北國フィナンシャルホールディングスの株主総会に出席しました【2024年6月14日】

株主総会
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北國フィナンシャルホールディングス 第3期定時株主総会

日時:2024年6月14日(金) 10:00-10:45

場所:北國フィナンシャルホールディングス本社(金沢駅徒歩4分)

出席株主数:約80名

お土産:無し

 

企業概要

北國フィナンシャルホールディングス(7381)

HP:北國フィナンシャルホールディングス (hfhd.co.jp)

①石川県を主に、銀行業務のほか、消費者金融に係る信用保証業務、クレジットカード業務、ECモール運営業務、債権回収管理業務、システム開発・運用管理業務、投資助言業務、コンサルティング業務、ファンド運営業務、事務受託業務をおこなう「銀行業」(経常収益構成比86%)を中心に、リース業務をおこなう「リース業」(経常収益構成比14%)を運営。

北陸電力(9505)が、第3位の株主として、386万株、6.2%を保有。
2輪車用チェーンの製造販売などを手掛ける大同工業(6373)が、第6位の株主として、36万株、1.5%を保有。
北國新聞社が、第9位の株主として、31万株、1.3%を保有。

 

株式情報

時価総額:1,196億円(2024年6月13日時点)

経常利益:144億円(2024年3月期実績)⇒150億円(2025年3月期予想)

株価:5,110円(2024年6月13日時点)

1株純資産:10,533円(2024年3月末時点)、PBR:0.48倍

1株当期純利益:431円(2025年3月期予想)、PER:11.8倍

1株配当:120円(2025年3月期予想)、配当性向:27%

配当利回り:2.3%

株主数:10,256名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①株主総会は、北國フィナンシャルホールディングス本社内のメインホールでの開催。

②当地においては、令和6年元日に発生した能登半島地震により、能登地域の市町を中心に甚大な被害が発生した。発災直後は北陸地方への訪問や旅行を手控える動きがあったが、足元では北陸新幹線の敦賀延伸や北陸応援割などの効果もあって観光客数の回復が見られ始めている。被災地では依然多くの住民が避難生活を余儀なくされており、能登地域の温泉地ではホテル・旅館の休業が続くなど、従前の生活やなりわいの再興には相当の時間が必要となる。地震からの復興復旧の動向と当地経済に及ぼす影響に対して、中長期的な視点からも注視していく必要がある。

③経営成績については、経常収益は、株式等売却益の増加により、前期比60億96百万円増加の908億39百万円、経常費用は、外貨調達費用の増加などにより、前期比76億82百万円増加の763億78百万円となった。この結果、経常利益は前期比15億85百万円減少の、144億61百万円となった。一方で、税負担率の低下などの結果、親会社株式に帰属する当期純利益は前期比3億14百万円増加の、90億55百万円となった。
当期純利益は前年実績を上回るも、能登半島地震の影響により計画(110億円)を下回る。能登半島地震の当社財務への影響は、与信コストへの影響14億円。

④事業の種類別セグメントの状況については、銀行業では、経常収益は前期比57億10百万円増加の779億38百万円、セグメント利益は前期比12億96百万円減少の139億24百万円となった。

⑤リース業では、経常収益は前期比4億48百万円増加の131億59百万円、セグメント利益は前期比3億8百万円減少の5億29百万円となった。

⑥2025年3月期の業績予想については、連結ベースで経常利益は150億円、親会社株主に帰属する当期純利益は100億円を見込んでいる。引き続き能登半島地震の影響による不良債権処理コストの増加を見込むものの、重点ビジネスのブラッシュアップにより当期純利益は増加を予想。

⑦2024年4月26日に、中長期経営戦略をアップデート。2027/3期に、経常利益212億円、当期純利益134億円。2034/3期に、経常利益457億円、当期純利益305億円。企業価値向上に向けて、株主資本や利益の質を重視したROEの向上、ガバナンス高度化や情報開示などによる資本コスト抑制のための各施策実行に取組み、PBR1倍以上の早期達成を目指す。

⑧事業性融資・リースの進捗状況は、主に大企業向け貸出が減少、利回りは改善するも収益は457百万円の減少。事業性貸出(末残)11,265億円(前年同期比▲795億円)。グループ一体営業により成約件数が増加、収益は40百万円の増加。リース債権及びリース投資資産(末残)393億円(前年同期比+28億円)。

⑨キャッシュレスの進捗状況は、新たなキャッシュレス基盤(アクワイアリング・イシュイング)の構築を開始。決済額:加盟店31,149百万円/年(▲2,421M) カード決済74,666百万円/年(+9,589M)。預金型ステーブルコイン「トチカ」を4月にサービス開始。

⑩コンサルティング&アドバイザリーの進捗状況は、法人コンサルティングはコンサルティング件数が前年同期を上回って推移。コンサルティング件数580件(前年同期比+142件)。ケニアにCCイノベーションの現地法人設立に向けて準備中。

⑪投資助言の進捗状況は、投資助言に基づく運用残高は3,700億円。

⑫市場運用の進捗状況は、ポートフォリオ改善に向けた円債・外債の圧縮、入替、株式運用の高度化などにより、評価損益は+376億円、前期末対比+241億円増加した。総合損益は+398億円となり、総合損益率も+2.8%と目標とする2.0%を上回った。政策保有株式売却は、82億円/21銘柄の売却益を計上。

円金利上昇による年間利息影響額は、1年目9億円、2年目29億円、3年目42億円。今回の中長期経営計画アップデートに反映。YCC撤廃+マイナス金利解除され、2025年度末までに政策金利は0.25%、10年国債利回りは1.00%程度に上昇する想定。貸出残高は、中長期経営戦略における各年度計画値で試算。

⑭質疑応答で、「東京証券取引所からPBR1倍割れの企業に対して改善要請が出ているが、会社の考えは?」との質問あり。「現在、PBRは0.48倍。実質的に、PBRを一定水準以上に保つようにとの要請と理解している。企業価値向上、ROE向上、資本コストの抑制などで早期にPBR1倍以上を目指す。」との回答。

⑮質疑応答で、「他の地銀各社は、地元の名産品を株主優待としているところが多い。株主優待の新設について考えは?」との質問あり。「2020年度までは、地元の名産品を株主優待として実施していたが、安定配当、総還元性向への対応に切替えた。今後は総還元性向50%を目標に、利益を上げて対応としたい。」との旨の説明。
株主優待の再開は考えていない模様。PBR1倍対応や、能登半島地震もあり、地域貢献や地元の名産品のPRとして、株主優待を再開するのも一手だと思う。

⑯質疑応答で、「日銀の政策変更により、金利の上昇が見込まれるが、金利が上昇した場合に、業績にどのような影響があるのか?」との質問あり。「金利上昇は、収益面ではプラスに働き、支出面ではマイナスに働く。国債の値下がりもデメリットとなるが、総じてプラスの影響の方が大きいので、業績に良い影響を与えると思う。」との回答。

⑰質疑応答で、「子会社の業績評価と今期の見通しは?」との質問あり。「2024年3月期は計画に達しなかったが、今期は達成を見込んでいる。マイナス金利の中でどう対応していくのか課題であったが、環境が良い方向に変わった。今期、ROE5%を目指したい。」との回答。

⑱質疑応答で、「公表している今期の業績予想について、前提となる金利水準は?」との質問あり。「今期の業績予想を作成した時点の金利が前提となっている。金利水準に変更があった場合、今後、業績発表時などに計画をアップデートしていく。」との説明。

⑲質疑応答で、「以前は、株主総会に400人程度出席していた。今回、出席人数が少ないが、この状況についてどのように考えているのか?」との質問あり。「2020年度から株主総会のお土産を廃止したところ、株主総会の出席人数は80人程度で推移することとなった。IR説明会などで対話を進めていきたい。」との回答。

⑳監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は10,900万円。単純平均で取締役1人当たり3,633万円。

㉑議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル化の進む時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が堅調な一方で、PBRが1倍を割れており、今後の国内金利上昇による業績向上を期待して、平均4,861円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、北國フィナンシャルホールディングス本社内のメインホールでの開催でしたので、良い機会となりました。

質疑応答では、社長の杖村修司さん、取締役の角地裕司さんを中心に、丁寧に回答対応されていました。質疑応答や株主総会の様子から、ガバナンスがしっかりとしていそうに感じ、好印象でした。

2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、北國フィナンシャルホールディングスは、1株当たり純資産10,533円に対し、株価が5,110円(2024年6月13日時点)、PBR0.48倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

地銀としては、株主優待も無く、配当利回りも低い状況ですが、今後の国内金利上昇による業績向上とPBR1倍割れの解消、地域経済への貢献を期待して、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。

 

株主総会会場の北國フィナンシャルホールディングス本社
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