東京一番フーズ 第24回定時株主総会
日時:2022年12月23日(金) 10:00-10:50
場所:小田急ホテルセンチュリーサザンタワー(新宿駅徒歩1分)
出席株主数:約10人
お土産:無し
企業概要
東京一番フーズ(3067)
HP:株式会社 東京一番フーズ|コーポレートサイト (tokyo-ichiban-foods.co.jp)
①とらふぐ亭、ふぐよし総本店、魚の飯、魚王KUNI、寿し常などの飲食店を運営。養殖まぐろ、とらふぐなどの外販事業も育成中。
②筆頭株主は、社長の坂本大地さんの資産管理会社のなにわで、坂本大地さんの個人の保有分を含め、454万株、51.0%を保有。
取締役の良川忠必さんも、第4位の株主として、8万株、1.0%を保有。
③社長の坂本大地さんの意思一つで物事を決められるオーナー企業。
④2022年12月13日のIRにて、「社長の坂本大地さん、および、坂本大地さんの資産管理会社のなにわが、流通株式時価総額の拡大によりプライム市場の上場維持基準への適合を実現することを目的として、立会外分売で44.8万株を売却し、議決権数が46.0%となった。」と発表。
⑤株主優待(3月末、9月末)
500株:株主様ご優待券1枚
1,500株:株主様ご優待券2枚
2,500株:株主様ご優待券3枚
3,500株:株主様ご優待券4枚
4,500株:株主様ご優待券5枚
※株主様ご優待券は、下記商品から1点選択
1枚:泳ぎとらふぐコース一人前、炭火焼ふぐ特別プラン(玄海)一人前(期間限定)、魚沼産コシヒカリ2kg
2枚:全国お取り寄せ「くつろぎ」セット(3〜4人前)
株主総会での個人メモ
①株主総会開会前まで、東京一番フーズのイメージ映像が放映されていました。会社に親近感が湧きました。
②事業報告は、社長の坂本大地さんが、映像やスライドは使用せず、手元の資料を読み上げるだけの対応でした。BtoCの会社なので、自社の店舗や強みを紹介したり、もっと株主(消費者)に対して自社をPRをしたほうがよいように感じました。
③助成金収入が約6.1億円あり、純利益が1.2億円となった。2023年3月まで延長される助成金の収入が無くなった後に、どこまで利益を出せるのか注視します。
④質疑応答では、株主の質問が終わると、全ての質問に対して、社長の坂本大地さんは即答せず、事務局のメモを待ってからの回答対応でした。印象がよくないので、会社法に関わるような回答が難しい質問を除き、自分の言葉で即答されたほうが印象がよくなると思います。
⑤質疑応答で、株価の暴落を招いた2022年12月13日の立会外分売について苦言が出ていました。プライム市場の上場維持のために流通株式時価総額の拡大が必要なのは分かりますが、発行株式数の5%にもあたる分売だったので需給悪化を招いたようです。
流通株式時価総額には、株価の要素もあるので、株価に影響が出ないように、復配や株主優待の拡充とセットで実施したり、もしくは、有価証券処分信託を利用して市場内で長期間かけて徐々に売却するなどの工夫が足りなかったように感じました。もし今後も売却を行うのであれば、今回の失敗を活かして、株価下落を極力招かない対応が必要だと思います。
⑥質疑応答で、既存店の状況について質問がありました。大企業の宴会需要が回復せず、都心の店舗は厳しいものの、郊外店舗の回復は早いとの説明。中国からのインバウンド需要復活に期待しているとの説明もありました。
⑦質疑応答で、株主優待の利用可能店舗を、「魚の飯」や「寿し常」にも拡大して欲しいとの要望が出ていました。目先、変更する予定は無く、業績が回復した後に検討するとの説明でした。自社店舗のPRにもなるので、利用可能店舗の拡大には前向きに検討いただいた方がよいように感じました。
⑧質疑応答で、新任取締役候補の森田収さんについて、SMBC日興証券のトラブルの関与有無について質問が出ていました。社長の坂本大地さんが説明され、株主総会終了後に、森田収さんから、関与が無いことについて直接しっかりとした説明があったので好印象でした。
⑨70歳以上の取締役候補は8名中、岩成和子さん(1949年生まれ、73歳)の1名でした。役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいのではと感じました。
⑩社外取締役を除く取締役4名の報酬等の総額は5,696万円。単純平均で取締役1人当たり1,424万円。
⑪株主総会終了後、選任された取締役全員と監査役全員の紹介があったのは良い対応だと思いました。
株主総会を終えて感じたこと
捌きたてのふぐ身がピクピクと動く「とらふぐ亭」の泳ぎてっちりや、「寿し常」の美味しいお寿司が好きなので、株主優待も楽しみに、平均548円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
株主総会では、社長の坂本大地さんが、全ての質問に対して即答はせず、事務局のメモを待ってから回答している姿に違和感を感じました。オーナー社長でもあるので、何も恐れずに自分の考えを自分の言葉で堂々と即答して欲しいと感じました。
プライム市場の上場維持には、「流通株式時価総額100億円」と「平均売買代金0.2億円/日以上」のクリアが必要とIR説明がありましたが、特に、流通株式時価総額は、2022年12月22日時点、時価総額43.5億円×流通株式比率50.4%(推定)=21.9億円程度と思われ、もし株価だけで流通株式時価総額100億円を達成するためには、「株価485円(2022年12月22日時点)×100億円÷21.9億円」=株価2,214円程度が必要に見えます。
今後、社長の坂本大地さんが、流通株式増加のために追加で保有株の売却を行う場合には、流通株式時価総額には株価の要素もあるので、株価の下落を伴う売却方法は避けたほうがよいと思いました。
助成金収入が無くなった後に、どこまで利益を出せるのか心配ではありますが、プライム市場上場維持に向けた企業価値の大幅な向上と、株主優待を楽しみにして、継続保有の予定とします。