ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの株主総会に出席しました【2024年5月24日】

株主総会
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ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス 第9回定時株主総会

日時:2024年5月24日(金) 10:00-11:25

場所:浅草ビューホテル(つくばエクスプレス浅草駅徒歩1分)

出席株主数:約100名

お土産:無し、会場入り口のテーブルでお茶や水のサービスあり

 

企業情報

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(3222)

HP:ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社 (usmh.co.jp)

①「マルエツ」「カスミ」「マックスバリュ」などの業態で、総合小売業を運営。

筆頭株主は、総合スーパー大手のイオン(8267)の子会社のイオンマーケットインベストメントで、イオンの保有分も含めると、6,878万株、53.5%を保有。
公益財団法人神林留学生奨学会が、第4位の株主として、230万株、1.7%を保有。
食品および関連消費財の卸売業などを手掛ける日本アクセスが、第6位の株主として、152万株、1.1%を保有。
酒類・食品・関連消費財の卸売業などを手掛ける国分グループ本社が、第7位の株主として、109万株、0.8%を保有。
食品卸大手の三菱食品(7451)が、第8位の株主として、109万株、0.8%を保有。
総合商社の興和が、第9位の株主として、101万株、0.7%を保有。

株主優待(2月末、8月末)
100株:株主優待券3,000円 or 100~999株保有の株主向け優待品
500株:株主優待券6,000円 or 100~999株保有の株主向け優待品
1,000株:株主優待券10,000円 or 1,000株以上保有の株主向け優待品
2,000株:株主優待券15,000円 or 1,000株以上保有の株主向け優待品
3,000株:株主優待券18,000円 or 1,000株以上保有の株主向け優待品
5,000株:株主優待券30,000円 or 1,000株以上保有の株主向け優待品

 

株式情報

時価総額:1,156億円(2024年5月23日時点)

売上高:7,066億円(2024年2月期実績)⇒7,451億円(2025年2月期予想)

株価:878円(2024年5月23日時点)

1株純資産:1,168円(2024年2月末時点)、PBR:0.75倍

1株当期純利益:14.0円(2025年2月期予想)、PER:62.7倍

1株配当:16円(2025年2月期予想)、配当性向:114%

配当利回り:1.8%、株主優待含む利回り:4.1%(100株保有時2,000円相当として計算)

株主数:119,390名

会計基準:日本会計基準

 

株主総会での個人メモ

①取締役と監査役の首掛けの名札?が小さく、名前と顔が一致せず気になった。氏名の記載された大きな名札があった方が、会社の顔となる役員の方々の顔と名前が一致するので親切だと思う。

②当連結会計年度における経営環境は、大幅な円安の進行によりエネルギー価格の高騰や原料調達価格の上昇が継続し、食品や家庭用消耗品などの物価上昇が個人消費に強い逆風となった。また、雇用の拡大による賃金の上昇や物流の2024年問題への対応などに起因したコスト上昇を価格に転嫁する動きが製造業を中心に進行し、インフレへの移行を急速なものとした。こうした環境下に消費者の節約志向は一層顕著なものとなり、進行するデジタル化の潮流とも相まって、さまざまなチャネルから自らの価値観にあった商品と価格を選択する消費行動が主流になりつつある。

③物流コストや資材価格、水道光熱費など各種コストの上昇による利益の圧迫を見据えて、サプライチェーンの改革や省力化のための物流・デジタル投資の実行など、これまでとは異なる構造への転換を急ぐ手立てを打った。具体的にはサプライチェーン改革において、物流の2024年問題を見据えて自動化・省人省力化に寄与する設備やマテハン機器を導入した共同物流センター「U.S.M.H八千代グロサリーセンター」を、2023年9月より本格稼働した。また、製造から販売までの一貫した新たな製造小売モデルの実践例となる「INNER COLOR DELI(インナーカラーデリ)」を、サステナブル商品を取り扱うブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」のシリーズとして化粧品会社であるオルビスと協働で企画開発を行い、当社連結子会社であるローズコーポレーションにおいて製造し2023年10月より販売を開始した。デジタル施策においては、2023年12月にITサービスを中心に事業を展開するベトナムのVTI JOINT STOCK COMPANYと業務提携契約を締結し「ignica(イグニカ)」をはじめとする各種プロダクト・サービスの開発を加速し、顧客価値の向上と製品展開事業の拡大を目指している。

④当連結会計年度は、マルエツおよびマックスバリュ関東において来店客数及び客単価が回復し、営業収益、売上総利益をはじめとした数値の改善により、増収増益となった。一方、カスミでは、2023年7月より新たなカードを発行し、チラシによる価格訴求から、お客さまごとの嗜好やニーズにあわせて細やかにお買い得特典を提供するとともに、現金でお支払いのお客さまにもデジタルの体験とサービスを提供することを目指した新たな取り組みを開始したものの、初動において若干の浸透期間を要したことから、営業収益は前期比94.8%となり利益が悪化し減収減益となった。ただ足元では営業収益や売上総利益高は回復基調が顕著に現れている。グループ全体においては、売上総利益率が前期に対して0.4%改善したことにより、営業総利益は前期比101.0%となった。また販管費は、電力の使用量抑制や電力調達契約の変更などにより電気料の削減が図れたものの、労務費の上昇や、お客さまのお買物スタイルの多様化への対応強化のため、ECの利便性向上対策やセルフレジを含む決済機能の多様化への対応、省力化機器の導入などの投資強化による減価償却費や、来店客数拡大策による販促費の増加などの影響により、前期比0.7%増と前年を上回った。これらの結果、営業収益が7,066億57百万円(前期比0.3%減)、営業利益が69億7百万円(前期比8.2%増)、経常利益が69億29百万円(前期比6.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が10億8百万円(前期比24.6%減)となった。

⑤当連結会計年度において、マルエツが4店舗、カスミが1店舗を新設した。一方、経営資源の効率化を図るため、マルエツが4店舗、マックスバリュ関東が1店舗を閉鎖し、当連結会計年度末の店舗数は、529店舗となった。

⑥マルエツでは、お客さまの利便性向上のため「オンラインデリバリー」を44店舗、「Uber Eats」のサービスが利用できる店舗を119店舗に拡大した。さらに、新たな顧客接点と買物困難地域への対応として、「移動スーパー」2車両による販売を開始した。さらに、セルフレジを214店舗に拡大し、全店でスマホ決済が利用いただけるようになった。また、生産性向上施策として、電子棚札を107店舗に拡大し、需要予測型発注の運用を全店で開始した。新規出店については、リンコス白金ザ・スカイ店を皮切りに、4店舗をオープンした。その他、地域社会の課題解決や食品ロス削減への貢献につながる「フードドライブ」活動を新たに10店舗で開始し、77店舗まで拡大した。

⑦カスミでは、主要施策としてignica(イグニカ)ブランドのプリペイド機能付きポイントカード「Scan&Goカード」の利用率拡大に注力した。発行枚数は2024年2月末時点で119万枚を超え、シニア、子育て層へのポイントプログラムを定期的に継続するとともに、ポイント付与を伴うさまざまな販売施策を実施するなど利便性の拡大に努めた。また、2023年12月には「毎日の食生活がより豊かに、より楽しいお買い物ができるお店」とする新たなフードマーケット業態のモデル店として、埼玉県上里町にイオンタウン上里店をオープンした。

⑧マックスバリュ関東では、従業員一人一人の声を生かした店舗活性化を、当連結会計年度において2店舗で実施し、地域のお客さまのライフスタイルにあわせた商品・サービスの強化をおこなった。特に2024年2月に活性化を行ったマックスバリュ蕨店では、「対面販売の強化」「生鮮惣菜の強化」「当社こだわり商品の拡大」、「OMOの強化」「Cafe&Dineスペースの新設」に取り組み、買物体験型スーパーマーケットとして提供価値を向上させる活性化を実施した。また、2024年2月には千葉市と協業し「移動スーパー」を千葉県千葉市花見川区にて運行を開始した。

⑨主要連結子会社では、当連結会計年度におけるマルエツ単体の営業収益は3,901億38百万円(前期比3.8%増)、カスミ単体の営業収益は2,698億91百万円(前期比5.2%減)、マックスバリュ関東単体の営業収益は451億83百万円(前期比4.0%増)の結果となった。

⑩賃金の上昇や多くの輸入資源や原材料の高騰によるコストプッシュインフレの環境は引き続き継続するものと思われ、さまざまなコストに対してはこれまで以上に費用対効果の精査が求められ、また日銀のマイナス金利政策解除による金利上昇も懸念されることから、より精度の高い投資をしていく必要があると認識している。さらに、当社が置かれた競争環境は業態を超えて激化し、少子高齢化の影響も予見されることから、デジタルとリアルの融合によるOMOへとビジネスを転換していくなどビジネスの領域と市場を再定義することが急務となっている。こうした中、当社グループは2023年度より3年間(2024年2月期~2026年2月期)を対象とした、第3次中期経営計画を策定しさまざまな施策を実行している。具体的には、1.商品と店舗の変革を通じて既存のスーパーマーケット事業の再定義と活性化の実現(第1エンジン)、2.OMOの実現による店舗外収益の拡大(第2エンジン)、3.蓄積してきたデジタル知財などを活かした新たな領域を対象とするビジネスの展開(第3エンジン)、これら3つのエンジンを並行して推進し、第3次中期経営計画で目指す「Beyond Supermarket(スーパーマーケットを超える事業構造)」を実現していく。通期の連結業績見通しは、営業収益7,451億円(前期比5.4%増)、営業利益85億円(前期比23.1%増)、経常利益84億50百万円(前期比21.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益18億円(前期比78.6%増)を予想している。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス、および、いなげやは、2024年4月18日の両社の取締役会決議により、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスを株式交換完全親会社、いなげやを株式交換完全子会社とする株式交換を実施することを決定し、両社間で株式交換契約を締結するとともに、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス、マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東、いなげや、およびイオンは、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスによるいなげやの経営統合に関する経営統合契約を締結。なお、本株式交換は、2024年5月24日開催予定のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの定時株主総会および2024年6月26日開催予定のいなげやの定時株主総会の決議による本株式交換契約の承認を得た上で、2024年11月30日を効力発生日として行われる予定。また、本株式交換の効力発生日に先立ち、いなげやの普通株式は、東京証券取引所プライム市場において上場廃止(最終売買日は2024年11月27日)となる予定。

⑫第3次中期経営計画(2023‐2025)は、2026年2月期に、売上高750,000百万円、営業利益22,000百万円。

株主総会のライブ配信をおこなうとのことで、質疑応答の際は、株主名は発言しないようにとの説明があったが、各質問席に「ご発言の際の留意点」として「出席番号、お名前の後にご発言お願いいたします。」との記載があった。
対応が分かりにくく、名前を名乗って質問してしまっている株主もいたので、会社として対応を徹底したほうがよいと思う。

⑭質疑応答で、「配当性向(30%)と実配当との乖離について」質問あり。「当期は目指す配当性向とすべく、利益を上げたい。」との回答。

⑮質疑応答で、「低迷する株価、PBR1倍対応について」質問あり。「会社の評価はPBRのみではないが、PBR1倍は市場からの要請でもあるので、様々な対応を考えていく。」との旨の説明。

⑯質疑応答で、「高齢者などデジタルが苦手な顧客が、アプリやセルフレジを利用できず取り残されている。対応を検討して欲しい。」との意見あり。「デジタル化に馴染めないお客様にどうすれば馴染んでもらえるのか課題と考えている。」との回答。

⑰質疑応答で、「カスタマーハラスメントについての対応策は?」との質問あり。「具体的な対策は取っていないが、トラブルがあった場合には店長が間に入り対応している。」との回答。

⑱質疑応答で、「利益率が低いのは、閑散としている夜間営業が影響しているのでは?閉店時間を繰り上げてはどうか?」との旨の意見あり。

⑲質疑応答で、「イオンの株主優待のオーナーズカードを使えるようにして欲しい。」との意見あり。「もう少し対応に時間が欲しい。」との説明。

⑳質疑応答で、「いなげやを株式交換完全子会社とする株式交換を実施した場合、現状の自己資本比率52.5%はどうなるのか?」との質問あり。「自己資本比率に大きな変更は無い。」との回答。

㉑質疑応答で、「店舗によって品揃えが違う。どのように決めているのか?」との質問あり。「ベーシックな品揃えは決まっている。立地や地域によってスーパーバイザーや店長が決める商品もある。」との説明。

㉒取締役と監査役候補者7名中、70歳以上の候補者は岡田元也さん(1951年生まれ、72歳)、鳥飼重和さん(1947年生まれ、77歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。

㉓社外取締役を除く取締役7名の報酬等の総額は6,600万円。2023年5月の退任1名と新任1名を考慮すると、単純平均で取締役1人当たり1,100万円。

㉔議案の採決時、第3号議案については、反対する株主に対して株式買取請求の案内があるとのことで、反対する株主は、株主総会終了後に所定の回収箱で出席票を回収されていた。

 

株主総会を終えて感じたこと

業績が堅調な一方で、PBRが1倍を割れており、株主優待も魅力的なため、平均934円で投資しました。

今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。

株主総会の質問内容を事前に募っていましたが、期限前に早々に質問を締め切っていた模様で、出席株主から多くの質問が出ていました。質疑応答では、社長の藤田元宏さん、副社長の本間正治さんを中心に、丁寧に回答対応されており、好印象でした。一部、不適切な質問もありましたが、藤田元宏さんが適切に対処されていました。

質疑応答でも指摘がありましたが、2023年3月に、東京証券取引所が「PBR1倍割れの企業に改善要請」を実施しましたが、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは、1株当たり純資産1,168円に対し、株価が878円(2024年5月23日時点)、PBR0.75倍と低迷しており、PBR1倍達成に向けた施策が求められます。

また、親子関係にある上場会社や持分法適用関係にある上場会社における情報開示については、少数株主保護やグループ経営に関する情報が投資判断上重要になるにもかかわらず、十分な開示がなされていない会社が多いことが指摘されています。ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスは、イオン(8267)がグループで52.2%の株式を保有しておりイオンの連結子会社ですが、東京証券取引所が、2023年12月に、「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実」および「支配株主・支配的な株主を有する上場会社において独立社外取締役に期待される役割」を公表しており、厳しい目が向けられつつあるので、今後の動向を注視します。

昨今、報道されているカスタマーハラスメント(事実無根の要求、法的な根拠の無い要求、暴力的・侮辱的な方法による要求など)への対応も、労働環境の改善や、離職率の改善のために、大手企業として労働施策総合推進法の改正を待たずにいち早く対応を進めたほうが、企業イメージの向上にもつながるかもしれません。

いなげやの子会社化を契機に、利益率の改善やPBR1倍達成を期待して、株主優待も楽しみに継続保有の予定とします。追加投資も検討します。

 

2024年5月10日に到着したユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの株主優待の内容についてはこちら↓

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスの株主優待が到着しました【2024年5月10日】 | ぽこタンの株主総会日記 (fp-agm.com)

 

株主総会会場の浅草ビューホテル
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