キッズウェル・バイオ 第22回定時株主総会
日時:2022年6月27日(月) 10:00-11:55
場所:TKP東京駅日本橋カンファレンスセンター(日本橋駅徒歩1分)
出席株主数:約20人
お土産:無し
企業概要
キッズウェル・バイオ(4584)
HP:キッズウェル・バイオ株式会社|真の創薬ベンチャー企業を目指します (kidswellbio.com)
①バイオ新薬事業、バイオシミラー事業、細胞治療事業(再生医療)を手掛けるバイオベンチャー。
口唇口蓋裂、腸管神経節細胞僅少症などの乳歯歯髄幹細胞(SHED)を活用した細胞治療事業へ軸足を移す。
②筆頭株主は音響機器を主とするノーリツ鋼機で、947万株、30.1%を保有。
③ノーリツ鋼機の持分法適用会社。
④従業員は38人と少人数。
⑤2021年7月1日、「ジーンテクノサイエンス」から「キッズウェル・バイオ」へ社名変更。
株主総会での個人メモ
①株主総会時における質問事項を事前にメールで受け付け、株主総会時に回答いただけるのは良い対応だと思いました。
②社長の谷匡治さん以外の取締役と監査役全員がオンラインでの参加でした。
③事業報告は、ほぼ全ての時間を使って今後の経営戦略についての説明でした。
社長の谷匡治さんが資料を用いて熱心に説明していました。熱い想いや考えが伝わり、良い対応だったと思います。
④質疑応答では、質問が出尽くすまで社長の谷匡治さんが回答対応されていました。好感を持ちました。
⑤バイオシミラー市場に大きな変化があり、バイオセイム(ジェネリック品のイメージ)の登場で、やれば何でも儲かる状況ではなくなってしまった。
また、バイオシミラーで結果を積み上げても、企業価値として評価されないことも分かった。
バイオシミラーの状況が変わってしまったので、昨年作成した中期経営計画の黒字化をいったん取り下げて、企業価値を高めるため、他社が手掛けていない乳歯歯髄幹細胞(SHED)に主軸を移すとの説明がありました。
⑥黄斑変性症などの眼疾患治療薬のGBS-007(ラニビズマブ)が受注増。借入、転換社債、新株予約権で19億円調達し製造能力拡大する。
対応しないと供給責任問題となってしまう。
⑦今後、乳歯歯髄幹細胞(SHED)に100億円程度(90億~150億円)の投資が必要。
海外のベンチャーキャピタルやファンドに出資してもらい、グローバルに育つ新薬としたい。
ただ、このIR発表でヘッジファンドに空売りを仕掛けられてしまい株価が大暴落してしまった。
ヘッジファンドに空売りされてしまうと、日本ではバイオベンチャーが育たないとの嘆きのような主張を、社長の谷匡治さんが何度もされていました。
⑧乳歯歯髄幹細胞(SHED)が上手くいかなかった場合、社長の谷匡治さんが責任を取ると断言されていました。相当な覚悟を感じました。
⑨社外取締役の栄木憲和さんと千葉彩さんが、株価についてどう考えているか質問を受けていましたが、社外取締役の視点でしっかりと考えを説明していたのには好感を持ちました。
⑩JRM-001(小児先天性心疾患)を開発中の子会社の日本再生医療を2022年4月4日にメトセラヘ譲渡。従業員4名がメトセラヘ転籍。
再生医療の主軸のひとつとしていたので、今回の譲渡対応に違和感を感じました。
⑪株式を30.1%を保有しているノーリツ鋼機の中期経営計画では、ヘルスケア事業がコア事業から外れました。ノーリツ鋼機が今後どのような対応をとるのか注視します。
⑫70歳以上の取締役は1名(栄木憲和さん、1948年生まれ、74歳)でした。
役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいのではと感じました。
⑬議案の採決方法は拍手での採決でした。
出席者により保有している議決権数も違い、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じました。
ただ、議案の採決結果については、議案によって3分の2以上の賛成で可決、過半数の賛成で可決との説明でした。
議案ごとに賛成数のある程度の目安について説明があったのは良い対応だと思います。
株主総会を終えて感じたこと
第三者割当増資の連発で株券印刷業とも言われるバイオベンチャーですが、小児疾患を重点的なターゲットと定めた会社の方針に共感を持ち、医療への貢献を考えて平均283円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
乳歯歯髄幹細胞(SHED)へかける社長の谷匡治さんの強い想いと、小児疾患を中心に今後の医療への貢献を期待して継続保有の予定とし、追加購入も検討します。