CINCの株主総会に出席しました【2024年7月26日】

株主総会
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CINC 臨時株主総会

日時:2024年7月26日(金) 11:00-11:15

場所:CINC本社(虎ノ門ヒルズ駅徒歩1分)

出席株主数:数名

お土産:無し

 

企業情報

CINC(4378)

HP:株式会社CINC|Bigdata × Technology (cinc-j.co.jp)

①「Keywordmap」を主軸に、マーケティングにおける調査、分析、運用を支援するソフトウエアの開発・販売をおこなう「ソリューション事業」(売上構成比45%)、「Keywordmap」を活用し、マーケティングビッグデータの解析を基盤としたDXコンサルティングを提供する「アナリティクス事業」(売上構成比55%)を運営。

筆頭株主は、社長の石松友典さんで、石松友典さんの資産管理会社のCZの保有分も含めると、172万株、51.5%を保有。
副社長の平大志朗さんの資産管理会社の平企画が、第3位の株主で、平大志朗さん個人での保有分も含めると、64万株、19.4%を保有。

 

株式情報

時価総額:22億円(2024年7月25日時点)

売上高:19.4億円(2023年10月期実績)⇒19.3億円(2024年10月期予想)

株価:669円(2024年7月25日時点)

1株純資産:439円(2024年1月末時点)、PBR:1.52倍

1株当期純利益:▲10.8円(2024年10月期予想)、PER:赤字

1株配当:無配(2024年10月期予想)、配当性向:無配

配当利回り:無配

株主数:2,018名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、CINC本社内にある会議室での開催。

②監査役の深野竜矢さんは、やむを得ない理由により欠席との説明。

③2024年10月期第2四半期は、当社が展開するサービスを取り巻く環境は、インターネット、スマートフォン、SNSの普及によりデジタルチャネルでの購買が一般化してきたこと、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけにオフラインでのマーケティング活動が制限されたことなどにより、企業のマーケティング活動のデジタルシフトが続いており、当社が事業を展開するDXコンサルティングや「Keywordmap」などのデジタルマーケティングを支援するサービスへの需要は引続き拡大傾向にある。一方で、2023年3月に発表されたX社のAPIの仕様変更、API利用料金の有料化などの既存プラットフォーマーの方針変更、米国のOpenAI社が提供する「ChatGPT」(文章生成モデル)の台頭に代表されるような技術的な進化など劇的な変化が起きている。このような経営環境のもと、当第2四半期累計期間の売上高は961,237千円(前年比5.1%減)、売上総利益は633,784千円(前年比10.3%減)となった。利益面については、営業利益は33,589千円(前年比60.7%減)、経常利益は33,535千円(前年比60.6%減)、四半期純利益は22,995千円(前年比185.6%増)となった。

④ソリューション事業においては、「Keywordmap」については、企業の多様化するニーズに対応することを目的とし、ハイリテラシー層からライトユーザー層まで幅広いユーザー層に対応するために、初心者向けのガイド機能の追加やコンテンツの制作・運用のサポート対象範囲を拡張するなど、2023年11月に大幅な刷新をおこなった。第1四半期は営業人員の不足により新規案件の獲得が鈍化していたが、営業体制強化をおこなったことが功を奏し新規案件の獲得が回復した。また、カスタマーサクセスチームに関しては、2023年11月の大幅リニューアルによりユーザーの利便性が向上したことでアップセルが増加した。また、十分なサポート・サクセス支援体制の整備をおこなったことにより、今後は解約案件の減少を見込んでいる。「Keywordmap for SNS」については、X社から提供されるAPIの仕様変更の発表によりサービス提供環境の厳しさが増したため、2024年4月30日をもって「Keywordmap for SNS」の提供を終了した。その結果、当セグメントの売上高は388,820千円(前年比18.3%減)となり、セグメント利益は47,485千円(前年比0.1%減)となった。

⑤アナリティクス事業は、マーケティングDXコンサルティングサービスにおいては、ウェビナーや顧問サービスを活用したマーケティング施策が順調に推移し、新規獲得案件が順調に進捗した。顧客層は、従来の中堅企業に加え、大手企業へと拡大している。また、既存顧客からの案件継続やアップセルも順調に推移した。さらに、生成系AIを活用した業務効率化のシステム開発をおこなった。これにより、コンサルタント1人当たりの生産性が向上した。一方、エキスパートソーシングサービスにおいては、顧客獲得のための営業体制の構築、プロ人材の効率的な獲得のための広告宣伝活動、自動マッチング機能などの営業効率改善のためのシステム投資をおこなった。その結果、当セグメントの売上高は582,235千円(前年比6.3%増)、セグメント損失は13,895千円(前年はセグメント利益37,961千円)となった。

⑥「Keywordmap」では、CINC独自のグーグル検索結果ビッグデータを活用することで検索上の競合比較から狙うべきキーワードを選定したり、上位表示するためのコンテンツ制作をワンストップで実行することが可能。

⑦「Keywordmap for SNS」においては、 APIの仕様変更、API利用料金の有料化、円安によるサーバー費の高騰などの背景から、2023年7月にサービス縮小ならびに利用料金の値下げをおこなった。その後も価格変更による売上の減少や円安の継続によるサーバー費の高騰が続く中で、現状のサービス提供を維持した状態では、今後にわたって安定的に収益を確保することは困難と判断した。2024年4月30日サービス提供終了。

⑧人員の状況は、2023年10月期末145名、2024年10月期第2位四半期末129名、16名減(11%減)。アナリティクス事業において、一部離職が発生。また、新卒採用人員を戦略的に減少させ、中途採用人数も縮小。

⑨ソリューション事業は、「Keywordmap」のストック売上高の減少は、前期3Qで底打ち。ARR改善施策が功を奏し、回復傾向。「Keywordmap for SNS」はサービス縮小に伴い、契約件数が減少したこと、2023年7月1日から値下げしたことにより、ストック売上高が減少。ストック売上比率は97%と高い水準を維持。「Keywordmap」のARRの減少は、前期2Qで底打ち。契約件数は増えているものの、高単価案件の解約があったため、ARRは横ばいで推移。「Keywordmap」の契約件数の減少は前期3Qで底打ち。大幅リニューアルや営業体制再構築が功を奏し、新規案件獲得が進み、契約件数は増加傾向。

⑩ソリューション事業は、CS人員の育成および顧客管理体制を強化したことなどにより解約率は減少に転じていたものの、高単価案件の解約が発生し、解約率は上昇。

⑪アナリティクス事業は、サービスクオリティの向上やサービスラインナップの増加に伴い単価が上昇。単価の低い案件が終了したことにより、契約件数が減少。サービス契約期間が6ヶ月以上のお客様が87%を占める安定した収益モデルを実現。

2023年11月1日より、M&A仲介事業を開始。近年、大企業だけでなく、中小企業においてもM&A件数が増加している。高齢化や後継者不足による事業承継の選択、企業規模拡大や事業多角化の手段としてのM&A件数が増加しているため。こうした背景から、M&A仲介の需要は今後も高まっていくことが予想される。CINCは2014年の創業時よりテクノロジーを強みとしたマーケティング支援を提供してきた。ビッグデータ解析をもとにした再現性あるマーケティング手法による集客と、テクノロジーを用いた効率的な営業活動によって自社の事業を成長させ、そのノウハウをソリューション開発やコンサルティングサービスに落とし込み、顧客を支援してきた。この度、CINCが培ってきたマーケティングとテクノロジーによるビジネスプロセスの効率化の知見を活用し、M&A仲介事業への参入を決定した。マーケティングによって優良な売り手企業と買い手企業を集客し、テクノロジーを用いて仲介プロセスのシステム化、適切でスピーディーなマッチングの実現を目指す。

社内では3カ年計画を策定しているが、しばらくはいくつかの施策を実行し、将来の成長ドライバーを見極める予定であるため、現時点では中期経営計画の開示はおこなわない。

⑭しばらくは、配当は行わず、利益は投資に回す予定。企業価値を上げていくことで、株主還元をおこなっていきたいと考えている。一方で、現在の株価の状況を鑑み自己株式の取得を実施している。今後も、資本効率の向上、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策をおこなっていく。

⑮社長の石松友典さんは、44歳(1980年生まれ)と若い社長。

⑯質疑応答で、「資本金額減少の影響は?」との質問あり。「取引など、大きな影響は無い。」との回答。

⑰質疑応答で、「新卒採用人員と中途採用を抑え、アナリティクス事業でも離職があたっとのことだが、計画的な人員削減なのか?」との質問あり。「「Keywordmap for SNS」の件もあり、自然減だが、積極的な引き留めはおこなわなかった。」との説明。

⑱質疑応答で、「将来の成長ドライバーを見極めたあとに、再度、人員を増やす予定なのか?」との質問あり。「M&A事業など伸ばしていければ、人員も増やしていく。」との回答。

⑲社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は7,413万円。単純平均で取締役1人当たり1,853万円。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、CINC本社内での開催でしたので、良い機会となりました。note placeのような雰囲気の会議室でした。

質疑応答では、社長の石松友典さんが丁寧に回答対応をされており、穏やかな口調が印象的でした。

今後、将来の成長ドライバーを見極めるとのことで、「Keywordmap for SNS」の提供終了や、新規事業の「M&A仲介事業」の開始もあり、良くも悪くも会社が変わる過渡期になりそうです。

新規事業が上手くいくとは限らないので、当面は先行き不透明な状況が続きそうですが、今期の赤字予想の業績予想がセグメント別に見てどのように着地するのかが気になり、継続注視します。

 

株主総会会場のCINC本社が入る東急虎ノ門ビル
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