ナノキャリア 第26回定時株主総会
日時:2022年6月27日(月) 13:30-14:55
場所:東京ミッドタウン日比谷(日比谷駅直結)
出席株主数:約40人
お土産:無し、ペットボトルのお茶の配布あり
企業概要
ナノキャリア(4571)
HP:ナノキャリア株式会社 (nanocarrier.co.jp)
①卵巣がんの遺伝子治療製品、点耳抗菌薬のほか、乳がんや脳腫瘍の核酸医薬品のバイオベンチャー。
②筆頭株主は証券業務の東京短資で、310万株、4.4%を保有。
創業者で前社長の中富一郎さんも、第3位の株主として95万株、1.3%を保有。
③従業員は24人と少人数。
株主総会での個人メモ
①取締役の岡野光夫さんは、残念ながら欠席でした。理由については説明がありませんでした。
②取締役8名中3名(松村淳さん、飯野智さん、長谷川由紀さん)がファンドのウィズ・パートナーズからの社外取締役。
何故、ウィズ・パートナーズから役員を3名も受け入れているのか、大株主でもないので真因が何なのか気になります。
③頭頚部がんのNC-6004は、主要評価項目を達成する可能性が低いとのことで治験を継続しないこととした。
この件について、会社側からの説明不足を指摘する質問と意見が多数ありました。
創業者で前社長の中富一郎さんからも、説明不足との指摘と、現経営陣の責任を追及する意見が出ていました。
確かに2022年4月22日の会社からのIRだけは、情報が少なすぎ、何が起きたのか詳細が分かりません。虎の子だったNC-6004に何があったのか?
会社から丁寧な説明が必要だと思います。
④開発関連の質問については、取締役で開発本部長の秋永士郎さんが回答していましたが、質問と回答がかみ合っていないのが気になりました。
また、開発関連の質問について、社長の松山哲人さんは内容を理解できていないのか、質問の要点をまとめず、秋永士郎さんへスルーパスを投げていたのも気になりました。
⑤質疑応答で、低迷する株価に対して質問が出ていました。
社長の松山哲人さんから、「赤字の会社なので今の株価は高いとの見方もある」との説明があったのには、確かにその通りだと思う反面、違和感も感じました。
企業価値を大きくしたいと言いつつも、企業価値を大きくしようと努力しているようには感じられませんでした。
⑥第Ⅲ相のVB-111(卵巣がんの遺伝子治療製品)は、一般的に成功率50%との説明。
⑦赤字企業であるのに取締役が8名は多すぎるとのことで、動議がありました。
否決されましたが、従業員24人のみの会社という面からみても取締役8名には違和感を感じました。
⑧70歳以上の取締役は、岡野光夫さん(1949年生まれ、73歳)、片岡一則さん(1950年生まれ、71歳)の2名でした。
役員定年制(一般的には65歳~70歳)を設定して、未来のために次世代育成を進めたほうがよいのではと感じました。
⑨議案の採決方法は拍手での採決でした。
出席者により保有している議決権数も違い、会場の拍手の多数で賛否を決めるのでは基準が曖昧に感じました。
今回は大株主かつ創業者で前社長の中富一郎さんからの苦言や、動議もあったので、拍手での採決には特に違和感を感じました。
株主総会を終えて感じたこと
第三者割当増資の連発で株券印刷業とも言われるバイオベンチャーですが、医療への貢献を考えて平均228円で投資しました。
今回、実際に社長や取締役を間近に見てその振る舞いを確認できたこと、会社の雰囲気を感じられたことが株主総会に参加した大きなメリットでした。
創業者で前社長の中富一郎さんからの苦言もあったように、会社側の対応に違和感を多々感じましたが、今後の医療への貢献を期待して継続保有の予定とします。