イード 臨時株主総会
日時:2023年5月24日(水) 10:30-10:50
場所:ハーモニースクエア(中野坂上駅徒歩3分)
出席株主数:数名
お土産:無し、ミネラルウォーターの配布あり
企業概要
イード(6038)
HP:株式会社イード | すべての人に最高のユーザーエクスペリエンスを! (iid.co.jp)
①顧客に対してマーケティングサービスとデータ・コンテンツを提供する「クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)」(売上構成比86%)、顧客に対してリサーチソリューションとメディアコマースを提供する「クリエイターソリューション事業(CS事業)」(売上構成比13%)を運営。
②筆頭株主は、インターネット情報サービスを手掛けるエキサイトホールディングス(5571)で、70万株、14.1%を保有。
広告業を手掛ける博報堂DYホールディングス(2433)の連結子会社の博報堂DYメディアパートナーズが、第2位の株主として、51万株、10.3%を保有。
就職情報提供事業などをおこなうマイナビが、第3位の株主として、40万株、8.0%を保有。
代表取締役の宮川洋さんが、第8位の株主として、19万株、3.9%を保有。
株主総会での個人メモ
①株主総会招集通知に「当社役員及び株主総会運営スタッフは、マスク着用で対応させていただきます。」と記載があったが、役員全員がノーマスクでの対応だったのが印象的。新型コロナも5類に移行したので、コロナ対応は事業者の判断となったが、自ら決めて記載した内容は有言実行したほうが良いと思う。
②車両衝突実験関連事業などをおこなうエフ・アイ・ティー・パシフィック(FITP社)の発行済株式の70.7%を取得し、2022年11月1日に子会社化。2024年6月期までに株式譲渡契約に定める条件に従って、FITP社の業績の達成割合に応じて条件付対価により、残りの発行済株式の29.3%を段階的に追加取得する予定。
③2023年6月期末に、初回配当として1株あたり12円実施予定。連結株主資本配当率(DOE)1.5%を目安とする配当方針。
④2023年6月期3Q累計のCP事業の売上高は、メディア上に掲載する広告による収益の「ネット広告」1,305百万円(28%)、雑誌出版等の紙媒体を主体としたビジネスの「出版ビジネス」376百万円(8%)、メディア向け、EC向け等のシステムの提供、運営支援などの「メディア・システム」683百万円(14%)、メディア上のコンテンツやデータへの課金・販売の「データ・コンテンツ提供」1,770百万円(38%)。「データ・コンテンツ提供」と「メディア・システム」は大きく伸長。「ネット広告」も前年同水準を維持。
⑤2023年6月期3Q累計のCS事業の売上高は、リサーチ領域のクライアントワークの「リサーチソリューション」369百万円(8%)、EC領域のクライアントワークの「ECソリューション」143百万円(3%)。「リサーチソリューション」、「ECソリューション」とも、前年同期と比べてやや低調に推移。
⑥当期第3四半期累計期間(2022年7月~2023年3月)は、売上高は、M&A等による積極的な事業領域の拡大により、引続き順調に増加するも、営業利益は前年同期を下回る結果となった。CP事業においては、ネット広告は、運用型広告の単価下落の影響を受け、またEC関連事業や出版事業においては、新型コロナ収束による「巣ごもり需要」の反動や仕入等のコスト高が影響した。さらに社会経済環境は依然として先行き不透明感が強く、例年CP事業・CS事業とも、主要な顧客の年度末である3月に向けて、追加的な広告出稿や受託案件など利益率の高い受注が大きく積み上がるところ、当期は想定を割り込む結果となった。これらの要因に対して、早急に対応策を講じているが、直ちに第4四半期(2023年4月~6月)においての十分な効果は得られないものと想定している。
⑦次世代に向けた取り組みとして、イードでは既にブロックチェーンを中核とするWeb3.0技術を取り入れた実験的プロジェクトを展開しているほか、メディアとしてもWeb3.0の潮流を捉えた展開を目指している。Sushi Top Marketingと協業でメディア上でNFTを配布する仕組みを提供開始。Web3.0プロジェクトの情報をビジネスパーソン向けに提供する有料コンテンツを展開。
インターネットの進化
Web1.0:HTML、メール(一方向 Read)
インターネットの登場によって誰でも、簡単に、安価に大規模な情報発信が可能となった(情報発信の民主化)
Web2.0:ソーシャルネットワーク、CGM、クラウド、モバイル(双方向 Read-Write)
ソーシャルネットワークの普及によって誰もが創造力を発揮しクリエイティブを発信する事が可能になった(クリエイター時代の幕開け)
Web3.0:メタバース、トークン、NFT、ブロックチェーン、DAO共創(Read-Write-Trust)
ブロックチェーンにより信頼が担保され、価値が表現可能になり、経済圏が生まれ、その成長による利益を共有する (メディアも一つの経済圏になる)
⑧Web3.0は 誰もがメディアになる、誰もがメディアを作る世界の到来。イードはプラットフォームとソリューションを通じて、誰もがメディア(発信者)となり生きていくクリエイターエコノミーの世界をサポートするプラットフォームとソリューションの提供を目指す。メディアの定義が拡大し市場参加者が増加していく。(メディア企業 ⇒ 大企業・自治体 ⇒ 小規模事業者・個人)
⑨中期業績目標(2026年6月期)は、CP事業を主軸に、積極的にM&Aや事業開発を進めることで、手がけるメディアや事業の領域を拡大するとともに、各領域でのビジネスモデルを多角化し、事業機会と収益を多様化・最大化することによって、連結売上高100億円、連結EBITDA 12億円を目指す。
⑩従業員279名(臨時従業員含む)。内訳は、エンジニア48名、リサーチャー23名、営業94名、管理28名、制作16名、編集70名。
⑪21ジャンル、80のメディアを運営。M&Aで73サイト取得。撤退サイトは19サイト。継続率74%。
⑫質疑応答で、「増収減益の理由」について質問あり。「世界的に広告ビジネスが踊り場にきている。ネット広告の件数が増えているものの単価が下落していることが要因。」との回答。
⑬質疑応答で、「今回の臨時株主総会の議案である資本金の減少による節税効果は?」との質問あり。「利益見通しを変更するような大きな影響は無く、軽微な影響。」との説明。
⑭質疑応答で、「業績はそこまで悪いとは思わないが、株価も下落しており、市場に対して前向きなメッセージをして欲しい。」との意見あり。「IRを強化し、自社株買いなども検討していきたい。」との回答あり。
⑮社外取締役を除く取締役2名の報酬等の総額は3,271万円。単純平均で取締役1人当たり1,635万円。
⑯議案の採決方法は拍手での採決。議決権の過半数を保有する大株主もいない状況で、出席者により保有している議決権数も違うので、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じる。投票方式を採用したり、事前の議決権行使の具体的な数字を示したほうが株主総会に出席している株主から見て納得感がある。
株主総会を終えて感じたこと
株主総会時点、株式は未保有ですが、今回、実際に代表取締役や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
今回、株主総会の会場は、イードの本社が入るハーモニータワーもあるハーモニースクエアでの開催でしたので、イードに親近感が湧きました。また、株主総会では、代表取締役の宮川洋さんの真面目な人柄と緊張した様子が伺えました。
世界的に広告ビジネスが踊り場にきているとの説明もありましたが、売上高はゆっくりではあるものの着実に伸び続けており、財務内容も良好なので、今後の成長と株主還元にも期待しています。成長企業として再投資も検討します。