ユニバーサルエンターテインメントの株主総会に出席しました【2024年9月19日】

株主総会
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ユニバーサルエンターテインメント 臨時株主総会

日時:2024年9月19日(木) 10:00-11:15

場所:TFTビル西館(東京ビッグサイト駅徒歩3分)

出席株主数:約60名

お土産:無し

 

企業情報

ユニバーサルエンターテインメント(6425)

HP:ユニバーサルエンターテインメント公式サイト (universal-777.com)

①パチスロ・パチンコ機の開発・製造・販売、周辺機器の開発・製造・販売、部材ユニット調達をおこなう「遊技機事業」(売上構成比45%)、カジノリゾート事業をおこなう「統合型リゾート(IR)事業」(売上構成比54%)、メディアコンテンツ事業をおこなう「その他」(売上構成比1%)を運営。

筆頭株主は、創業者一族(元社長の岡田和生さん、取締役の岡田幸子さん、元取締役の岡田知裕さん)が株式を保有するOkada Holdings Limitedで、5,445万株、70.2%を保有。

③2024年4月26日に、社長の富士本淳さんについて、取締役としての善管注意義務違反ないし忠実義務違反が認められ、当社に対する賠償責任があるとして認容され、代表取締役社長から辞任。2017年にも、元取締役会長の岡田和生さん、および元取締役の根岸良直さんが関与した不正発覚。

 

株式情報

時価総額:1,104億円(2024年9月18日時点)

売上高:1,789億円(2023年12月期実績)⇒2,000億円(2024年12月期予想)

株価:1,377円(2024年9月18日時点)

1株純資産:5,087円(2024年6月末時点)、PBR:0.27倍

1株当期純利益:252円(2024年12月期予想)、PER:5.46倍

1株配当:60円(2024年12月期予想)、配当性向:23%

配当利回り:4.3%

株主数:16,518名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①監査役の金子彰良さんは、理由は不明だが欠席。

②株主総会冒頭に、社長の德田一さんから、「辞任を求めていた富士本淳さんが2024年8月30日付けで当社の取締役を辞任したことにより、第2号議案を撤回する。」との説明があった。

取締役と監査役にミネラルウォーターが提供されていたが、株主側には提供が無く、経営から株主へ議案を諮る場としては違和感。会社として、株主ではなく役員の方向を見ている様子が伺えた。

④2024年12月期第2四半期は、技機事業においては、当中間連結会計期間における総販売台数は43,044台となった。統合型リゾート(IR)事業では、フィリピンのカジノマーケット全体がジャンケットビジネスの停滞という状況にあった。また、円安ドル高の進行による為替差益の計上があった一方、前年同期にあった賃貸借契約解約益、リース解約益といった多額の営業外収益は無かった。以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は62,907百万円(前年比20.7%減)、営業利益は3,264百万円(前年比69.6%減)、経常利益は5,567百万円(前年比80.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は525百万円(前年比97.5%減)となった。

⑤遊技機事業は、当中間連結会計期間における売上高は20,759百万円(前年比32.6%減)、営業利益は3,760百万円(前年比51.1%減)となった。遊技機業界では、スマートパチスロの稼働がパチンコホールの期待に応える好調な状況を継続しており、パチスロ機の市場環境は良好。パチンコ機においては、新しい出玉の波を作り出すラッキートリガー搭載機の導入が始まったが、好調なパチスロ市場に比べてやや低調に推移している。かかる状況下で、主要タイトルである、沖ドキ!シリーズ最新作「沖ドキ!BLACK」、パチンコ機においてはラッキートリガー搭載機「PAハイスクール・フリート オールスター すい~とでハッピー!2400」、「Pギルティクラウン2 プレミアムライブチケット」の市場投入をおこなった。

⑥統合型リゾート(IR)事業は、当中間連結会計期間における売上高(ゲーミング税およびジャックポット費用を控除) は41,678百万円(前年比13.1%減)、営業利益は3,280百万円(前年比55.1%減)となった。また、調整後EBITDA(営業損益 + 減価償却費 + その他の調整項目) は11,712百万円(前年比22.3%減)となった。当社グループが運営する統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」では、第1四半期に続き第2四半期においても前年を下回る実績となった。ゲーミング事業においては、フィリピンのカジノマーケット全体がジャンケット(世界各国のVIPをカジノに誘客し、移動や食事などの世話をする仲介業者) ビジネスの停滞に直面する中で、オカダ・マニラにおいてもVIP客の落ち込みが続いた。なお、マスマーケット、ゲーミングマシンについては、コロナ禍後の反動需要があった前年を下回ったものの、コロナ禍前のピークであった2019年と比べて、売上は着実に伸びている。ホテル・飲食事業における来場者数も堅調に推移している。

⑦当社株主1名が、当社代表取締役である富士本淳さんに対して、「2019年8月26日、当社代表取締役が、合理的な必要性がないにもかかわらず、内部的意思決定手続を履践することなく、4,349万7,203.80米ドルを社外に送金させたと主張し、これが 取締役としての善管注意義務ないし忠実義務に違反する」として、2019年8月26日に損害賠償を請求する株主代表訴訟を提起。2024年4月25日、東京高等裁判所にて判決が言い渡される。当社代表取締役について、取締役としての善管注意義務違反ないし忠実義務違反を認め、当社に対する賠償責任があるとして、4,349万7,203.80米ドルおよびこれに対する遅延損害金の賠償請求が認容された。

⑧2024年4月26日の取締役会において、2024年4月26日付で代表取締役の異動を決議。富士本淳さんは、取締役としての善管注意義務違反ないし忠実義務違反が認められ、当社に対する賠償責任があるとして認容されたので、2024年4月26日開催の臨時取締役会において、代表取締役社長から辞任した。なお、当社取締役会は、德田一さんを代表取締役社長、岡田幸子さんを代表取締役に選定した。

2024年8月30日に、富士本淳さんが2024年8月30日付けで当社の取締役を辞任し、これに伴い、2024年9月19日開催予定の臨時株主総会に付議を予定していた議案(富士本淳さんの取締役解任)を撤回。

2017年に発生した不祥事の概要は下記の通り。

1.子会社のTiger Resort Asia Limited(以下、TRA)から第三者への貸付
岡田和生さんは、平成27年2月から3月にかけて、岡田和生さんおよびその家族が所有するOkada Holdings Limitedの第三者に対する貸金債権を回収するため、また、美術品代金の支払という個人的な用途に充てる資金を得るため、当時の取締役管理本部長の根岸良直さんの関与の下、TRAをして、当該第三者と密接な関係にある外国法人に対して、無担保、無利息で1億3500万香港ドル(約20億円)の貸付をおこなわせた。岡田和生さんによる本件貸付は、kada Holdings Limitedの利益、ひいては岡田和生さん個人の利益を図る目的でおこなわれたものであり、TRAに約20億円の経済的損失を与えたものと評価できる。また、岡田和生さんは、本件貸付について当社に事前協議を求めることも、取締役会に諮ることもなく、独断で本件貸付をおこなった。

2.TRAからの小切手の振出し
岡田和生さんは、平成27年5月11日、岡田和生さんは TRAの経理担当者に指示をして、1600万香港ドル(2億円相当)の小切手を作成させ、これに署名して振り出した。さらに、本件小切手は、同月14 日、第三者により取立てに回され、TRAの香港ドル口座から1600万香港ドルが支払われた。岡田和生さんは、本件小切手の振出しの前に当時の取締役管理本部長の根岸良直さんに対して自己の役員報酬の増額を求めるなどしていたことから、岡田和生さんが本件小切手に基づいてTRAの香港ドル口座から1600 万香港ドルを支払わせたことは、岡田和生さん個人の利益を図る目的であったと考えられる。岡田和生さんのこれらの行為は、岡田和生さん個人の利益を図る目的でTRAの預金を使い込んで経済的損失を与えたものに他ならない。また、このような取引について、定められた社内手続を経ずに独断でおこなった。

3.Universal Entertainment Korea co., ltd(以下、UE韓国)による担保提供
岡田和生さんは、平成25年11月または12月ころ、TRAの完全子会社であるUE韓国が、韓国のカジノリゾートプロジェクトの土地購入について交渉していたところ、突然、事業主体を、UE韓国からOkada Holdings Limitedの完全子会社である Okada Holdings Korea co.,ltd(以下、Okada韓国)に変更した上で、Okada韓国による韓国の土地購入の頭金を捻出するために、UE韓国の預金を担保として提供し、Okada Holdings Limitedにおいて8,000万米国ドルを借り入れた。岡田和生さんは、当社の取締役管理本部長(現任)から、Okada Holdings Limitedの借入れのためにUE韓国の預金を担保として提供することは、特別背任罪の規定に抵触する旨再三の指摘を受けたにもかかわらず、あえて本件担保提供を実行した。岡田和生さんがUE韓国をして本件担保提供をおこなわせたことは、Okada Holdings Limitedの利益、ひいては岡田和生さん個人の利益を図る目的で、当社およびUE韓国の取締役としての任務に背き、UE韓国に経済的損失を与えたものと評価することができる。さらに、岡田和生さんがこれら行為を社内手続を経ずに独断でおこなった。

 

⑪質疑応答で、「富士本淳さんの訴訟について、結審しているのか?」など、富士本淳さんの訴訟状況について複数の質問あり。「富士本淳さんが最高裁判所に上告しているのでまだ結審していない。」「自宅などの資産の差押えを実施した。」「別荘は任意売却となり、会社が損害賠償金の一部として受領した。」などの回答あり。

⑫質疑応答で、「取締役候補の岡田知裕さんについて、親会社のOkada Holdings Limitedに2024年8月に董事に就任とあるが、登記をみても董事となっていないのは?」との質問あり。「香港では登記手続きに3週間かかるため。」との説明。

⑬質疑応答で、「取締役候補の岡田知裕さんを取締役候補とした理由」について質問あり。「大株主として現状況を説明している中で、岡田知裕さんから、「ユニバーサルエンターテインメントを普通の会社にしたい」「株主・従業員を大切にし、顧客に報いる会社にしたい。」との強い要望があった。」との回答。

⑭質疑応答で、「取締役候補の岡田知裕さんの経歴を見ると、2015年6月にユニバーサルエンターテインメントの取締役を退任している。その後、2024年8月に親会社のOkada Holdings Limitedに董事に就任とあるが、その間約10年間は何をされていたのか?」との質問あり。「カジノリゾートなどのアドバイザーとして、フィリピンでの裁判にコンプライアンスの面でユニバーサルエンターテインメントに協力いただいていた。」との説明。

⑮質疑応答で、「普通の会社にしたいとのことだが、どのような点が普通ではないと感じているのか?役員報酬が高額過ぎる点などか?」との質問あり。「組織力、組織としての融合に問題がある。ユニバーサルグループとして、親会社子会社関係なく対応していきたい。役員報酬の見直しも視野に入れている。」との回答。

⑯質疑応答で、「経営がぐだぐだで株価が下がっている。株価対策は?」との質問あり。「収益力強化、IR対応強化、ガバナンス強化を実施したい。東京証券取引所からPBR1倍改善の指導もある。資金調達について、社債や借入で資本コストをコントロールする。IR活動は資本コストを低減する。」との説明。

⑰質疑応答で、「26 CapitalとZama Capitalとの訴訟の進捗は?」との質問あり。「26 Capitalとは和解し、Zama Capitalとは係争中。」との回答。

⑱質疑応答で、「日本でのIR事業については、どのように考えているのか?」との質問あり。「視野には入っている。注視している。」との説明。

⑲質疑応答で、「取締役候補の岡田知裕さんに対し、コンサルタントフィーを支払っている。利益供与では?」との質問あり。「アドバイザーとして対応いただいたことで、フィリピンでの訴訟で2017年より前の経営体制に戻すようにとの原状回復命令の解除につながった。」との回答。

⑳質疑応答で、「取締役候補の岡田知裕さんが社長に就任するのか?」との質問あり。「本総会後の取締役会で検討する。確定次第、開示する。」との説明。

㉑質疑応答で、「元取締役会長の岡田和生氏さんから株主に対しレターが届いている。会社としてどのように考えているのか?」との質問あり。「認知しているが経営に影響は無いと考えている。弁護士と適切に対応する。」との回答。

㉒質疑応答で、「配当が増えたが、この水準を維持するのか?」との質問あり。「配当方針に変更は無い。」との説明。

㉓質疑応答で、「株価対策として、中期経営計画が無いので出して欲しい。現状、株主優待を出しているものの、スポット扱いで株主優待銘柄として認知されていない。株主優待を毎年出すと宣言して欲しい。」との意見あり。「中期経営計画については出したほうが良いのか議論中。」との回答。

㉔社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は84,600万円。単純平均で取締役1人当たり21,150万円。ただし使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
なお、連結報酬等の総額が1億円以上である者として、社長の富士本淳さんが57,600万円、取締役の德田一さんが14,100万円、岡田幸子さんが11,600万円、麻野憲志さんが12,000万円との記載あり。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、多くの質問が出ていましたが、質問が出尽くすまで、社長の德田一さんを中心に丁寧に対応されていました。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、ユニバーサルエンターテインメントは、1株当たり純資産5,087円に対し、株価が1,377円(2024年9月18日時点)、PBR0.27倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

取締役の相次ぐ不祥事や多くの訴訟により印象が悪化していますが、取締役候補の岡田知裕さんの言葉として紹介された「普通の会社にしたい」とのコメントが印象的でした。

創業者一族が保有する親会社のOkada Holdings Limitedの株主構成(元社長の岡田和生さん、取締役の岡田幸子さん、取締役に復帰した岡田知裕さん)も気になりますが、岡田知裕さんの取締役就任により、会社が変わる過渡期になるかもしれません。今後の動向を注視し、再投資も検討します。

 

2024年4月1日に到着したユニバーサルエンターテインメントの株主優待の内容についてはこちら↓

ユニバーサルエンターテインメントの株主優待が到着しました【2024年4月1日】 | ぽこタンの株主総会日記 (fp-agm.com)

 

株主総会会場のTFTビル西館


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