アールエイジ 第37期定時株主総会
日時:2024年1月23日(火) 10:00-10:45
場所:赤坂インターシティAIR(溜池山王駅徒歩4分)
出席株主数:約10人
お土産:無し、ドリンクバーとミネラルウォータの提供あり
企業概要
アールエイジ(3248)
HP:東京のデザイナーズ賃貸ならアールエイジ (early-age.co.jp)
①自社所有物件の賃貸など居住用賃貸マンションなどのサブリースおよび管理受託物件のマネジメントなどをおこなう「運営管理事業」(売上構成比82%)を中心に、中長期の安定収入の確保が第一義である賃貸物件市場において競争力の高い物件の企画開発をおこなう「開発販売事業」(売上構成比18%)を運営。
②筆頭株主は、社長の向井山達也さんが代表を務めるBHAGコーポレーションで、向井山達也さんの個人の保有分を含め、182万株、58.9%を保有。
取締役の笠原賢一さんが、第5位の株主として、6万株、1.9%を保有。
③社長の向井山達也さんが過半数の議決権を保有しており、向井山達也さんの意思一つで物事を決められるオーナー企業。
④使用人数は、16名(連結17名)と少人数体制。
株式情報
時価総額:24億円(2024年1月22日時点)
売上高:34億円(2023年10月期実績)⇒42億円(2024年10月期予想)
株価:781円(2024年1月22日時点)
1株純資産:1,300円(2023年10月末時点)、PBR:0.60倍
1株当期純利益:104円(2024年10月期予想)、PER:7.50倍
1株配当:33円(2024年10月期予想)、配当性向:31%
配当利回り:4.2%
株主数:3,333名
会計基準:日本会計基準
株主総会での個人メモ
①不動産業界においては、オフィス市況では軟調な状態が続く一方、賃貸住宅の賃料水準は一部で上昇の兆しが見られるなど堅調に推移している。このような状況の下、運営管理事業で安定収益を確保しつつ、都心部にフォーカスした優良な賃貸事業用不動産の企画開発に注力した。この結果、計画比順調に推移し、売上高は3,440,552千円(前期比7.0%減)、営業利益は548,441千円(前期比12.7%減)、経常利益は477,413千円(前期比16.3%減)、親会社株主に帰属する純利益は326,993千円(前期比12.9%減)となった。
②運営管理事業は、賃貸事業用不動産(社有およびサブリース物件)の運営、管理受託物件のサービス提供にあたり、品質の向上、効率化を主眼にグループ一丸で取り組んだ。この結果、売上高は2,826,219千円(前期比1.0%減)、セグメント利益は565,469千円(前期比0.1%増)となった。
③開発販売事業は、賃貸事業用マンション5棟(39室)を販売した。この結果、開発販売事業の売上高は614,333千円(前期比27.7%減)、セグメント利益は139,596千円(前期比36.6%減)となった。
④不動産業界においは、引き続き底堅く推移することが期待されるが、物価上昇などによる変動が生じる可能性もあり留意が必要。
⑤運営管理事業の運営室数は、前期4,374室から4,241室へ133室減。
⑥開発販売事業の販売室数は、前期62室(3棟)から39室(5棟)へ減。
⑦質疑応答で、「中国経済の低迷による影響」について質問あり。「国内不動産市況は高止まりしていてやりにくさはある。中国とは異なり、東京においては中国人がプラスの効果となっていることを肌で感じている。」との回答。
⑧質疑応答で、「使用人数が減少傾向だが、人員状況は?」との質問あり。「意図的に減員しているわけではないが、運営管理について自社物件の比率が高まり、大家との交渉などの管理の手間が減っている。専門分野のアウトソーシングも進めており、人員状況に問題は無い。採用は難しい状況ではある。」との説明。
⑨質疑応答で、「東京証券取引所から改善要請のあるPBR1倍問題について、2024年1月15日に公開された開示企業一覧表に名前が無かった。現状、PBR0.6倍だが、今後の対応についてどう考えているのか?」との質問あり。「株価の向上対応として、配当性向35%以上、大株主の保有株式の売却により流通株式を増やす方針を、2021年12月に公表している。PBR向上の努力を継続おこなう。」との回答。
⑩質疑応答で、「2022年10月期以降、配当性向は35%以上を目標としているが、今期実績も来期予想も35%に達していない理由は?」との質問あり。「単年で考えるのではなく、継続性を考えた対応としている。配当は下げたくない。」との回答。
⑪取締役と監査等委員である取締役候補者7名中、70歳以上の候補者は浅野彰博さん(1951年生まれ、72歳)の1名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑫監査等委員である取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は7,765万円。単純平均で取締役1人当たり1,941万円。
株主総会を終えて感じたこと
東京都中心にマンション賃貸管理をおこなっており、また、スリムな体制で堅実な経営をおこなっている点に興味を持っていました。さらに、PBR1倍を大きく下回わる一方で、PERは10倍以下で推移しており、PBR1倍への株価上昇も期待して、平均744円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
株主総会では、社長の向井山達也さんのゆっくりとハキハキとした口調が印象的でした。株主総会終了後には、通路にて役員一同が株主の見送りをされていました。
東京証券取引所から改善要請のあるPBR1倍問題の対応について、「大株主の保有株式の売却により流通株式を増やす」との説明もされていましたが、大株主の売却により需給が緩み、株価が下落する事例が多いので、PBR1倍問題と上場維持基準の適合問題は分けて考えたほうがよいと思います。上場維持基準の適合対応としての大株主(社長の向井山達也さん)の保有株式の売却については、増配などの株主還元の強化とセットでおこなったほうが株価へのダメージが少ないかもしれません。
堅実な運営管理が主の会社なので、業績の急拡大は無さそうですが、継続的な増配による株価上昇、PBR1倍クリアを期待して、継続保有の予定とします。追加投資も検討します。