宮崎銀行 第139期定時株主総会
日時:2024年6月25日(火) 10:00-10:30
場所:宮崎観光ホテル(宮崎駅よりバス15分+徒歩10分)
出席株主数:約80名
お土産:無し
企業情報
宮崎銀行(8393)
①宮崎県を主に、本店ほか支店70カ店などにおいて、預金業務、貸出業務、内国為替業務、外国為替業務およびその他付随業務をおこなう「銀行業」(経常収益構成比91%)を中心に、総合リース業務をおこなう「リース業」(経常収益構成比8%)、株式・社債などへの投資業務および経営コンサルティング業務、住宅ローンなどの信用保証業務、クレジットカード業務などをおこなう「その他」(経常収益構成比1%)を運営。
株式情報
時価総額:598億円(2024年6月24日時点)
経常利益:99.8億円(2024年3月期実績)⇒121億円(2025年3月期予想)
株価:3,395円(2024年6月24日時点)
1株純資産:10,954円(2024年3月末時点)、PBR:0.30倍
1株当期純利益:479円(2025年3月期予想)、PER:7.08倍
1株配当:110円(2025年3月期予想)、配当性向:22%
配当利回り:3.2%
株主数:7,900名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①取締役の髙妻和寛さんは、体調不良のため欠席。
②2023年度の国内経済は、新型コロナウイルスの5類移行を受けた経済活動の正常化が進み、景気回復の動きが継続した。企業収益の改善を背景に、デジタル投資を中心とした設備投資が堅調に推移し、雇用環境や個人所得にも改善の動きが見られる。一方、海外金利の上昇による円安進行を受け、消費者物価は上昇傾向で推移し、個人消費等の回復を下押ししている。金融市場においては、日経平均株価は、コロナ後の経済再開やインバウンド需要の回復を受け、2023年前半に3万3千円台まで上昇した。また、2024年1月以降は、AAI・半導体関連産業の成長期待と、脱デフレによる日本企業の業績期待の高まりを背景に、日経平均株価が史上最高値を更新するなど大きく上昇し、当期末は4万円台となった。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、7月に日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用柔軟化を決定し、その後、2024年3月にマイナス金利政策解除とYCC撤廃を決定したことから上昇し、当期末は0.72%となった。為替相場(対ドル)は、米国金利の上昇による日米金利差拡大により円安が進行し、当期末は151円台となった。県内経済は、法人の生産活動が弱含んでいるが、個人消費を中心に緩やかに回復しつつある。観光需要の回復や雇用環境の改善により、景気回復の継続が期待される一方、物価の高止まりと人手不足が個人消費と生産活動の抑制要因として懸念される。このような経済環境のもと、当行は、引き続き地域に密着した営業展開と経営内容の充実に努めた。
③経常収益は、有価証券利息配当金の減少により資金運用収益が減少したものの、預り資産手数料や受入機能提供手数料などの増加により役務取引等収益が増加し、株式等売却益の増加によりその他経常収益が増加したことから、前年に比べ27億62百万円増加して688億89百万円となった。経常費用は、国債等債券売却損の減少によりその他業務費用が減少し、株式等売却損の減少によりその他経常費用が減少したものの、売現先利息や債券貸借取引支払利息の増加により資金調達費用が増加したことから、前年に比べ46億24百万円増加して589億3百万円となった。以上により、経常利益は前年に比べ18億62百万円減少して99億86百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、同10億40百万円減少して70億87百万円となった。2期ぶりの増収減益決算となった。
④銀行業(銀行業務)は、経常収益は、有価証券利息配当金の減少により資金運用収益が減少したものの、預り資産手数料や受入機能提供手数料などの増加により役務取引等収益が増加し、株式等売却益の増加によりその他経常収益が増加したことから、前年に比べ26億97百万円増加して631億66百万円となった。経常費用は、国債等債券売却損の減少によりその他業務費用が減少し、株式等売却損の減少によりその他経常費用が減少したものの、売現先利息や債券貸借取引支払利息の増加により資金調達費用が増加したことから、前年に比べ45億2百万円増加して537億80百万円となった。この結果、経常利益は、前年に比べ18億4百万円減少して93億85百万円となった。
⑤リース業(リース業務)は、経常収益は、リース資産売却が増加したことなどから、前年に比べ78百万円増加して55億34百万円となった。一方、経常費用は、リース資産売上原価や与信関連費用が増加したことなどから、前年に比べ84百万円増加して51億40百万円となった。この結果、経常利益は前年に比べ6百万円減少して3億93百万円となった。
⑥その他(信用保証業務等)は、経常収益は、前年に比べ71百万円減少して8億50百万円となった。経常費用は、株式等償却が減少したことなどから、前年に比べ19百万円減少して6億39百万円となった。この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ51百万円減少して2億11百万円となった。
⑦次期の業績については、経常利益ベースで「増収増益」の見通しであり、連結ベースの経常収益は722億円、経常利益は121億円、親会社株主に帰属する当期純利益は83億円を見込んでいる。
⑧中期経営計画「First Call Bank」は、2026年3月期に、経常利益140億円。
※First Call Bank:圧倒的に信頼される銀行グループ
⑨中期経営計画初年度となる2023年度の通期業績は、2023年11月10日に公表した予想を上回り、また、2024年度通期業績見込みについても、2023年度を上回る見込み。これらの状況から今回配当方針を見直し、利益成長を通じたより安定的な配当(維持・増配)である累進配当とすることとした。利益成長を通じた累進配当と機動的な自己株式取得により、総還元性向30%を目標に利益還元をおこなう。2025年度は現中期経営計画の最終年度であり、2024年度を上回る利益目標としていることから、更なる増配を目指していく。
⑩質疑応答で、「東証からPBR1倍割れ企業に対し改善要請が出ているが、PBR1倍は達成しなければならないと考えているのか?」との質問あり。「PBR1倍の株価は9,000円台。足元、株価は3,400円程度だが、9,000円台まで近づけることを求められているので、一生懸命追及していく。」との回答。
⑪質疑応答で、「他の地銀のように地元の特産品を株主優待として新設する考えは?地域貢献にもなると思う。」との質問あり。「利益還元は累進配当でしっかりと対応していきたい。」との説明。
担当役員は、「株主優待」と説明していたが、頭取の杉田浩二さんが「株主優待」のことを何度も「お土産」と表現していた点が特に印象的。
⑫監査等委員である取締役を除く取締役6名の報酬等の総額は18,900万円。2023年6月に退任した2名を3ヶ月分、新任の1名を9ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり4,447万円。
⑬議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
業績が堅調で、PBRが1倍を大きく割れており、国内金利上昇の恩恵を期待して、平均2,831円で投資しました。
今回、実際に頭取や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、宮崎銀行は、1株当たり純資産10,954円に対し、株価が3,395円(2024年6月24日時点)、PBR0.30倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。
「2025年度は現中期経営計画の最終年度であり、2024年度を上回る利益目標としていることから、更なる増配を目指していく。」とのポジティブなIRもあり、今後の国内金利上昇による業績向上とPBR1倍割れの解消、地域経済への貢献を期待して、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。