トレードワークス 臨時株主総会
日時:2024年7月1日(月) 12:00-12:25
場所:TKP市ヶ谷ビル(市ヶ谷駅徒歩1分)
出席株主数:約10名
お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり
企業情報
トレードワークス(3997)
①金融ソリューション事業、FX(外国為替証拠金取引)システム事業、セキュリティ診断事業、デジタルコマース事業、ソフトウエア受託開発およびITコンシェルジュサービス事業、基幹サーバー・ネットワーク設計および構築、システム運用のコンサルティング事業を展開。情報・通信技術の進化をお客様のニーズに合わせたソリューションの形で提供し、金融向けインターネット取引システムサービスについては、株式、FX、暗号資産、デジタル証券、NFT、DeFiなどの企画・開発・ASPサービスの提供により、お客様の事業活動とその持続的な成長を支援している。
②筆頭株主は、社長の浅見勝弘さんで、114万株、34.8%を保有。
業務コンサルティングなどを手掛けるスペース・ソルバが、第3位の株主として、16万株、5.0%を保有。
情報サービスを手掛けるミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)の子会社のミンカブソリューションサービシーズが、第4位の株主として、16万株、4.9%を保有。
株式情報
時価総額:33億円(2024年6月28日時点)
売上高:37.5億円(2023年12月期実績)⇒44.0億円(2024年12月期予想)
株価:966円(2024年6月28日時点)
1株純資産:367円(2024年3月末時点)、PBR:2.63倍
1株当期純利益:33.3円(2024年12月期予想)、PER:29.0倍
1株配当:20円(2024年12月期予想)、配当性向:60%
配当利回り:2.0%
株主数:9,756名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①2024年12月期第1四半期は、情報サービス産業においては、多岐にわたる業種で事業拡大や競争力強化を目的としたシステム投資の意欲は根強く、DX(デジタル・トランスフォーメーション)化の潮流に対応するための戦略的なシステム投資需要については拡大基調が続いている。このような環境の下、中期経営計画(2022年度~2026年)に基づき、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応しながら、主要事業の推進に取り組んでいる。また、業種・業務に特化したパッケージソフトを核とした付加価値の高いソリューションを顧客に提供しており、子会社を含めた5つの事業・業務を対象に事業を展開している。その対象とする市場に向けて、新規および追加のシステム提案によるフロービジネスを広げるとともに、サポートおよびクラウドサービス提供による安定的なストックビジネスを展開しており、中でも近年は需要が高まっているクラウドサービスの拡大に力を入れている。なお、API脆弱性診断サービスのサービス提供開始にあたり、脆弱性診断サービスは前年までセキュリティ診断事業として運営していたが、当年よりデジタルコマース事業部での運営として事業部再編成をおこなっている。以上の結果、売上高1,066,655千円(前年比6.9%増)、営業損失65,160千円(前年は営業利益62,254千円)、経常損失65,843千円(前年は経常利益62,457千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失105,702千円(前年は親会社株主に帰属する四半期純利益44,601千円)となった。
②金融ソリューション事業においては、一部案件の検収時期が遅れたため、売上が計画をやや下回る結果となった。以上の結果、売上高は708,491千円(前年比19.2%減)となった。
③FXシステム事業においては、当事業の主力である「TRAdING STUDIO」のFX為替市場分析システム機能を搭載した「シグナルマップ」の拡販が引き続き順調に推移しており、また、既存顧客へのセキュリティ強化策として取り組んでいた新たなシステムサービス(2段階認証)の提供開始により、売上高は48,425千円(前年比36.0%増)となった。
④デジタルコマース事業においては、当年より「API脆弱性診断サービス」のサービス提供の開始にあたり、脆弱性診断サービスは前年までセキュリティ診断事業として運営していたが、当年よりデジタルコマース事業部での運営として事業部再編成をおこなっている。「API脆弱性診断サービス」はWebアプリケーション自動診断サービス「SecuAlive」をはじめ、大規模システムおよびネットワーク診断サービスなど、多岐にわたって脆弱性診断サービスの提供が可能となり、さらなる事業拡大に取り組んでいる。以上の結果、売上高は56,554千円となった。
⑤ソフトウエア受託開発およびITコンシェルジュサービス事業においては、新規顧客及び既存顧客へのSalesforceによる開発業務のサービス提供が順調に推移した。その結果、売上高は63,705千円(同12.3%増)となった。
⑥基幹サーバー・ネットワーク設計および構築、システム運用のコンサルティング事業においては、官公庁向けパッケージソフト、エネルギー分野および医療分野へのシステムサービスの提供は順調に推移した。その結果、売上高は189,478千円となった。
⑦2024年5月10日に、ミンカブ・ジ・インフォノイドの子会社であるミンカブソリューションサービシーズとの間で業務提携をおこなうことを決定。ミンカブソリューションサービシーズは、国内最大級の株式情報メディア「株探」の運営と、その知見を活かした金融機関向け情報系およびシステム系サービスに加え、金融商品仲介業を開始し、資産形成層の拡大に貢献する金融サービスを提供している。さらに、ブロックチェーンを基盤としたNFTソリューションなど、金融分野を超えた領域へ事業を拡大している。本業務提携により、両社がこれまで培ってきた金融機関向けサービスやリソースを相互に利活用し、金融メディア、情報サービス、ミッションクリティカルシステムの融合をおこなうことで、金融機関のデジタルトランスフォーメーションの更なる加速による競争力の強化に資するサービス提供と、利用者の利便性向上に向けた共同事業の創出を推進していく。
⑧本臨時株主総会で、ミンカブ・ジ・インフォノイドの前副社長の齋藤正勝さんを取締役として受け入れ、同日に社長就任予定。
⑨2024年6月19日の取締役会において、SCSK(9719)との間で資本業務提携をおこなう事について決議し、本資本業務提携契約を締結、SCSKに対する第三者割当による自己株式の処分についても決議。SCSKは、経営理念にある「夢ある未来を、共に創る」を掲げ、長年に亘りITサービス業界おいて、基幹システムやその周辺システムを中心にシステム構築をはじめとする様々なサービス提供をおこなってきた豊富な実績を有している。また、SCSKは、幅広い産業における顧客やパートナーと共に、社会課題の解決に貢献する新たなビジネスやサービス創造に取り組んでいる。本資本業務提携により当社は、SCSKとこれまで培ってきた知識やノウハウ、システムを含めたリソースを持ち寄ることで、マーケットやニーズの変化に対応した自由度の高い証券業務システムを構築し、さらにBPOサービスや業務コンサルティングサービスなど証券業務をおこなうにあたって必要なサービスを具備したプラットフォームの構築を共同で推進していく。
当社は、本第三者割当による自己株式の処分により、SCSKに当社の普通株式128,000株(発行済株式総数に対する割合3.72%)を割り当てる。なお、これにより、本第三者割当による自己株式の処分後のSCSKの当社に対する議決権所有割合は、3.73%となる予定。払込期日2024年7月8日。処分価額1株当たり791円。
⑩質疑応答で、「前期、赤字転落の際に役員報酬の削減が無かった。今期、役員報酬で削減する予定は?」との質問あり。「役員報酬のアップはおこなっていない。エンジニアリングは強いが、経営体制が弱かった。役員報酬は下げていくつもり。」との回答。
⑪質疑応答で、「新社長となる齋藤正勝さんから抱負を伺いたい。」との意見あり。社長の浅見勝弘さんから、「齋藤正勝さんは、ネット業界ではカリスマ的存在。マーケティング能力などに優れている。当社を引っ張っていって欲しい。数年間、オファーを出し続けていた。」との説明があり、株主総会終了後に、齋藤正勝さんから挨拶があった。
⑫質疑応答で、「会長と社長の役割はどうなるのか?」との質問あり。「エンジニアリングの力はあるが、経理上の見た目が良くない状況。社長には思いきり力を発揮してもらいたい。グループ経営をおこなうにあたり、エンジニアの強化を会長がおこなう体制。適材適所のイメージ。」との説明。
⑬社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は7,792万円。単純平均で取締役1人当たり1,948万円。
⑭議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
質疑応答では、社長の浅見勝弘さんのソフトな口調が印象に残りました。
株主総会終了後に、新社長となる齋藤正勝さんから挨拶があり、「浅見勝弘さんとは30年近い知り合い。当時からエンジニアの力が強いと思っていた。海外に負けないインフラを作る。役員報酬は役員持ち株会に全額投じても良いと思っている。」との旨のポジティブな挨拶がありました。
これから飛躍をしようとしている成長企業なので、得た利益は全て成長投資に回したほうが良いようにも思えますが、中途半端に配当を実施している点が気になります。一方で、新社長に齋藤正勝さんを迎え、これから会社が大きく変わる過渡期にも見えます。
新社長となる齋藤正勝さんの手腕に期待し、今後の動向に注視します。再投資も検討します。