エルアイイーエイチの株主総会に出席しました【2024年6月4日】

株主総会
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エルアイイーエイチ 臨時株主総会

日時:2024年6月4日(火) 10:00-10:25

場所:京都新聞銀座ビル(新橋駅徒歩5分)

出席株主数:約10名

お土産:無し

 

企業概要

エルアイイーエイチ(5856)

HP:株式会社エルアイイーエイチ (lieh.co.jp)

①業務スーパーのフランチャイズ加盟店として業務用食品の小売ディスカウントおよび酒類の小売をおこなう「食品流通事業」(売上構成比82%)を中心に、主力ブランドとして本格麦焼酎「閻魔」「麹屋伝兵衛」・清酒「山水」・リキュール「梨園」を製造し焼酎を主とする酒類の販売をおこなう「酒類製造事業」(売上構成比10%)、中学校向けのテストおよび教材の制作販売をおこなう「教育関連事業」(売上構成比8%)、損害・生命保険代理業やニッケル事業や不動産事業およびリフォーム関連事業をおこなう「その他」(売上構成比0%)を運営。

筆頭株主は、社長の福村康廣さんで、2,720万株、36.3%を保有。

 

株式情報

時価総額:30億円(2024年6月3日時点)

売上高:190億円(2024年3月期実績)⇒非開示(2025年3月期予想)

株価:41円(2024年6月3日時点)

1株純資産:21.7円(2024年3月末時点)、PBR:1.88倍

1株当期純利益:非開示(2025年3月期予想)、PER:非開示

1株配当:未定(2025年3月期予想)、配当性向:未定

配当利回り:未定

株主数:15,350名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

取締役と監査役全員にペットボトルのお茶が提供されていたが、株主側には提供が無く、経営から株主へ議案を諮る場としては違和感。会社として、株主ではなく役員の方向を見ている様子が伺えた。特にBtoCの会社として配慮不足を感じる。

②株主総会冒頭に、社長の福村康廣さんから、「今回はいろいろ質問があると思うので、精一杯答えたい。」との挨拶があった。

③当連結会計年度の業績は、売上高19,035百万円(前年比6.2%増)、営業損失1,525百万円(前年は営業損失21百万円)、経常損失909百万円(前年は経常損失52百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,346百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失63百万円)となった。

④食品流通事業においては、2022年5月より開始した食肉卸部門の2023年4月分および2022年7月より開始した業務スーパー春日部豊町店の2023年4月から6月分の売上が加算していること、全般的に食品・飲料・酒類の値上げが結果的に売上増に貢献していること、引き続き業務スーパーは他の一般的なスーパーマーケットより優位的な価格での販売を継続していることなどにより、売上は前年を上回った。また、第1四半期より継続して取り組んでいる業務スーパー部門の青果・精肉の粗利益改善などが功を奏し、利益は前年同期と比べ増加した。その結果、売上高15,580百万円(前年比7.7%増)、セグメント利益(営業利益)662百万円(前年比31.0%増)となった。

⑤酒類製造事業においては、国内での売上は順調に伸ばしているが、輸出においては特に台湾向けの受注減少が大きく影響しており、ほぼ前年同様の売上高となっている。営業利益については、物価高騰および貯蔵樽購入、製造設備の修繕などの費用増加による商品原価率が上昇し、また、シンENMA、シンprimeENMAなどの広告費用617百万円が発生したためマイナスとなった。その結果、売上高1,871百万円(前年比1.4%増)、セグメント損失(営業損失)は579百万円(前年はセグメント利益(営業利益)173百万円)となった。

教育関連事業においては、原材料費高騰による影響など、教育関連事業を取り巻く環境は依然先行きの見通しが難しい状況の中、映像授業の配信に注力するためにデジタルコンテンツの制作を行い、また広告費用336百万円を投入したが、それに見合う売上の貢献には至らず、営業損失は前年より拡大した。その結果、売上高1,557百万円(前年比3.2%減)、セグメント損失(営業損失)1,172百万円(前年はセグメント損失(営業損失)183百万円)となった。

⑦その他においては、当第3四半期連結会計期間において、TransCoolの全株式を取得し連結子会社化したことに伴い看護事業が加わったため、売上高29百万円(前年は売上高0百万円)となり、セグメント利益(営業利益)0百万円(前年は同期セグメント損失(営業損失)0百万円)となった。

⑧食品流通事業(食肉卸事業)に関しては、引き続き精肉における仕入のコストダウンそして売上の増加を目指したいと考えている。酒類製造事業に関しては、前期と変わらず成果の予測が不透明な状況ではあるが、経費削減を中心に経営の見直しをおこない、黒字転化を必須の目標として経営改革をおこなう。教育関連事業に関しては、前期と変わらず成果の予測が不透明な状況ではあるが、ビジネスモデルや人員の配置などを見直し、黒字転化を目指していく。上記の通り、来期(2025年3月期)連結業績の見通しは現時点では明確に予測を立てることができない状況であるが、予測が立ち次第、速やかに開示する。

⑨当社は当連結会計年度において、広告宣伝費などに投入したにも関わらず、売上が予測より伸びなかったことが原因で、1,525,139千円の重要な営業損失を計上。前年度も営業損失を計上していることから2期連続の営業損失の計上となった。そのため、予測される回収可能価額が帳簿価額を下回っている固定資産について、減損損失310,219千円を計上しており、その結果、税金等調整前当期純損失が1,227,789千円となった。結果として、当期末現在、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識している。

2024年5月13日に、完全子会社であるボン・サンテが運営する業務スーパー事業をG-7ホールディングス(7508)に承継することについて決議。当社グループは、現在、食品流通事業、酒類製造事業および教育関連事業を営んでいるが、2023年10月に、教育関連事業の売上高拡大と収益向上を図ることを目的として、授業動画制作・授業のオンライン化に対応した学習指導を行っているTransCoolを子会社化するなど、今後は、これまで以上に教育関連事業に注力していくことを予定している。一方で、当社は、成長性と安定性を重視する事業ポートフォリオへの再構築が喫緊の課題となっていることを踏まえ、2023年5月頃から、ボン・サンテがおこなっている業務スーパー事業の経営方針に関して検討を進めてきたが、今般、ボン・サンテの業務スーパー事業をG-7ホールディングスに譲渡することが当社グループの経営資源の「選択と集中」を推し進めていくうえで有用であり、当社グループの総合的な企業価値の向上に資すると判断したことから、ボン・サンテが行っている業務スーパー事業と食肉事業のうち、食肉事業をエフミートに承継させた上で、当社が保有するボン・サンテの全株式をG-7に譲渡することとした。譲渡金額は56億円となる見込み。本株式譲渡の実行日は、2024年7月1日を予定。
2023年3月期のボン・サンテの売上高は14,464百万円、うち、食肉事業の売上高は1,996百万円。エルアイイーエイチの連結売上高が19,035百万円であり、売却事業の売上高12,468百万円は、連結売上高の約66%を占める。

⑪当社は、2016年11月10日付にて原告である須田正則外10名から、当社子会社であるウィッツが運営しているウィッツ青山学園高等学校でおこなっていた体験型スクーリング(ユニバーサルスタジオジャパンでのつり銭の計算を「数学」、バスの中での洋画鑑賞を「英語」の履修扱いにすることなど)を実施したことによりスクーリングを再度実施しなければならなくなったこと、およびそれに伴い新年度募集を停止せざるを得なくなったことなどは、ウィッツの親会社である当社の内部統制システム構築義務違反、任務懈怠および不法行為であるとして損害賠償を主張しており、当社およびウィッツに対して訴訟を提起されていた(損害賠償額421,081千円)。なお、当社が提起されている訴訟に関連して、2017年3月30日付にてウィッツを原告とし須田正則外10名に対する反訴の提起をしていた(請求金額283,356千円)。上記一連の訴訟について、2021年7月16日に大阪地方裁判所より、ウィッツは原告である須田正則外10名に対して147,266千円を支払うようにとの判決が出されたが、その判決の一部を不服として、ウィッツは2021年8月3日付で大阪高等裁判所に控訴の提起をしていた。2022年10月28日に大阪高等裁判所より、被告(当社およびウィッツ並びに当社代表取締役である福村康廣)らは連帯して、原告(須田正則外10名 )に対し211,089千円および法定利息を支払えという判決が出された。その判決を受け、原告らに対する損害賠償の支払いについては、当社およびウィッツは支払総額の2/3を連帯して支払い、当社代表取締役社長である福村康廣は支払総額の1/3を支払うことになっていたが、当社代表取締役社長である福村康廣より、当社およびウィッツが負担する損害賠償金を含め、原告らに対する損害賠償金についてその全額を福村康廣個人が負担する意向を受けた結果、2023年3月期第2四半期連結会計期間末において計上していた訴訟損失引当金181,498千円について、その全額の戻入をおこない特別利益に計上した。なお、この判決に対し当社およびウィッツは不服であることから、最高裁判所に上告および上告受理申立てをおこなっている。

⑫2024年5月30日に、持分法適用関連会社のエス・サイエンスよりなごみ設計の全株式を取得することについて決議。社長の福村康廣さんはエス・サイエンスの取締役を兼務。建築工事業をおこなうなごみ設計の安定した収益体制は当社グループを支えるものとなると予測され、当社のメイン事業である教育事業と並ぶ一事業を新たに設定することによって、当社の売上高の拡大、収益性の向上並びに財務体質の強化を図り、当社の一層の企業価値向上を目指す。取得価額は256百万円。株式譲渡実行日(効力発生日)は、エス・サイエンスでの株主総会承認後、 2024年7月1日以降の予定。
ボン・サンテの譲渡にあたり、「教育関連事業に注力していく」との説明があった一方で、シナジーの無さそうな建築工事業をおこなうなごみ設計の買収に違和感。

⑬質疑応答で、「ボン・サンテの譲渡について、なぜ食肉事業を残したのか?中途半端な対応に見える。」との質問あり。「G-7ホールディングス側に食肉事業は不要と言われた。」との回答。

⑭質疑応答で、「営業利益の出ているボン・サンテの譲渡により、営業赤字の事業だけがエルアイイーエイチに残るように見え心配。営業黒字化の目標や計画はあるのか?」との質問あり。「黒字化の計画については言えないが、教育事業においてコマーシャルを打っている。」との説明。

⑮質疑応答で、「ボン・サンテの譲渡金額を56億円とした場合、1株純資産はいくらとなる試算なのか?」との質問あり。「譲渡金額が発生すると共に、資金を使う予定もあるので、具体的な数値は公表していない。」との旨の回答。

⑯質疑応答で、「なごみ設計を買収する予定だが、なごみ設計の従業員数は?」との質問あり。「アルバイトもいるので分からない。次回の株主総会までに調べる。」との説明。
なごみ設計はエス・サイエンスの子会社だが、社長の福村康廣さんはエス・サイエンスの取締役でもあり、回答内容に違和感。買収にあたり、デューデリジェンスに問題が無いか心配。

⑰質疑応答終了後、議案の採決も無く、社長の福村康廣さんから、株主総会の閉会の挨拶があった。事務局が慌てて指摘し、採決された。

⑱2023年3月期、監査等委員である取締役と社外取締役を除く取締役3名の報酬等の総額は27,500万円。連結報酬等の総額が1億円以上の取締役として、社長の福村康廣さんが26,700万円との記載あり。
業績が赤字でもあり、福村康廣さんへの2億67百万円の高額報酬に違和感。

⑲議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル化の進む時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。

 

株主総会を終えて感じたこと

株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

業務スーパー事業をおこなうボン・サンテのG-7ホールディングスへの譲渡により、営業赤字の事業だけがエルアイイーエイチに残るように見え、今後がとても心配です。

さらに、ボン・サンテの譲渡にあたり、「教育関連事業に注力していく」との説明があった一方で、シナジーの無さそうな建築工事業をおこなうなごみ設計の買収発表に、違和感を感じました。

また、業績が赤字と冴えない中で、2023年3月期社長の福村康廣さんへの2億67百万円の高額報酬に違和感も感じました。

株主総会では、違和感を多々感じましたが、良くも悪くも会社が大きく変わる過渡期にも見え、MBOの可能性も視野に、今後の動向を継続注視します。

 

株主総会会場の京都新聞銀座ビル
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