A&Dホロンホールディングス 臨時株主総会
日時:2023年9月22日(金) 10:30-10:45
場所:サンシャインシティ(東池袋駅徒歩3分)
出席株主数:約10人
お土産:無し
企業概要
A&Dホロンホールディングス(7745)
HP:A&D HOLON Holdings Company, Limited (andholon.com)
①計測・制御・シミュレーションシステムや試験機や環境計測機器などの製造・販売をおこなう「計測・計量機器事業」(売上構成比40%)、A/D・D/A変換器や電子銃や半導体電子ビーム測定・検査装置などの製造・販売をおこなう「半導体関連事業」(売上構成比8%)、家庭用デジタル血圧計や精密体重計や超音波吸入器などの製造・販売をおこなう「医療・健康機器事業」(売上構成比52%)を運営。
株主総会での個人メモ
①2023年6月27日に開催された第46回定時株主総会において、第3号議案「監査役1名(綾克己さん)選任の件」を付議したが、賛成が49.62%にとどまり否決され、監査役の員数を欠く状態。
②第3号議案「監査役1名(綾克己さん)選任の件」が否決されたものの、第46回定時株主総会決議通知において、可決との表記をおこない発送し、後日訂正実施。事前の議決権行使状況でも否決となりそうな兆候が無かったのか、もしくは、議案が否決される可能性を全く考えていなかった模様。
③2024年3月期第1四半期は、半導体関連事業が成長ドライバーとなり前年同期比2桁増収、大幅増益を達成。第1四半期会計期間において過去最高の四半期売上高・営業利益を更新。ただし、足元の受注状況を鑑み、通期予想は当初の計画通りを見込む。想定為替レートは、1米ドル130円。
④「半導体関連事業」は、売上高が前年同期比+128.3%、営業利益が前年同期比+192.1%、大幅増収増益。前年度来の堅調な受注に対し、グループ総力を挙げて製造・出荷の対応を行ったことで売上大幅増。従来からの収益性に加え、生産性の向上が大幅な利益増加に寄与。
⑤「医療・健康機器事業」は、売上高、営業利益ともに前年同期比ほぼ横ばいで推移。日本は、大口顧客向け家庭用血圧計や病院向け看護用血圧計の需要が一服、売上、利益ともに減少。米州は、米国での家庭用血圧計の需要が好調に推移、大口案件を中心に売上増加、輸送費削減や製品ミックスによって利益も増加。欧州は、血圧計の需要が回復基調となり、売上、利益ともに前年と同水準を堅持。
⑥「計測・計量機器事業」は、売上高は前年同期比ほぼ同等で推移するも、営業利益は原材料費高騰が影響。日本は、産業用設備投資の回復に伴う計測機器需要の増加により売上は増加したものの、生産面での原材料価格高騰の影響が大きく、利益は大幅減少。米州は、主力の計量機器特需があった前年度からの反動減の影響が大きく、売上、利益ともに減少。アジア・オセアニアは、売上は前年並みを確保するも、利益については製品ミックスの関係から減少。
⑦「半導体関連事業」の事業環境は、24年3月期は半導体市場の減速が懸念されるが、微細化や3次元化、EV用パワー半導体などの技術革新などにより中長期的に新たな需要が高まる見込み。米国による中国向け輸出規制強化などの環境変化には注視が必要。
⑧中期経営計画は、2025年3月期に売上高660億円、営業利益92億円、親会社株主に帰属する当期純利益62億円。
⑨質疑応答で、「定時株主総会において、監査役1名(綾克己さん)の選任について否決された理由をどう考えているのか?否決されたことに対する見解は?」との質問が複数の株主からあり。「特に海外株主の目が厳しくなりつつあり、独立性の問題や、監査役を12年続けていたことが、否決の理由になったと考えている。今後は、ガバナンスを強化する。」との回答。
A&Dホロンホールディングスから綾克己さんの法律事務所に、弁護士報酬などの支払いがあるとのことで、問題視された模様。
⑩社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は7,500万円。単純平均で取締役1人当たり1,875万円。ただし、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まず。
⑪議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、デジタル時代にいつまでも会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したりして、その場で数字で示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
株主総会では、社長の森島泰信さんの元気の無い様子が気になりましたが、質疑応答では丁寧な回答対応をされていました。
今回の事例から、安定株主がいなく、特に海外株主が多い企業については、今までとは違い、厳しい目線で議案を精査され、議案が否決される可能性を理解しました。
足元の2024年3月期第1四半期実績も好調なので、通期での好調な業績の維持と、医療分野でのさらなる貢献を期待しています。