リリカラの株主総会に出席しました【2024年9月18日】

株主総会
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リリカラ 臨時株主総会

日時:2024年9月18日(水) 10:00-10:20

場所:TKP市ヶ谷ビル(市ヶ谷駅徒歩1分)

出席株主数:約30名

お土産:無し

 

企業情報

リリカラ(9827)

HP:リリカラ株式会社|カーテン、壁紙、床材、インテリアをトータルでご提案。快適な住空間、オフィスづくりに貢献します。 (lilycolor.co.jp)

①壁装材、カーテン、床材を中心とする内装材商品の仕入および販売をおこなっており、主として当社独自で開発した商品「リリカラ」をメーカーに製造委託し、代理店あるいは一部内装工事業者などに販売をおこなう「インテリア事業」(売上構成比80%)を中心に、オフィス空間および施設のインテリア設計・施工、プロジェクト管理、家具、間仕切、事務用品などの提案・販売、不動産売買・賃貸の仲介業務をおこなう「スペースソリューション事業」(売上構成比20%)を運営。

筆頭株主は、貸会議室大手のティーケーピー(3479)で、652万株、53.0%を保有。

 

株式情報

時価総額:74億円(2024年9月17日時点)

売上高:327億円(2023年12月期実績)⇒354億円(2024年12月期予想)

株価:592円(2024年9月17日時点)

1株純資産:680円(2024年6月末時点)、PBR:0.87倍

1株当期純利益:38.2円(2024年12月期予想)、PER:15.4倍

1株配当:36円(2024年12月期予想)、配当性向:94%

配当利回り:6.0%

株主数:3,526名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①2024年12月期第2四半期は、インテリア業界においては、重要な指標である新設住宅着工戸数は、前年対比マイナス基調で推移しており、原材料価格の高騰などの影響が顕在化しており、先行きも予断を許さない状況となっている。当社は、2024年12月期から2026年12月期までの中期経営計画「Beyond-120」を策定し、事業ポートフォリオの再構築、資本コストを意識した経営、人財への積極的な投資を実行し、環境・社会課題への取組みとして、事業活動を通じてSDGsの達成に貢献していく。この様な環境のもとで、売上高は前年同期比0.8%増の16,716百万円、営業損失は10百万円(前年は営業利益1,079百万円)、経常損失は48百万円(前年は経常利益1,059百万円)、中間純損失は85百万円(前年は中間純利益669百万円)となった。

②インテリア事業は、壁装材は5月に戸建、マンション、新築、リフォームなど住まいの様々なニーズに対応するビニル壁紙の見本帳「V-ウォール」、下地の凹凸が目立ちにくいリフォームにおすすめの商品を、100点厳選して収録した「らくらくリフォーム」を発行した他、壁装材見本帳「ライト」、「ウィル」、カーテン見本帳「サーラ」、床材見本帳「クッションフロア」、「エルワイタイル」などを増冊発行し拡販に努めたが、売上高は前年比10.6%減の11,953百万円となり、セグメント損失は182百万円(前年はセグメント利益939百万円)となった。

③スペースソリューション事業は、新しい働き方に対応したオフィス空間構築を検討する顧客企業に対し、顧客ニーズに寄り添った提案活動に注力し、好調に推移した。また、ファシリティソリューション部門によるホテル大型改修などの案件獲得が順調に始まっている。この結果、売上高は前年比48.2%増の4,761百万円となり、セグメント利益は前年比33.2%増の186百万円となった。

2024年8月9日に、2024年12月期通期業績予想を下方修正。スペースソリューション事業は、第3四半期以降も好調な受注を持続することが見込まれている。インテリア事業においては、仕入価格の改定による売上原価率の上昇を抑えるべく様々な施策を実施し、販売費及び一般管理費についても更なる見直し、削減をおこなうものの、厳しい経営環境が続くと考えており、売上高は前回予想と同程度となるものの、営業利益、経常利益、当期純利益は前回予想を下回ると考えている。

2024年6月20日に、ティーケーピーが公開買付けにより、1株につき650円で当社株式3,247,733株を取得。議決権所有割が53.0%となり、親会社となる。なお、社長の山田俊之さんが所有する当社株式1,647,248株(13.37%)のうち当社株式1,632,248株(13.25%)について本公開買付けに応募し、その全てを公開買付者が取得。

⑥本公開買付けは、当社株式の上場廃止を企図するものではなく、ティーケーピーは、本公開買付け成立後も当社株式の上場を維持する方針。また、本資本業務提携契約に基づき、本公開買付けの成立後にティーケーピーが指名する者2名が当社の取締役に就任する予定。ティーケーピーは、同契約において、本公開買付けの成立後も、公開買付者から一定の独立性を有する上場会社として、当社の意向を尊重することを合意している。社長の山田俊之さんに代表取締役を引き続き務めてもらう想定。

⑦本公開買付けにより、以下、シナジー創出を目指す。

1.ティーケーピーの運営する貸会議室の新規出店、既存施設に関する維持修繕・改装工事に関する内装工事、貸会議室の退店に伴う原状回復工事などにおける当社の受発注率の増加を図る。

2.両社が保有する不動産情報を相互に共有し、ティーケーピーは自社で既に運営しているアパホテル運営などの案件の増加、当社は内装工事案件の増加による収益機会の増加を図る。

3.両社の、お互いに対する顧客紹介および共同提案の仕組みの確立を図る。

4.IR連携・強化、M&A情報共有により両社の企業価値向上に向けた取組の連携を図る。

 

社長の山田俊之さんの一連の騒動の経緯は下記の通り。

2022年2月17日
創業家で筆頭株主(13.3%保有)で社長の山田俊之さんが、2021年3月30日開催の第80回定時株主総会以降に開催された取締役会の3分の1以上を欠席し、出席した際における審議への参加の態様、そのほか当社取締役会の決議に反する行動があったことなどに鑑み、指名委員会からの答申も踏まえた結果、当社の代表取締役および社長執行役員の職責を果たすことができないと判断し、代表取締役および社長から解任。

2022年3月30日
定時株主総会をもって山田俊之さんが任期満了により取締役を退任。

2023年7月4日
山田俊之さんが臨時株主総会を請求。株主提案が可決され、取締役に復帰。同日、社長に就任。

2024年6月20日
ティーケーピーの公開買付けに応募し、保有株比率が13.3%から0.1%となり、大株主から外れる。社長は継続。

 

⑨質疑応答で、「毎年増配ができるように頑張って欲しい。」との意見あり。「中期経営計画として、(2026年12月期までの)株主還元方針について、配当性向40%以上、DOE5%以上、配当金36円以上を公表している。」との説明。

⑩質疑応答で、「社長の山田俊之さんが公開買付けに応募し、株式を売却した理由」について質問あり。「リリカラから上場維持をしたいとの要望をティーケーピーに出した。上場維持するにあたり株式の流動性が問題となる。大株主が株式を保有し流動性が少なくなると上場を維持できなくなるので、株式を手放すこととした。」との回答。

⑪質疑応答で、「社長の山田俊之さんは、2022年に解任された後、昨年の臨時株主総会で社長に復帰した。今回、株式は手放したが、復帰した時と同じ情熱を持って今後もずっと社長を続けるという意思はあるのか?」との質問あり。「20年リリカラの社長をし、リリカラのことを良く知っている。ティーケーピーとは社長を続投する契約。中期経営計画を達成するために努力する。」との説明。

⑫監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役5名の報酬等の総額は5,986万円。2023年3月に退任した2名を3ヶ月分、同月に就任した2名を9ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり1,995万円。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

質疑応答では、社長の山田俊之さんは即答せず、全ての質問に対し事務局と相談のうえ回答されていましたが、会社法や金融商品取引法に関わるような微妙な内容以外は、即答された方が印象が良かったように思います。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、リリカラは、1株当たり純資産680円に対し、株価が592円(2024年9月17日時点)、PBR0.87倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

なお、業績については、新設住宅着工戸数が前年対比マイナス基調で推移しており、当面、厳しい状況が続きそうです。

一方で、創業家で社長の山田俊之さんが社長は継続するものの、創業家一族株式をほぼ売却し、ティーケーピーが親会社となったので、会社が大きく変わる過渡期のようにも見えます。今後、大きな動きが無いか継続注視します。

 

株主総会会場のTKP市ヶ谷ビル
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