不確定または困難な債権について、貸倒引当金繰入額767百万円を特別損失として計上することとなった。
⑨今後については、建設関連事業は、前年度と同水準の公共および民間工事の発注が見込まれるものの、引続き原材料や資材価格を始めとするコストは上昇しており、厳しい経営環境が続くと予想される。電設資材事業については、市場に一服感がある事から、受注環境は先行き不透明な状況下にあり、収益はやや伸び悩むものと予想される。カーライフ関連事業では、燃料油の需要縮小による価格競争激化と仕入価格の高止まりが予想され、また、整備収益と車輌販売も楽観視できない環境が続くと予想される。住宅・生活関連事業については、農産物部門では、きのこ培地の需要は堅調であるものの、長引く円安や原材料の高騰による影響が懸念される状況は続いており、不動産部門では、建築資材や人件費の高騰によるコスト高止まりにより、住宅の購入意欲が伸び悩み、不安定な情勢が予想される。また、飲食料品部門では、物価上昇による家計収支の圧迫から需要に不透明感はあるものの、営業拡大により売上は前年を上回る見通し。こうした中、各事業の現状から更なる拡充に向け、拠点・業務エリアの拡大と新業態への挑戦に取組み、適正価格の追求と製品・サービスの質向上により、安定収益の確保を図っていく。また、今後も引き続きキャッシュ・フロー重視の経営により、経常収支改善に努めていく。こうした状況を勘案した次期の業績については、連結売上高は70,000百万円、営業利益は1,700百万円、経常利益は1,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,200百万円を見込んでいる。
⑩質疑応答で、「取締役のうち2名について役員報酬を無報酬としている理由は?」との質問あり。社長の髙見澤秀茂さんが事務局と相談したうえで、「無報酬の取締役は、正しくは松峯信夫さんの1名のみで、無報酬としている理由は昭和電機産業から報酬を受けているため。」との旨の説明。
⑪質疑応答で、「配当方針」について質問あり。「中長期的に安定配当を実施する。」との回答。
⑫質疑応答で、「足元の配当性向は10%程度、今期の業績ベースでは5%程度と低い。創業間もないグロース企業であれば無配当や低配当も理解できるが、歴史もあり業績も安定している会社なので、他社レベルの配当性向30%をベンチマークとして目標にして欲しい。」との意見あり。「意見として受け止める。」との回答。
⑬質疑応答で、「PBR1倍を割れており、東京証券取引所から改善を要請されていると思うが、会社としてPBR1倍を達成する気はあるのか?」との質問あり。「PBR1倍に達していないのは認識している。社員の待遇を改善し、提供するサービスの向上につなげ、業績の向上につなげる。」との旨の説明あり。
⑭質疑応答で、「セグメント別の経営成績の説明で、主力事業の電設資材事業について、事業報告が物足りない。増収増益の理由について、顧客の状況や自社の取り組みなど、もう少し丁寧に状況を説明して欲しい。IR対応を強化して欲しい。」との旨の意見あり。「意見として受け止める。」との回答。
⑮社外取締役を除く取締役12名の報酬等の総額は24,800万円。内、2名は無報酬と記載があるが、株主総会中に1名へ訂正あり。2023年9月に退任した3名をそれぞれ3ヵ月分、その他9名うちの1名を無報酬の取締役として計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,834万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人給与は含まず。
使用人兼務取締役の使用人給与や、子会社などからの報酬も含めた金額が提示された方が、株主から見て実態が分かりやすいと思う。
⑯議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
業績が堅調な一方で、PBRが1倍を大きく割れ、PERも10倍を下回り、株主優待も魅力的なので、平均2,497円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、高見澤本社内の会議室での開催でしたので、良い機会となりました。
質疑応答では、社長の髙見澤秀茂さんが手元の資料を読み上げる場面が多く気になりましたが、経営方針として説明のあった「コンプライアンス経営」「リスクを最小限にしたい」との言葉が印象に残りました。
2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、高見澤は、1株当たり純資産8,393円に対し、株価が2,972円(2024年9月20日時点)、PBR0.35倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。
業績が堅調な会社なので、株主還元の適正化として、今期の業績予想ベースで6.9%に甘んじる配当性向の改善を期待しています。また、PBR0.35倍の現状につき、PBR1倍達成のためにどのような手段を講じてくるのか注視します。継続保有の予定とし、追加投資も検討します。