アーバネットコーポレーション 第26回定時株主総会
日時:2023年9月28日(木) 14:00-14:45
場所:御茶ノ水ソラシティ(新御茶ノ水駅直結)
出席株主数:約20人
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
アーバネットコーポレーション(3242)
HP:株式会社アーバネットコーポレーション (urbanet.jp)
①開発エリアを不動産価格が比較的安定している東京23区・駅徒歩10分以内に原則特化し投資用ワンルームマンションをワンルーム販売会社への専有卸を中心に一般法人・国内外投資家および相続税対策などの目的を有する日本の富裕層へ販売などをおこなう「不動産事業」(売上構成比99%)を中心に、JR蒲田駅前にて全48室の「ホテルアジール東京蒲田」を運営する「ホテル事業」(売上構成比1%)を手掛ける。
②筆頭株主は、服部弘信さんが代表を務める服部で、服部弘信さん個人での保有分も含めると、600万株、19.1%を保有。
建築工事業の合田工務店が、第2位の株主として、58万株、1.8%を保有。
会長の服部信治さんも、第6位の株主として、35万株、1.1%を保有。
マンション建設を手掛ける明和が、第8位の株主として、28万株、0.8%を保有。
③使用人数は、42名(連結48名)と少人数体制。
株主総会での個人メモ
①議長は、会長の服部信治さんが務めていた。
②首都圏のマンション市場の事業環境は、分譲ファミリーマンションは強い需要により好立地物件を中心に価格上昇が継続し、堅調。投資用ワンルームマンションは、日銀の金融緩和政策に変更はなく、安定。引き続き内外の金融情勢並びに、エンドの購入者の方に対するローン金利や、金融機関の取り組みの動向に留意。
③販売環境は、内外投資家などによる都心の投資用物件に対する需要は底堅く推移。金融環境や市場動向の変化に十分留意して、適切なタイミングと価格による販売を継続。
④ホテル事業(ホテルアジール東京蒲田)は、国内旅行需要の回復やインバウンドの増加などにより、客室単価・稼働率とも安定的に推移し、今後も黒字基調を維持できる見込。
⑤2023年6月期の実績は、売上高は202億64百万円(達成率101.3%)、営業利益は24億29百万円(達成率105.6%)、経常利益は21億39百万円(達成率104.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億47百万円(達成率107.2%)となり、いずれの数値も2022年8月4日に開示の業績予想値を上回った。増収増益。主な要因は、当社の主軸事業である都心での投資用ワンルームマンション1棟販売において、販売先の多角化に努め、プロジェクトごとの綿密な販売戦略にもとづき適時適切な販売ができたことによる。
⑥2024年6月期の連結業績予想は、売上高250億円、営業利益25億円、経常利益22億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益15億円の増収増益。投資用ワンルームマンション販売651戸。
⑦2023年4月、全国住宅産業協会主催第13回優良事業表彰の中高層分譲住宅部門(ワンルーム)において、当社開発の投資用マンション「レジデンス文京春日」が優良事業賞を受賞。
⑧2024年7月に本社を霞が関ビルディングへ移転予定。目的は、さらなる成長に向けて組織や人員の拡充へ備える。魅力ある職場の実現を推進するため、従業員へより良いオフィス環境を提供。政府機関や重要な公共機関が集中するビジネス環境に移転することによるブランドイメージのさらなる向上。
⑨2023年9月11日に、第三者割当により発行される第10回新株予約権、第11回新株予約権及び第12回新株予約権をマイルストーン・キャピタル・マネジメントに対して発行。当該発行による潜在株式数は、6,200,000株、下限行使価額は373円。好立地の用地取得について競合激化もあり、手元資金で先に購入代金決済を行い、金融機関からの資金調達が決済後にずれ込むプロジェクトも増加。さらに、当社は用地購入資金を原則として金融機関からの間接金融に依存しており、現時点までは購入額の全額を調達できているが、最近の都心土地価格高騰の結果、金融機関による担保評価額と実際の土地取引額に大きな差が生じてきており、100%全額の融資は困難との見解を示す金融機関も出てきている。このため融資金額が土地価格に届かず、差額を手元資金で拠出する必要が生じてくる。これに加えて、建設資材や人件費などの値上がりを背景に工事原価の上昇が進んでいる一方で、販売価格への転嫁は困難であり、売上高総利益率が低下する可能性が高く、一定の利益水準を維持するためには相応の増収が必要。工事の長期化の可能性も勘案すると、総資産の増加が見込まれ、用地取得のための資金を従来金融機関からの調達に依存してきた当社は、自己資本を分厚くし、財務体質を強化することが必要。また、従来からM&Aについては検討をしてきたが、事業領域や開発地域の拡大を通じて成長を加速すること並びに、優秀な人材の確保という観点から、M&Aをこれまで以上に推進することとし、そのための投資資金確保が必要との判断。
マイルストーン・キャピタル・マネジメントは、服部との間で、2023年8月24日から2025年9月10日までの期間において当社普通株式600,000株を借り受ける株式貸借契約を締結。
⑩不動産事業については、用地仕入の面では概ね感染症の影響は少なく、都心の土地価格高止まりの結果、用地購入の環境は引き続き厳しさを増していると判断。なお、不動産市場の過熱や海外金利の上昇といった不透明感はあるものの、当社グループは取引金融機関と良好な関係を維持しており、用地購入のための資金調達については全く問題なく対応できている。建設工事面でも、建設現場での感染拡大などによる竣工時期の大幅な遅延などは発生しておらず、感染症の影響は低下しているが、足元では、建設資材の高騰や人件費増加による工事原価上昇などの影響を強く受けており、今後も続くものと考えている。当社は建設会社と協力し、早めの工事発注などにより、工事原価の上昇抑制に努めていく。また、販売面では、比較的好調な国内経済状況を背景に、ファンド・リートからの引き合いが続いており、概ね感染症の影響はないものと判断。一方、投資用ワンルームマンションの最終顧客に対する金融機関の対応については、当社にも間接的に影響があることから、今後も注視していく。
⑪質疑応答で、「PBR1倍に向けた対応は?」との質問あり。「足元、株価が上昇しており、現状でPBR0.9倍程度。M&Aの加速により達成したい。」との回答。
⑫取締役候補者8名中、70歳以上の候補者は服部信治さん(1950年生まれ、73歳)、篠田哲志さん(1950年生まれ、73歳)の2名。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいと思う。
⑬取締役6名の報酬等の総額は20,259万円。このほかに、使用人兼務取締役の使用人分給与が4,729万円。使用人分給与を含め、また、2022年9月に1名が入替ったことを考慮すると、単純平均で取締役1人当たり4,997万円。
⑭議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代にいつまでも会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
業績が安定していて、配当利回りも良い一方で、PBRが1倍を下回り、株価に割安感を感じたため、平均309円で投資しました。
今回、実際に会長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
株主総会では、会長の服部信治さんが議長を務めていましたが、質疑応答での丁寧な回答対応が印象的でした。
今期も増収増益が続く見込みで、さらにM&Aも検討中とのことで、PBR1倍達を期待して、継続保有の予定とします。