アークランズ 第55回定時株主総会
日時:2024年5月23日(木) 10:00-10:50
場所:アークランズ本社(燕三条駅徒歩9分)
出席株主数:約60名
お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり
企業概要
アークランズ(9842)
HP:ホーム | アークランズ株式会社 (arclands.co.jp)
①「ホームセンタームサシ」「スーパーセンタームサシ」「ムサシプロ」「ビバホーム」などの専門店でDIY関連用品・園芸用品・ペット用品・各種資材/素材用品・事務用品・家庭用品などの販売をおこなう「小売事業」(売上構成比76%)を中心に、全国およびグループのホームセンターにDIY関連用品・園芸用品などの販売をおこなう「卸売事業」(売上構成比3%)、とんかつ専門店「かつや」などの飲食店を経営する「外食事業」(売上構成比16%)、不動産の賃貸をおこなう「不動産事業」(売上構成比5%)、スポーツクラブ「JOYFIT」およびフィットネスジム「FIT365」を経営する「その他」(売上構成比0%)を運営。
②創業家で前副会長の坂本雅俊さんが代表を務める武蔵が、第2位の株主として、386万株、6.2%を保有。
会長の坂本勝司さんが、第6位の株主として、150万株、2.4%を保有。
社長の坂本晴彦さんが、第8位の株主として、124万株、1.9%を保有。
③株主優待(2月末、8月末)
100株:1,100円分の優待券
200株:2,200円分の優待券
1,000株:11,000円分の優待券
株式情報
時価総額:1,211億円(2024年5月22日時点)
売上高:3,106億円(2024年2月期実績)⇒3,150億円(2025年2月期予想)
株価:1,871円(2024年5月22日時点)
1株純資産:1,866円(2024年2月末時点)、PBR:1.00倍
1株当期純利益:192円(2025年2月期予想)、PER:9.74倍
1株配当:40円(2025年2月期予想)、配当性向:20%
配当利回り:2.1%、株主優待含む利回り:3.3%(100株保有時)
株主数:50,539名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①株主総会会場は、アークランズ本社のホールでの開催。事業報告は、社長の坂本晴彦さんが、手元の資料を読み上げるのみの対応。
②当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、コロナ禍前の正常な経済活動を取り戻しつつ景気が緩やかに回復に向かう一方で、ウクライナ情勢の長期化と円安基調、エネルギー価格・原材料価格の高止まりなど、景気の先行きは依然として、不透明で厳しい状況が続いている。このような環境下、当社グループの主力である「住・食」関連事業を深耕・発展させ、消費者の生活により近い形で網羅的な商品、サービスの提供に努めてきた。その結果、当社グループの当連結会計年度における売上高および営業収入は324,921百万円、営業利益は16,113百万円、経常利益は16,594百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9,125百万円となった。
③小売事業は、ホームセンター部門の売上高および営業収入は、今年度6月のホームセンタームサシ御経塚店および前年度9月にオープンしたスーパービバホーム八王子多摩美大前店、既存店で専門化に注力するペット部門およびリフォームサービスの伸長が寄与した一方、既存店におけるDIY関連および家庭用品部門の苦戦もあり、244,210百万円(前年比2.6%減)となった。その他小売部門の売上高および営業収入は9,652百万円(前年比3.3%減)となった。その結果、小売事業の売上高および営業収入は253,862百万円(前年比2.7%減)、営業利益は5,977百万円(前年比41.9%減)となった。
④卸売事業は、売上高および営業収入は4,922百万円(前年比8.5%減)、営業利益は314百万円(前年比32.4%増)となった。
⑤外食事業は、主力のとんかつ専門店「かつや」(国内)のFCを含む店舗数は22店舗純増の472店舗、「からやま」「縁」(国内)のFCを含む店舗数は10店舗純減の161店舗となった。店舗DX化の推進に加え、「かつや」(国内)で14回および「からやま」「縁」(国内)で11回のフェアメニューの実施により既存店の売上高前年比が好調に推移し、売上高および営業収入は51,813百万円(前年比9.8%増)、営業利益は5,706百万円(前年比15.3%増)となった。
⑥不動産事業は、売上高および営業収入は13,359百万円(前年比3.0%増)、営業利益は3,932百万円(前年比15.2%増)となった。
⑦その他は、フィットネス事業「JOYFIT」5店舗および「FIT365」4店舗を含んでいる。新型コロナウイルス感染症5類移行もあり会員数が増加し、売上高および営業収入は963百万円(前年比12.3%増)、営業利益は74百万円(前年比164.4%増)となった。
⑧今後の見通しについては、ホームセンター業界は、業界再編の動きが進み、異業態を含めた競争が更に激化し、厳しい環境が続くものと予想される。当社グループのシナジーを最大限創出し、企業価値向上、継続的な成長を目指していく。ホームセンター部門では、「お客様に圧倒的に支持される店づくり」に一層努めていく。専門性を更に深耕するべく、差別化・競争力の向上に注力し、経営基盤の強化に努めていく。その他小売部門においても、業態構築を進め差別化を図っていく。卸売事業については、PB商品開発、新たなカテゴリー開拓を積極的に進めていく。外食事業においては、「かつや(国内)」を直営・FC合わせて28店舗、「からやま・からあげ縁(国内)」を直営・FC合わせて9店舗、海外事業・その他の業態においても積極的に出店をおこなっていく計画。 以上により、2025年2月期の連結業績見通しについては、売上高315,000百万円、営業利益18,500百万円、経常利益19,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益12,000百万円を見込んでいる。
⑨2023年5月25日に開催された当社定時株主総会および6月22日に開催されたアークランドサービスホールディングスの臨時株主総会において、当社とアークランドサービスホールディングスとの間の株式交換契約の承認に係る議案がそれぞれ承認可決された。これにより、2023年9月1日を効力発生日として、当社を株式交換完全親会社、アークランドサービスホールディングスを株式交換完全子会社とする株式交換を実施した。
⑩当社の株式を保有する株主に当社とアークランドサービスホールディングスのグループ化のメリットを実感いただけるよう、株主優待制度としてアークランドサービスホールディングスで導入していた株主優待制度と実質的に同様の制度を2024年2月末より新設。
⑪社長の坂本晴彦さんは、48歳(1976年生まれ)と若い社長。
⑫質疑応答で、「従業員数が3,700人から約200人減っている。売上減による人員削減なのか?人員の状況を教えて欲しい。」との質問あり。「ムサシやビバホームなど、店舗により売場面積が異なり、売場面積に合わせた従業員数に調整している。」との説明。
⑬質疑応答で、「株主優待制度について、長期保有優遇制度や1,000株以上の株主優待を設けて欲しい。」との要望あり。「変更の予定は無い。変更があれば公表する。」との回答。
⑭質疑応答で、「ホームセンターの今後の出店戦略は?」との質問あり。「今期2店、来期2店の出店予定。その後は既存店に注力したい。外食は出店を進める。」との説明。
⑮質疑応答で、「フィットネスは、チョコザップなどもあり競争が激しい。JOYFITの優位性は何か?」との質問あり。「JOYFITとアークランズとの考えが合っている。JOYFITを信じて邁進していく。」との回答。
⑯質疑応答で、「アークランドサービスホールディングスを株式交換により完全子会社した狙いは?買収防衛が目的だったのでは?」との質問あり。「ホームセンターと外食が一体となって取り組む目的で一緒になった。グループ全体の企業価値を上げるため。」との説明。
⑰質疑応答で、「アークランズは元々手堅い会社のイメージがあったが、トステムとの合併により収益が落ちた。トステムとの合併を後悔していないか?」との質問あり。「後悔していない。全国規模の会社になれた。」との回答。
⑱質疑応答で、「外食事業について、値上げにより拡大に陰りが出ているのでは?」との質問あり。「食材、人件費、建築資材の高騰により、価格を改定している。顧客の評価を見ながら対応をしている。前年を上回る成長を目指している。」との説明。
⑲監査等委員である取締役(補欠含む)と取締役候補者10名中、70歳以上の候補者は坂本勝司さん(1945年生まれ、79歳)、藤巻元雄さん(1946年生まれ、78歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑳監査等委員である取締役を除く取締役9名の報酬等の総額は16,400万円。2023年5月に退任した3名を3ヶ月分、新任の2名を9ヶ月分として計算すると、単純平均で取締役1人当たり2,624万円。
㉑議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代に会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
業績が堅調で、株主優待も魅力的なので、平均1,679円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。特に今回、アークランズ本社内のホールでの開催でしたので、良い機会となりました。
質疑応答では、社長の坂本晴彦さんを中心に、外食事業の内容についてはアークランドサービスホールディングスの社長の坂本守孝さんが回答対応されていました。
同一株主から連続質問があったためか、株主総会開始から1時間も経過していない段階で、早々に質疑応答を打ち切っており、違和感を感じました。早期の質疑応答の打ち切りは、経営陣の逃げの姿勢に見えあまり印象が良くないので、株主との対話の場として、質疑応答の方法を工夫したほうがよいかもしれません。
なお、社長の坂本晴彦さんのお話を伺う限り、ホームセンターの小売事業については頭打ち感を感じましたが、外食事業については成長余地を感じました。
外食事業については、海外展開による成長にも期待し、株主優待も楽しみに、継続保有の予定とします。